エア・ライフルグルーピング観測 標的の弾痕でパーフォーマンスを推測することは射撃の伝統的な解析方法ですが、現在では用具の発達で銃口がかつてに比較し止まるようになり、射撃の分析としては確度の低いものとなりました。分析の正確性は射手の技量が高いほど低いものです。私個人の場合参考程度の資料としてしか採用していません。そのことを前提に一般的に行われる分析についてまとめておきましょう。 グルーピング地図は弾痕のある標的を白紙標的(別の新しい標的の裏)にあわせて、弾痕の中心にボールペンでマークして作成します。 1.据銃状態のレベルによるグループの変遷 据銃能力が向上すると着弾は平均分布から、先に上下方向が規制され、次第に左右方向の偏差が小さくなってきます。中級者以上になると一番右の形状の大小が観測されますが、得点が良いにもかかわらず(グループが小さいにもかかわらず)グループの形状が360度方向等距離の円形に近い場合(a)、据銃状態は改善の余地がある可能性を示唆します。骨格サポートが完成されると、統計学的に見たグルーピングの形状は、上下10点圏内の誤差を持つ楕円を描きます。もちろん円形のグループとしても10点を連発するような場合、すでにグルーピングによる銃口のゆれを観測するレベルをはるかに超えていると言えるでしょう。(b)
* 骨格サポートの完成度は上下方向の偏差の大小により判定します。 * 骨格の上に銃が載り筋力の使用が少ない場合、上下誤差は小さくなります。 * バランスコントロール能力が低い場合左右方向の偏差が大きくなります。 2.グルーピング形状にでる典型的なエラーの例
* 撃発エラーによる持ち上げ * 上体の標的と反対方向への過大な反り * 据銃時の右肩の持ち上げ * 自然狙点エラー * 腰や脚の回転方向のひねりの調整エラー * サイトが違う(案外多発する)
* 疲労による集中欠如 * トリガータングにかかる指の方向 * ストックが長すぎる (技術エラーが生じたことが原因であることがほとんどで、このグループを持って道具に不要な調整を加え悪循環に陥る場合が多い)
* 右手の保持関係の微細なエラー(手首の折れが大きい等) * チークピースが若干低すぎる場合(左右方向の場合チークピースの厚み) * サイトが違う |