威怒牟幾不動の滝
「いぬむき」と読みます。ここの滝は一見の価値があり、登山の途中で立ち寄ってみるのもいいが、滝だけを見に不動まで登るのも味がある。ほとんどの滝は、落ち口から一気に流れ落ちて壮観な感じがあるが、ここの滝はひと味違う。下から登りあげて、眼前の切り立った岩山のすばらしさに圧倒される。絶壁になった岩山の頂点から、水が落ちているらしいのは分かるが、肝心の滝が見えない。下方にはちゃんと滝壺が小さいながらもあって、川になってながれ出しているのが見える。近くまで行けば、流れ落ちている滝が何とか確認できる。シャワーのように細かく、光りながら滴り落ちている。といっても、水量は少なくなく、まさにシャワーのような滝といっていいだろう。滝の裏側に回れるようにちゃんとした道がつけられていて、滝の裏見ができる。修験者が寝起きしたらしいような、古い建物が傾きながら建っている。傍らの不動も小さな小屋でがまんしているらしい。滝の裏から向かいの山並みが透けて見える。この風景は、とても他の滝では味わえない。私はシャワーのような、と言ったがカミさんは金箔のかけらが光りながら降ってくると表現した。うまい角度と陽があれば、虹が楽しめるかも知れない。
場所の説明をしておきます。国道254を下仁田へ。そこより、道を左にとって南牧村へ。しばらく走ると南牧村役場などがある雨沢地区。ここから先は道が少し狭くなる。やがて道は、羽沢地区にはいる。羽沢橋で荒船登山口の方向へ、右に曲がる。そのまま道は星尾地区にはいり、吉祥寺で左に曲がる。道はまっすぐ続くが、荒船登山口の標識を見落とさないようにして必ず左に曲がって下さい。登りあげれば大上地区。道上に屹立した岩山が幾つか見える。まるで、西部劇の風情だ。一番高いのが「立岩」で、土、日曜ともなれば登山客で山道が狭くなる。車は、どんどん登って行き止まりが駐車場である。この駐車場の下にも「線ケ滝」という真一文字の滝が落ちている。道は二手に分かれて、荒船山方向と立岩方向になり、右の立岩方面へ入る。威怒牟幾不動という、しっかりした標識が出ています。滝だけではなく、「立岩」に登ることもおすすめします。
また、見に来て下さいね。お待ちしてます。
低山ハイキングに興味のある方はメール下さい。GUNMA.MCN