鹿岳(かなたけ)

国道256号を富岡から下仁田町に向かって走っていくと、正面に山並みが連なっている。右側の一番手前の山が大桁山で、その下の方にちょこんと人差し指のように直立しているのが石尊山。この二つには、上信電鉄の千平駅の後ろ側から登れる。大桁山の背後には、特長のある荒船山の平らな山並みが見え、その左下に肉饅(?)のような格好をした四ツ又山がある。左の奥の方に鬼の頭のように二本の角が飛び出しているのが今回紹介する鹿岳である。(かなたけと読む)一目見て、あれは何だという気分にさせる山形である。その斜めに直立した(まっすぐなのが直立ですが、この際斜めでも許して!)とにかく異様である。なぜ、あの山を「かなたけ」と呼ぶのか私は知らないが、多くの事例のように、その形からくるのではないかと勝手に考えているが、どうみても、その形は鹿の角などではなく、まちがいなく鬼の角だ。うちのカミさんは南牧村の出身で、子供の頃から毎日眺めてきたらしい。中学一年生の時に、担任の山好きな先生に連れられて四人ばかりで登った思い出があるという。その時の記憶が鮮明で、もう一度登ってみたいと思っていたらしい。いつか行こうといっていたのだが、けっきょく二人で登ったのは、去年の春であった。記憶を辿りながら登っていくと、道はだんだん険しくなり、音をあげるカミさん。右側に大きく被さってくるように立つ岩山。それが、下仁田から見た時に左側に見える角。これを登るのかと不安になる私。弱音を吐くのはしゃくだから、黙ってひたすら登る。鞍部までの登りはきつくはないが、左右のピークに取り付くのは少ししんどい。梯子や階段が山頂近くにはある。眺めは絶好で、すぐ隣下に四ツ又山のゆったりとした風情。高所恐怖症の私にとっては、どうも落ち着けない風景だ。山頂に立てば、カミさんはいつものとおり元気なのだ。

 国道254号を下仁田へ。町中手前の踏切を左へ南牧村を目指します。南牧村の小沢地区の小沢橋を右折。そのまま黒滝山方向へ走る。道は途中で左に黒滝山へ向かうが、そのまま直進して高原地区へ。村落で道が細くなった辺りに「登山口」の標識と駐車場。道が狭いので注意して駐車をして下さい。電車では、上信電鉄で下仁田駅下車。バスで小沢橋まで行けるが登山口までは歩行。登りは1時間30分程度。

また、見に来て下さいね。お待ちしてます。

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