荒船山(経塚山)

荒船という命名は誰がしたのだろうか。毎日、車の窓から眺めているが、これほどぴったりとしたネーミングは、そうはない。「破船の形した山」と、かつて私の知人が詩に書いたことがある。初冬の厳しい顔をした断崖を見ると、まさに、その言葉が分かる。だからということではないが、私は秋から初冬にかけてよく登る。季節が過ぎた山といった風情があって、人も少なく日差しも心もち弱いような気がする。晴れた日の経塚山からの展望は素晴らしい。

文化の日に、荒船不動から登った。唐松の葉が道に敷きつめられ、歩いていると肩や帽子に葉が、まるで雨滴のように当たる。静かな良い一日であった。夏場に登ったことがあった。この荒船不動からのコースは、道も良く、短時間に経塚山直下に登れるので、夏はスニーカー履きでバーベキュー目的に生ビールの樽を持った集団などに出会うこともある。絶壁になった「艫岩」の辺りで酒盛りなどをしている。そうした遊び方を否定はしないが、やはり違和感はある。私とて、ちゃんとしたハイカーではなく、林道の奥まで車で入る横着者だが、どうもそこまではやれない。そうした光景を見る度に、簡単に登れるというのも功罪相半ばだなと思ってしまう。もっとも、私とて簡単に登れるから登るのであるが。

 登山コースは幾つかあるが、ここでは荒船不動からの登りを紹介します。国道254号の内山トンネルを出て、すぐ右側に「草笛」というレストランがあります。その反対側、つまり左側に「神房」という標識があり、それをそのまま左下に下りていきます。道はT字路になり、ゆるやかに右に行きますが、そのT字路を左に曲がってそのまま直進すれば道は狭くなりますが荒船不動下までは舗装の状態が続きます。駐車スペースは数台程度、不動の下に止められます。荒船不動から60分程度で経塚山頂、大絶壁まで山頂より40分。

また、見に来て下さいね。お待ちしてます。

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