花だいこんの群生は 菜種の細いさやを つき立てている
ひと茎ごとに 花はてっぺんにとり残され 風の向きに 花びらのかたちを変える
かぼそいひと茎にも 摂理がはしり まどうことなく そのものの身をととのえていく
あなたの肺は あらがい切れない病巣を 見えない地中の 土器のひびのように 抱き ひろがる侵触に 息が漏れ出してしまう
言葉もあやうくなる予測に あなたは音声の限り わたしを呼んだ まちがいない「さようなら」を 確実に言うために