あらあらどうしましょう
静まりかえった空の一角から
ドジな天女の声がしたと思いねえ
なんて瞬間はうつくしいのだろう
それは静かに長い尾を引き
まさに地上に舞い落ちるところ
こいつは吉兆だぜ
あれはどこかの畑で
葱苗かなにかを覆っていた布じゃねえ
金色の雲のほとりで
まあすごい
なんて見下ろしていた天女の落とし物
いや そうじゃねえな
あたしこんなお仕事やめたわ
なんてね
下界に向けておしっこして
さっと拭いてばあっと捨てちゃった
そんなものかも知れねえなあ
それは春の午前の
とてもなやましいひとときだったので
天女の羽衣が降ってきたと
思いたかっただけのこと
ああそうとも
白え寒冷紗だったよ
・・・・・・・・・
お馬鹿さんねえ