詩集・明暗

関 文八著        煥乎堂     頒布価格800円

 

「犬が西向きゃ」


  ルーズベルトのベルトが切れてよ

  チャーチルチル首が散るよ

今を去る半世紀の昔

われわれ庶民の間では

こんな調子づいた歌をうたったものだった

とても勝てるいくさとは思えない

巷の惨状だったが

鬼畜米英撃滅の一心で

本気でたたかった日本人

天皇のポツダム宣言の声をきくまでは・・・・・


戦後日本人のおおくは

掌を反したように従順になり

卑屈になっていった

領土の主要渚抛点は

独立国としての機能を失い

ものなべて「対米従属型」になり

五十年の昔のしがらみが

ふたたび

この身にまつわりつく



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