愛敬浩一詩集・クーラー
頒価1500円 ワニ・プロダクション
「石の人」
笹の葉でひかれたような
と返事をした途端
頭の中では
その緑色と
あの筋の具合とが
くっきりと見えた
適切な比喩ほど心にしみるものはない
みなさんそうおっしゃいますね
白い服の人は
まるで
黒い服の人の
おくやみの言葉のように言った
逆に言えば
通俗な比喩ということなのだろう
その比喩が
わかる人はわかる人として
それは人数で言えば
どのぐらいであるのか
詩を書く人ぐらいであるのか
ああ、石の人ね
と受付で軽く受け流されたのが
五日前で
今日
石を砕き
今
管が抜けたばかりだ
本のお申し込み、お問い合わせ等はここをクリックして下さい。