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2006年に創設されたこのレースは過去15回で1番人気の勝利が2009年ウオッカ、2010年ブエナビスタ、2013年ヴィルシーナ、2020年アーモンドアイの4回しかない。過去10年の3着以内30頭の人気を平均すると5.77番人気となっているので、滅多なことでは堅く収まらないと考えた方がいい。過去10年の3着以内30頭の3代目、つまり父、母の父、祖母の父を並べてみると、その多くの部分を名マイラーの名が占めていることが分かる。下表に示したとおり、30頭中23頭は父、母の父、祖母の父のうち1頭ないし2頭に1600m(または1マイル)のG1級レースの1着(または1位入線)の経験があった。大体において優れたスピードを備えたものが名種牡馬になる場合が多いので、血統表中にマイラーの名がないことの方がむしろ稀といえなくもないが、30頭中23頭という数は信じてみてもいいのではないだろうか。ちなみに今回の出走馬でこれに該当するのは、50音順でイベリス(父ロードカナロア)、クリスティ(母の父クロフネUSA、祖母の父フジキセキ)、サウンドキアラ(母の父アグネスデジタルUSA、祖母の父シアトルスルー)、シゲルピンクダイヤ(父ダイワメジャー、母の父ハイシャパラル、祖母の父シンダー)、デゼル(祖母の父マークオブエスティーム)、マルターズディオサ(母の父グランドスラム、祖母の父スピニングワールド)、レシステンシア(父ダイワメジャー)の7頭に過ぎない。大まかな見立てとしては、この7頭のうち1頭か2頭が馬券に絡む可能性はかなり高く、場合によっては3頭が上位を占めることもある。過去の例がそう語っている。 |
| 血統中に潜むマイルGT実績 | ||||||
| 年度 | 着順 | 馬名 | 人気 | 父 | 母の父 | 祖母の父 |
| 2011 | 1 | アパパネ | 2 | キングカメハメハ | Salt Lake | Spectacular Bid |
| 2 | ブエナビスタ | 1 | スペシャルウィーク | Caerleon | Lord Gayle | |
| 3 | レディアルバローザ | 3 | キングカメハメハ | Tejano Run | Lord Gaylord | |
| 2012 | 1 | ホエールキャプチャ | 4 | クロフネUSA | サンデーサイレンスUSA | Nashwan |
| 2 | ドナウブルー | 7 | ディープインパクト | Bertolini | リファーズスペシャル | |
| 3 | マルセリーナ | 3 | ディープインパクト | Marju | Distant Relative | |
| 2013 | 1 | ヴィルシーナ | 1 | ディープインパクト | Machiavellian | Nureyev |
| 2 | ホエールキャプチャ | 12 | クロフネUSA | サンデーサイレンスUSA | Nashwan | |
| 3 | マイネイサベル | 5 | テレグノシス | サンデーサイレンスUSA | マルゼンスキー | |
| 2012 | 1 | ヴィルシーナ | 11 | ディープインパクト | Machiavellian | Nureyev |
| 2 | メイショウマンボ | 3 | スズカマンボ | グラスワンダーUSA | ジェイドロバリーUSA | |
| 3 | ストレイトガール | 6 | フジキセキ | タイキシャトルUSA | デインヒルUSA | |
| 2015 | 1 | ストレイトガール | 5 | フジキセキ | タイキシャトルUSA | デインヒルUSA |
| 2 | ケイアイエレガント | 12 | キングカメハメハ | A.P. Indy | Roberto | |
| 3 | ミナレット | 18 | スズカマンボ | ウォーニングGB | ファーディナンドUSA | |
| 2012 | 1 | ストレイトガール | 7 | フジキセキ | タイキシャトルUSA | デインヒルUSA |
| 2 | ミッキークイーン | 1 | ディープインパクト | Gold Away | Procida | |
| 3 | ショウナンパンドラ | 2 | ディープインパクト | フレンチデピュティUSA | ディクタスFR | |
| 2017 | 1 | アドマイヤリード | 6 | ステイゴールド | Numerous | Kenmare |
| 2 | デンコウアンジュ | 11 | メイショウサムソン | マリエンバードIRE | サンデーサイレンスUSA | |
| 3 | ジュールポレール | 7 | ディープインパクト | エリシオFR | Mr. Prospector | |
| 2012 | 1 | ジュールポレール | 8 | ディープインパクト | エリシオFR | Mr. Prospector |
| 2 | リスグラシュー | 1 | ハーツクライ | American Post | ミラーズメイトGB | |
| 3 | レッドアヴァンセ | 7 | ディープインパクト | ダンシングブレーヴUSA | テスコボーイGB | |
| 2019 | 1 | ノームコア | 5 | ハービンジャーGB | クロフネUSA | サンデーサイレンスUSA |
| 2 | プリモシーン | 4 | ディープインパクト | Fastnet Rock | ストラヴィンスキーUSA | |
| 3 | クロコスミア | 11 | ステイゴールド | ボストンハーバーUSA | Nashwan | |
| 2012 | 1 | アーモンドアイ | 1 | ロードカナロア | サンデーサイレンスUSA | Nureyev |
| 2 | サウンドキアラ | 4 | ディープインパクト | アグネスデジタルUSA | Seattle Slew | |
| 3 | ノームコア | 5 | ハービンジャーGB | クロフネUSA | サンデーサイレンスUSA | |
| 太字は1600m(または1マイル)のGT相当レースの1着(または1位入線)馬 | ||||||
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実際に安田記念-G1とマイルチャンピオンシップ-G1を勝った馬のマイル適性を云々するのもナンセンスなので、○にはグランアレグリアを。ディープインパクト産駒の多頭数出走は牝馬限定G1で特に目立つが、今年は昨年の8頭を上回る10頭出しとなった。母の父タピットはウッドメモリアルS-G1(9F)とローレルフューチュリティ-G3(8.5F)の勝ち馬だから距離カテゴリー的にはマイル部門の名馬といえ、種牡馬としては中距離から長距離までこなす産駒を送ってチャンピオンとなった。母のタピッツフライはジャストアゲイムS-G1、ファーストレディS-G1と芝8FのG1・2つを含め米国で7勝を挙げていて、母も自身も名マイラーということになる。 ▲デゼルは母アヴニールセルタンFRがプールデッセデプーリッシュ-G1(仏1000ギニー)、ディアヌ賞-G1(仏オークス)の勝ち馬。その父ルアーヴルはプールデッセデプーラン-G1(仏2000ギニー)2着、ジョッキークラブ賞-G1(仏ダービー)勝ち馬だから、父の達成できなかった2冠を娘が実現したことになる。祖母の父マークオブエスティームは2000ギニー-G1とクイーンエリザベス2世S-G1に勝った。当時のインターナショナルクラシフィケーションで133のレーティングを得て名マイラーの誉れが高い。クイーンエリザベス2世S-G1は休み明けの名牝ボスラシャムの取りこぼしだったんじゃないのかという疑念も個人的には持っているが、さすがステイヤー血統だけに母系に入ると底力を支える助けになっているようだ。 △レシステンシアは父ダイワメジャーがマイルチャンピオンシップ-G1、安田記念-G1、再びマイルチャンピオンシップ-G1と勝った。産駒は堂々たるチャンピオンのアドマイヤマーズでさえ、3歳で頂点に立って以降は上がり目がなかったように、早熟の嫌いはないではない。しかし、父自身は皐月賞勝ちのあと喉の手術を経てマイルG1・3勝を5、6歳時に達成しているので、ノーザンテーストCAN的な成長力、息の長さといったものは秘めているはずだ。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2021.5.16
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