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日本ではコントレイルが現れ、欧州ではファンシーブルーがG1・2勝、オーストラリアでもフィアースインパクトが3つ目のG1勝ちを収めて今年もディープインパクト産駒の勢いはとどまるところを知らないが、そんな大種牡馬でも意のままにならないのがスプリント部門。下表の通り、高松宮記念-G1とスプリンターズS-G1には産駒が延べ21回挑んで2着3回、3着は2回あるもののまだ勝利がない。1代遡ってサンデーサイレンスUSAの両レースの成績を見ると、産駒デビューから3年後の1997年、2世代目のチアズサイレンスが高松宮杯に初挑戦、2000年にディヴァインライトが高松宮記念2着、2003年にスティンガーの同3着を経て、2002年のスプリンターズSをビリーヴが制した。産駒デビューから数えると偉大なサンデーサイレンスUSAでも8年かかったことになる。それでもその後はビリーヴの高松宮記念、デュランダルのスプリンターズS、アドマイヤマックス、オレハマッテルゼ、スズカフェニックスの高松宮記念を上乗せし、合計6勝の記録を残した。サンデーサイレンスUSA産駒の両レースへの出走数は初挑戦から最後まで14年で延べ44頭。ディープインパクト産駒は7年で21頭だから挑戦のペースとしては同じようなもの。国内芝G1完全制覇に向けてはそろそろスプリント部門も攻略しておきたいところだろう。 |
| ディープインパクト産駒のスプリントG1挑戦史 | ||||||||
| 馬名 | 性 | 生年 | 母の父 | 年 | レース | 着順 | 人気 | オッズ |
| リアルインパクト | 牡 | 2008 | Meadowlake | 2014 | 高松宮記念G1 | 9 | 7 | 16.7 |
| フィエロ | 牡 | 2009 | デインヒルUSA | 2017 | 高松宮記念G1 | 5 | 7 | 12.3 |
| ウリウリ | 牝 | 2010 | フレンチデピュティUSA | 2015 | スプリンターズSG1 | 5 | 3 | 5.0 |
| 2016 | 高松宮記念G1 | 9 | 4 | 7.9 | ||||
| 2016 | スプリンターズSG1 | 13 | 10 | 29.8 | ||||
| レッドオーヴァル | 牝 | 2010 | Smart Strike | 2014 | 高松宮記念G1 | 14 | 9 | 23.2 |
| 2014 | スプリンターズSG1 | 3 | 5 | 13.8 | ||||
| 2015 | 高松宮記念G1 | 14 | 8 | 20.4 | ||||
| 2015 | スプリンターズSG1 | 7 | 12 | 31.5 | ||||
| サトノルパン | 牡 | 2011 | ダンシングブレーヴUSA | 2016 | 高松宮記念G1 | 18 | 8 | 26.5 |
| 2016 | スプリンターズSG1 | 7 | 14 | 97.3 | ||||
| ミッキーアイル | 牡 | 2011 | ロックオブジブラルタルIRE | 2015 | 高松宮記念G1 | 3 | 3 | 5.2 |
| 2015 | スプリンターズSG1 | 4 | 4 | 6.5 | ||||
| 2016 | 高松宮記念G1 | 2 | 2 | 3.9 | ||||
| 2016 | スプリンターズSG1 | 2 | 2 | 8.2 | ||||
| アレスバローズ | 牡 | 2012 | トニービンIRE | 2018 | スプリンターズSG1 | 14 | 6 | 13.5 |
| 2019 | 高松宮記念G1 | 9 | 7 | 14.2 | ||||
| 2019 | スプリンターズSG1 | 10 | 11 | 55.0 | ||||
| シャイニングレイ | 牡 | 2012 | クロフネUSA | 2018 | 高松宮記念G1 | 12 | 8 | 32.6 |
| ブランボヌール | 牝 | 2013 | サクラバクシンオー | 2016 | スプリンターズSG1 | 11 | 6 | 14.0 |
| グランアレグリア | 牝 | 2016 | Tapit | 2020 | 高松宮記念G1 | 2 | 2 | 4.1 |
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2015年に早世したスキャットダディはその年に生まれた産駒から高松宮記念のミスターメロディUSAと米三冠馬ジャスティファイを送っている。ヨハネスブルグUSAからヘネシーUSAを経てストームキャットへと遡るこの父系の発展する力というのはまだまだ保たれているようで、サンデーサイレンスUSAの血が広く浸透している日本においては第一に注目すべき父系といえるかもしれない。○エイティーンガールはヨハネスブルグUSA16歳時の種付け。同じ世代には佐賀記念に勝ったナムラカメタローもいるので、ちょっとしたリバイバル世代ということができる。アグネスタキオン産駒の母センターグランタスはダート1800mで1勝。ヘクタープロテクターUSA産駒の祖母センターライジングは4歳牝馬特別(東)を含む4勝を挙げた活躍馬。3代母ダイナオレンジはノーザンテーストCANの娘で新潟記念など8勝を挙げた。優駿牝馬のシャダイアイバーや安田記念のエアジハードが出るサワーオレンジUSA系。アグネスタキオン牝馬とストームキャット系種牡馬の組み合わせにはかしわ記念を6番人気で勝ったワイドファラオ、セントウルS-G2を10番人気で勝ったアクティブミノルらがおり、人気薄でも大駆けの期待できる破壊力を秘めている。ストームキャットとサンデーサイレンスUSAの組み合わせにミスタープロスペクター4×5、更にストームバードとノーザンテーストCANというカナダのE.P.テイラーの手になるノーザンダンサー直仔が4代目に並ぶあたりは字面を一見した以上に現代的な流行を取り入れた血統といえる。 ▲ビアンフェは2016年にキーンランドC-G3に勝ち、勢いに乗って挑んだここで11着に敗れたディープインパクト産駒ブランボヌールの半弟。父がキズナに替わったことで、母の父サクラバクシンオーに頼っていたスプリントの要素がストームキャットによって補強されたともいえる。キズナ産駒が距離の長短、芝・ダートと様々な適性を示すのはストームキャットやダマスカスといった母が持つ血による面も大きそうで、そういった守備範囲の広さによって、あるいはディープインパクトより先にスプリントG1制覇を達成してしまうのかもしれない。 △ダノンスマッシュは父ロードカナロアの歩んだ道を辿っているようで、なかなか父に追い付けない現状だが、G34勝のあとG22勝と着実にレベルアップは果たしてきた。母の父ハードスパンUSAはケンタッキーダービー-G1・2着、祖母ハリウッドワイルドキャットはブリーダーズCディスタフ-G1勝ち馬という底力のある血統。いつG1レベルに上昇しても驚けない。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2020.10.4
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