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4月の香港のクイーンエリザベス2世C-G1はウインブライトが勝ち、5月の安田記念-G1はインディチャンプが勝った。どちらもステイゴールド産駒で、古馬芝2000mのG1も性の限定のない古馬芝1600mのG1もともに初めての勝利となった。同産駒の最近のG1勝ちはレインボーラインによる昨年の天皇賞(春)-G1、アドマイヤリードによる一昨年のヴィクトリアマイル-G1があり、ドリームジャーニーの2006年朝日杯フューチュリティS以来、これまでのG1級勝利は10頭で22勝にのぼる。そのうち宝塚記念-G1は5勝を占めて特異に得意な傾向を示していたのだが、2014年のゴールドシップを最後に好走例がない。2015年2月に死んだステイゴールドには3歳の産駒にハルノナゴリ(現役未勝利)1頭がいるだけで、インディチャンプらの4歳世代が実質的なラストクロップ。最晩年の傾向の変化の一環としての宝塚記念-G1離れなのか、あるいは偶然なのか、そのあたりが悩みどころとはいえる。ステイゴールドは母が阪神3歳Sとマイルチャンピオンシップの勝ち馬サッカーボーイの全妹であり、サッカーボーイはディクタスFR×ノーザンテーストCANの配合なので、ステイゴールドを含むその関係を「サッカーボーイ血統」としてこのレースでの成績を下表にまとめた。ドリームジャーニー以降のステイゴールド時代があまりに強い印象を残したので近年が不振に陥ったように映るが、サッカーボーイ血統の勝利ということではヒシミラクルからドリームジャーニーまで6年かかったこともあるので、ゴールドシップから5年目にあたる今年であれば、見限るのは早計ということになる。むしろ、異分野進出も果たしたステイゴールドの勢いを買うのが正しいといえないだろうか。 |
| サッカーボーイ血統の活躍 | |||||
| 年度 | 着順 | 人気 | 馬名 | 性齢 | 備考 |
| 1993 | 2 | 8 | イクノディクタス | 牝6 | 父ディクタスFR×母の父ノーザンテーストCAN |
| 1995 | 8 | 11 | ゴーゴーゼット | 牡4 | 父サッカーボーイ |
| 1998 | 2 | 9 | ステイゴールド | 牡4 | 母がサッカーボーイの全妹 |
| 1999 | 3 | 7 | ステイゴールド | 牡5 | 母がサッカーボーイの全妹 | 11 | 10 | インターフラッグ | 牡6 | 父ノーザンテーストCAN×母の父ディクタスFR |
| 2000 | 4 | 5 | ステイゴールド | 牡6 | 母がサッカーボーイの全妹 |
| 2001 | 4 | 5 | ステイゴールド | 牡7 | 母がサッカーボーイの全妹 |
| 2002 | 2 | 4 | ツルマルボーイ | 牡4 | 母の父サッカーボーイ |
| 2003 | 1 | 6 | ヒシミラクル | 牡4 | 父サッカーボーイ | 2 | 8 | ツルマルボーイ | 牡5 | 母の父サッカーボーイ | 11 | 11 | バランスオブゲーム | 牡4 | 祖母がサッカーボーイの全妹 |
| 2004 | 6 | 4 | ツルマルボーイ | 牡6 | 母の父サッカーボーイ |
| 2006 | 3 | 9 | バランスオブゲーム | 牡7 | 祖母がサッカーボーイの全妹 | 13 | 7 | アイポッパー | 牡6 | 父サッカーボーイ |
| 2008 | 9 | 8 | ドリームパスポート | 牡5 | 祖母がサッカーボーイの全妹 |
| 2009 | 1 | 2 | ドリームジャーニー | 牡5 | 父ステイゴールド |
| 2010 | 1 | 8 | ナカヤマフェスタ | 牡4 | 父ステイゴールド | 4 | 4 | ドリームジャーニー | 牡6 | 父ステイゴールド |
| 2011 | 10 | 7 | ドリームジャーニー | 牡7 | 父ステイゴールド |
| 2012 | 1 | 1 | オルフェーヴル | 牡4 | 父ステイゴールド | 8 | 13 | ナカヤマナイト | 牡4 | 父ステイゴールド |
| 2013 | 1 | 2 | ゴールドシップ | 牡4 | 父ステイゴールド | 4 | 3 | フェノーメノ | 牡4 | 父ステイゴールド | 6 | 7 | ナカヤマナイト | 牡5 | 父ステイゴールド |
| 2014 | 1 | 1 | ゴールドシップ | 牡5 | 父ステイゴールド | 6 | 7 | フェイムゲーム | 牡4 | 祖母がサッカーボーイの全妹 |
| 2015 | 3 | 11 | ショウナンパンドラ | 牝4 | 祖母がサッカーボーイの全妹 | 14 | 15 | オーシャンブルー | 牡7 | 父ステイゴールド | 15 | 1 | ゴールドシップ | 牡6 | 父ステイゴールド |
| 2016 | 17 | 12 | フェイムゲーム | 牡6 | 祖母がサッカーボーイの全妹 |
| 2017 | 5 | 7 | レインボーライン | 牡4 | 父ステイゴールド |
| 2018 | 9 | 7 | パフォーマプロミス | 牡6 | 父ステイゴールド |
| 2019 | エタリオウ | 牡4 | 父ステイゴールド | ショウナンバッハ | 牡8 | 父ステイゴールド | スティッフェリオ | 牡5 | 父ステイゴールド |
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サンデーサイレンスUSA系にはタイトル獲得後に不振ではないが勝ち切るでもないという停滞モードに入ってしまうものが少なくないが、みんなが強くて質も似ているとなると、確かに1頭が独走することは難しい。○レイデオロはサンデーサイレンスUSAの血を持たないので、そういった同質性のしがらみにとらわれる恐れがない。その一方で、祖母がディープインパクトの半姉であるから、ディープインパクト的な良さも備えている。そのような都合の良い解釈が可能だ。 上に示したサンデーサイレンスUSA系、とりわけディープインパクトの牡駒の停滞の例では▲マカヒキが典型的だが、皐月賞馬アルアインが2年近くをかけて再びG1勝ちを果たしたのを見ると、2016年9月のニエル賞-G2以降勝っていない本馬も時間的にはそろそろ復活があってもいいころではないかと思える。同じディープインパクト×フレンチデピュティUSAのショウナンパンドラは牝馬なので同じようには扱えないかもしれないが、このレースで3着となり、秋にはジャパンC-G1に勝った。 キセキはレイデオロに先着したことがなく、スワーヴリチャードはキセキに先着したことがないがレイデオロにはドバイシーマクラシック-G1で先着して一矢を報いた。△アルアインはそれらの3頭いずれにも先着したことがある。このあたりの決定力はさすがディープインパクト直仔といえよう。距離延長以上に2度続けてのG1好走があるかどうかが課題となりそうだが、この母も休眠牝系から突如現れたG1勝ち牝馬。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2019.6.23
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