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2001年の2歳11月にデビューしたゴールドアリュールは2戦目の新馬戦を勝ち上がり、4月にダートの条件戦と端午Sを連勝すると東京優駿に挑んで0秒3差の5着と健闘し、その後はダートに専念してジャパンダートダービー、ダービーグランプリを連勝、ジャパンCダート5着(勝ち馬はデットーリ騎手のイーグルカフェUSA)を経て東京大賞典、フェブラリーS、アンタレスSと3連勝し、帝王賞11着を最後に引退した。3歳時にはJRA賞最優秀ダート馬に選ばれていて、同じタイトルの1年先輩であるクロフネUSAとともに種牡馬として大成功した。日本のダート競馬で競走馬として成功し、種牡馬としても芝馬に伍してランキング上位に入るのはとても難しく、これらにサウスヴィグラスUSAを加えた3頭が、ダートグレード競走を整備した大きな成果だった。2004年に種牡馬入りしたゴールドアリュールは2017年2月に死ぬまで14年の種牡馬生活を送り、1444頭の産駒が血統登録された。G1勝ち馬はエスポワールシチー、スマートファルコン、コパノリッキー、ゴールドドリームの4頭。Jpn1勝ち馬はオーロマイスター、クリソライト、グレイスフルリープ、ララベル、サンライズノヴァ、クリソベリルの6頭。これら10頭がこれまで8のG1と29のJpn1に勝った。キングカメハメハでもホッコータルマエをはじめ5頭で15勝だから、これは圧倒的といっていい。◎クリソベリルはゴールドアリュールの2016年産だから最後から3世代目となる。エルコンドルパサーUSA産駒の母クリソプレーズは芝1800mと芝2000mで計3勝を挙げ、下表の通りその産駒クリソライトはジャパンダートダービーに、マリアライトは宝塚記念-G1に、リアファルは神戸新聞杯-G2に勝った。母の全弟アロンダイトが2006年に未勝利戦からの5連勝でジャパンCダートに勝っているように、勢いに乗ると止まらない面があるので、叔父を凌ぐ連勝を続けても不思議はない。ゴールドアリュールとエルコンドルパサーUSAの組み合わせでは、エルコンドルパサーUSAのヌレエフ×サドラーズウェルズという近親交配をゴールドアリュールの母の父ヌレエフによってもう一度繰り返されるのがミソ。近親交配がいい方に働くことが多いのがヌレエフ、サドラーズウェルズらスペシャル系の特長でもある。エルコンドルパサーUSA×サンデーサイレンスUSAの組み合わせからは2007年のジャパンCダート-G1の勝ち馬ヴァーミリアンも出ており、いずれにしてもパワフルな配合ということができる。岩石名が多いファミリーの新たなリーダーであるクリソベリルの名前の意味は金緑石。母とも共通するクリソは金を示すので、父母から金を継いだ豪華でおめでたい名前だ。 |
| 急発展を遂げるキャサリーンパーUSA系 |
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REGAL EXCEPTION(USA) リーガルイクセプション(牝、鹿毛、1969年生、父Ribot)愛オーク ス-G1、2着:英オークス-G1 キャサリーンパーUSA CATHERINE PARR(牝、青鹿、1987、Riverman)2着:オマール賞 -G3、プシケ賞-G3、3着:アスタルテ賞-G2 タンザナイト(牝、黒鹿、2000、サンデーサイレンスUSA) | モルガナイト(牝、黒鹿、2006、アグネスデジタルUSA) | | ブラックスピネル(牡、黒鹿、2013、タニノギムレット)東京新聞杯-G3、2着:京都 | | 金杯-G3、鳴尾記念-G3 | ラブラドライト(せん、鹿、2009、キングカメハメハ)2着:ダイヤモンドS-G3 | ダンビュライト(牡、黒鹿、2014、ルーラーシップ)アメリカジョッキークラブC-G2、京都 | 記念-G2、2着:京都大賞典、サウジアラビアロイヤルC-G3、3着:皐月賞-G1、弥 | 生賞-G2、オールカマー-G2、きさらぎ賞-G3 クリソプレーズ(牝、黒鹿、2002、エルコンドルパサーUSA) | クリソライト(牡、鹿、2010、ゴールドアリュール)ジャパンダートダービー、日本テレビ | 盃、ダイオライト記念×3、2着:平安S-G3、帝王賞×2、JBCクラシック、日本テレ | ビ盃、浦和記念、マーキュリーC、3着:平安S-G3、浦和記念 | マリアライト(牝、黒鹿、2011、ディープインパクト)宝塚記念-G1、エリザベス女王杯 | -G1、2着:目黒記念-G2、マーメイドS-G3、3着日経賞-G2 | リアファル(牡、鹿、2012、ゼンノロブロイ)神戸新聞杯-G2、2着:兵庫チャンピオンシッ | プ、3着:菊花賞-G1 | クリソベリル(牡、鹿、2016、ゴールドアリュール)ジャパンダートダービー、日本テレビ | 盃、兵庫チャンピオンシップ アロンダイト(牡、黒鹿、2003、エルコンドルパサーUSA)ジャパンCダート、2着:東海S-G2 |
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○ゴールドドリームは4代母がヌレエフの2歳下の全妹ナンバーなので、それぞれの母スペシャルの4×5の近交となる。ニジンスキー産駒のナンバー自身はヘンプステッドH-G2など米重賞3勝の活躍馬で、産駒にはグランクリテリウム-G1勝ち馬のジェイドロバリーUSA、曾孫にメトロポリタンH-G1勝ち馬のコリンシアンなどがいて、長く名門としての活力は保っている。母の父フレンチデピュティUSAは近頃ではディープインパクトとの組み合わせにより芝で活躍する場合が多いが、デピュティミニスター系だけにダートでより信頼性が高いのはいうまでもない。その父ヴァイスリージェントはカナダの大オーナーブリーダー・E.P.テイラーの生産馬で、同じくテイラー・ブランドのノーザンダンサー直仔ニジンスキー5×5に挟まれる形となるのは力の底上げに効果がありそうだ。 ▲インティはゴーンウエスト系ケイムホームUSAが父でアフリートCAN系ノーザンアフリートが母の父。これによりミスタープロスペクター3×4の近交となる。ゴーンウエストは母の父がセクレタリアトで、祖母の父フォレストリーの父ストームキャットも母の父がセクレタリアトなので、米三冠馬の血が父母両方に潜んでいることになる。またフォレストリーの4代母シークエンスはミスタープロスペクターの祖母でもあるので、これがストームキャットとミスタープロスペクターという米国主流血統同士の橋渡しとなって、全体の整合性を高めている。父ケイムホームUSAは2歳時にホープフルS-G1、3歳春にサンタアニタダービー-G1、3歳夏には古馬相手にパシフィッククラシックS-G1とG13勝を挙げていて、早熟性と成長力の両方を示していた。連勝のあとの落ち込みにあるインティだが、立ち直る力は備わっているはず。 6歳の△ヴェンジェンスはカジノドライヴUSAの初年度産駒で、ようやく出現したグレード勝ち産駒。半兄でベルモントS-G1勝ち馬のジャジルも種牡馬としてグレード勝ち馬は1頭出しているだけだし、半姉でやはりベルモントS-G1に勝った名牝ラグズトゥリッチズも繁殖入り後は目立つ子孫はまだ出ていない。米国主流血統を集めながら奥手の一族なのかもしれない。日本でのエーピーインディ系というとテスタマッタUSAからラニUSAまでタピット系が優勢だが、こちらのマインシャフト系もそれに劣らない底力を秘めている。ヴェンジェンスは5代母がトウショウボーイの母ソシアルバターフライUSAというかつての栄光に包まれた牝系。4代母ブルートウショウの分枝からは中京記念など重賞4勝のトウショウレオが出た。母の父としてのスペシャルウィークは今年の皐月賞馬サートゥルナーリアやナッソーS-G1に勝ったディアドラの活躍が目をひいた。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2019.12.1
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