|
シンボリクリスエスUSAの初年度産駒がデビューしたのは2007年。それらが4歳を迎えた2009年には種牡馬ランキングで3位となり、その後、首位がマンハッタンカフェ、キングカメハメハ、ディープインパクトと移り変わっても、自身は3、4位の位置を2014年まで守り続けた。2008年にはサクセスブロッケンのジャパンダートダービー、2009年はサクセスブロッケンのフェブラリーS-G1と東京大賞典、2011年アルフレードの朝日杯フューチュリティS-G1、2012年ストロングリターンの安田記念-G1、2013年エピファネイアの菊花賞-G1、2014年同じくエピファネイアのジャパンC-G1とほぼ毎年G1級勝ちも果たしていた。2015年にランキング11位となり、重賞勝ちもミトラの金鯱賞-G2のみとなったが、トップ5から陥落してもトップ20のそれなりの地位で安定していた。2015年の種付けを最後に社台スタリオンステーションからブリーダーズスタリオンステーションに移動し、2016年には重賞勝ち馬も出ずに終わったので、緩やかにピークは過ぎたのかと思われたが、2017年の暮れに大物ルヴァンスレーヴが出現すると、それに触発されたかのように今年は上の世代のサンライズソアやエアアンセムまでもが重賞勝ちを果たし、トップクラスの層の厚さは全盛期に戻った感がある。◎レッドジェノヴァはシンボリクリスエスUSA産駒初の牝馬としての重賞勝ちに挑む。桜花賞3着のソーマジックをはじめ、惜しいオープン馬はたくさんいるのに重賞勝ち牝馬はなぜかまだいないのだ。しかし、第2のピークを迎えつつある今、産駒の傾向にも従来からの変化があると考えても良いのではないか。母のコロンバスサークルは中央5勝の活躍馬で、2600mのオープン特別みなみ北海道S2着やオールカマー-G2の4着がある。その父はホワイトマズルGBだから一発の魅力もある。祖母のマンハッタンフィズは菊花賞馬マンハッタンカフェの全妹。マンハッタンカフェは一昨年にクイーンズリングとシングウィズジョイが1、2着を占めているので、このレースには合った血統といえるし、叔父にあたるクレスコグランドは京都2200mの京都新聞杯-G2に勝った。そのほか祖母の産駒にはクイーンS-G3のアプリコットフィズ、函館記念-G3のダービーフィズらの重賞勝ち馬がいる。ジャパンC-G1のブエナビスタや英ダービー馬スリップアンカー、独ダービー-G1のスタイヴァザントGERと同じ牝系で、7代母シュヴァルツゴルトは1940年の独ダービーに勝った名牝。下表右端の丸印で示したように、父の産駒は母にサンデーサイレンスUSAの血があるのがベター。本馬もそのあたりはしっかり押さえている。 |
| シンボリクリスエスUSA産駒の復権 | |||||||
| 年 | 月日 | レース | 距離 | 勝ち馬 | 性齢 | 母の父 | SS |
| 2008 | 3.1 | アーリントンC | 芝1600 | ダンツキッスイ | 牡3 | タイキシャトルUSA | × |
| 7.9 | ジャパンダートダービー | ダ2000 | サクセスブロッケン | 牡3 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 2009 | 2.15 | ダイヤモンドS-G3 | 芝3400 | モンテクリスエス | 牡4 | ラストタイクーンUSA | × |
| 2.22 | フェブラリーS-G1 | ダ1600 | サクセスブロッケン | 牡4 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 4.11 | NZT-G2 | 芝1600 | サンカルロ | 牡3 | Crafty Prospector | × | |
| 5.2 | 青葉賞 | 芝2400 | アプレザンレーヴ | 牡3 | Highest Honor | × | |
| 9.21 | エルムS-G3 | ダ1800 | マチカネニホンバレ | 牡4 | Deputy Minister | × | |
| 12.29 | 東京大賞典 | ダ2000 | サクセスブロッケン | 牡4 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 2010 | 3.21 | スプリングS-G2 | 芝1800 | アリゼオ | 牡3 | フジキセキ | ○ |
| 10.5 | 白山大賞典 | ダ2100 | パワーストラグル | 牡4 | アフリートCAN | × | |
| 10.10 | 毎日王冠-G2 | 芝1800 | アリゼオ | 牡3 | フジキセキ | ○ | |
| 2011 | 2.27 | 阪急杯-G3 | 芝1400 | サンカルロ | 牡5 | Crafty Prospector | × |
| 5.14 | 京王SC-G2 | 芝1400 | ストロングリターン | 牡5 | Smart Strike | × | |
| 9.19 | エルムS-G3 | ダ1700 | ランフォルセ | 牡5 | Machiavellian | × | |
| 12.17 | 阪神C-G2 | 芝1400 | サンカルロ | 牡5 | Crafty Prospector | × | |
| 12.18 | 朝日杯FS-G1 | 芝1600 | アルフレード | 牡2 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 2012 | 3.14 | ダイオライト記念 | ダ2400 | ランフォルセ | 牡6 | Machiavellian | × |
| 3.25 | マーチS-G3 | ダ1800 | サイレントメロディ | 牡5 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 6.3 | 安田記念-G1 | 芝1600 | ストロングリターン | 牡6 | Smart Strike | × | |
| 12.22 | ラジオNIKKEI杯2歳S-G3 | 芝2000 | エピファネイア | 牡2 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 12.24 | 阪神C-G2 | 芝1400 | サンカルロ | 牡6 | Crafty Prospector | × | |
| 2013 | 3.9 | 中日新聞杯-G3 | 芝2000 | サトノアポロ | 牡5 | Bering | × |
| 9.17 | セントライト記念-G2 | 芝2200 | ユールシンギング | 牡3 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 9.22 | 神戸新聞杯-G2 | 芝2400 | エピファネイア | 牡3 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 10.20 | 菊花賞-G1 | 芝3000 | エピファネイア | 牡3 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 11.20 | 浦和記念 | ダ2000 | ランフォルセ | 牡7 | Machiavellian | × | |
| 2014 | 2.13 | 佐賀記念 | ダ2000 | ランフォルセ | 牡8 | Machiavellian | × |
| 3.26 | 名古屋大賞典 | ダ1900 | ダノンカモン | 牡8 | オジジアンUSA | × | |
| 3.30 | マーチS-G3 | ダ1800 | ソロル | 牡4 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 5.3 | 青葉賞-G2 | 芝2400 | ショウナンラグーン | 牡3 | マンハッタンカフェ | ○ | |
| 5.11 | 新潟大賞典-G3 | 芝2000 | ユールシンギング | 牡4 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 11.16 | 福島記念-G3 | 芝2000 | ミトラ | セン6 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 11.30 | ジャパンC-G1 | 芝2400 | エピファネイア | 牡4 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 2015 | 12.5 | 金鯱賞-G2 | 芝2000 | ミトラ | セン7 | サンデーサイレンスUSA | ○ |
| 2017 | 12.13 | 全日本2歳優駿 | ダ1600 | ルヴァンスレーヴ | 牡2 | ネオユニヴァース | ○ |
| 2018 | 3.29 | 名古屋大賞典 | ダ1900 | サンライズソア | 牡4 | スペシャルウィーク | ○ |
| 5.19 | 平安S-G3 | ダ1900 | サンライズソア | 牡4 | スペシャルウィーク | ○ | |
| 6.17 | ユニコーンS-G3 | ダ1600 | ルヴァンスレーヴ | 牡3 | ネオユニヴァース | ○ | |
| 7.11 | ジャパンダートダービー | ダ2000 | ルヴァンスレーヴ | 牡3 | ネオユニヴァース | ○ | |
| 7.15 | 函館記念-G3 | 芝2000 | エアアンセム | 牡7 | サンデーサイレンスUSA | ○ | |
| 10.8 | 南部杯 | ダ1600 | ルヴァンスレーヴ | 牡3 | ネオユニヴァース | ○ | |
|
ステイゴールド産駒の4頭はG1勝ちのアドマイヤリード、前年2着のクロコスミアなどすべて5歳。この世代の牝馬がヴィンテージだとすると、まだ実績のないものにも一気にトップに上る力が秘められていると考えることもできる。○コルコバードはここが重賞初挑戦だが、条件戦を3連勝したのちにオープンで2着だから、まだ底を見せたわけではない。母のエンシェントヒルはサカラートを破った仁川Sなどダート7勝の活躍馬。母の父はエンドスウィープUSAだから、アドマイヤリード同様ミスタープロスペクター系との組み合わせを成功させた父の新展開には沿う。祖母アズテックヒルUSAはファンタジーS-G2、ブラックアイドスーザンS-G2など米国の3歳春の牝馬路線の重要G2の勝ち馬。フォーティナイナーUSAの母の父トムロルフ、アズテックヒルUSAの父プラウドトゥルースの父グロースタークを経由して母はリボー5×4の近交となっており、このあたりはステイゴールドとの組み合わせにおいて大きな爆発力につながる可能性がある。 昨秋の淀でG1・3勝の固め勝ちを果たしたハービンジャーGB産駒。種牡馬ランキングも2016年13位、2017年8位、今年は11月6日現在で6位とこのままトップ10に定着しそうだ。▲ノームコアはシンザン記念のフサイチエアデール、朝日杯フューチュリティSのフサイチリシャール、クイーンCのライラプスらが出る牝系。クロフネ産駒の母の血統はイトコのフサイチリシャールと実質同じ構成となる。初めてのG1でも格負けすることはない。 牝馬限定G1でディープインパクト産駒がわずか2頭というのも珍しいが△カンタービレは同い年の英2000ギニー勝ち馬サクソンウォリアーと同じディープインパクト×ガリレオの最先端配合。サクソンウォリアーは尻すぼみになってしまったが、牝馬のこちらはまだまだ伸びる余地大。仏ダービー馬ポリテンの出る欧州色の濃い牝系でもあり、距離が延びるのもプラスに作用しそう。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2018.11.11
©Keiba Book