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今月初めにブリーダーズCマイル-G1が終わって、北半球の主要マイル(1600m)戦はこのレースと香港マイル-G1を残すのみとなった。今年のこの路線の最大の収穫は日本で馬券の発売もあったジャックルマロワ賞-G1勝ち馬アルファセントーリで、下表に示した通り、この3歳牝馬は愛1000ギニー-G1、コロネーションS-G1、ファルマスS-G1と牝馬限定戦を連勝したあと、ジャックルマロワ賞-G1でも牡馬を問題にしなかった。9月の愛メイトロンS-G1で2着に敗れたあと右前球節の故障が判明、引退した。ジャックルマロワ賞-G1でアルファセントーリに敗れたレコレトスはムーランドロンシャン賞-G1に勝ち、ムーランドロンシャン賞-G1でその3着に敗れたエキスパートアイがブリーダーズCマイル-G1に勝っているので、同じ勝負服でブリーダーズCマイルを連覇した名牝ミエスクの再来と考えられても不思議はないが、能力のある馬ほど無事に走り続けるのは難しいものだ。シーズン末を待たずに引退したそのヒロインを除くと、この路線は勝ち馬が猫の目のように変わった。そんな中であえてひとつ傾向を見出すとすれば、ビルズドンブルック、テッパル、ローマナイズド、アルファセントーリ、アレイヴィングビューティ、アクシデンタルエージェント、ウィズユーの父系がいずれもデインヒルUSA系だったことくらい。あと、フランケルの母の父がデインヒルUSAだったり、エキスパートアイの母の父がダンシリだったり、マイル路線ではデインヒルUSA系が強いというごく常識的な事実が改めて明らかになった。ハービンジャーGBはキングジョージ6世&クイーンエリザベスS-G1を11馬身差で圧勝した2010年欧州最強のステイヤーというキャッチフレーズが第一にあるが、◎ペルシアンナイトが昨年のこのレースを制した時点で、我が国唯一のダンシリ直仔で随一のデインヒルUSA系成功種牡馬というマイラー種牡馬としての側面も明らかになっていた。この世代のハービンジャーGB産駒は秋華賞-G1のディアドラ、エリザベス女王杯-G1のモズカッチャンを加えて昨秋の活躍に目覚ましいものがあり、なかなか勝てなかったG1も勝つときは一気に勝つのが欧州最強ステイヤーの底力でもあった。ペルシアンナイトは母の父サンデーサイレンスUSAという父の産駒としてはオーソドックスな成功パターンを踏襲しており、母オリエントチャームは4勝を挙げてマーメイドS3着の活躍馬。その全兄ゴールドアリュールは東京大賞典、フェブラリーSなどに勝ったダートの名馬。叔父ゴールスキーは2010年のこのレースで3着となった。父自身の活躍が4歳上半期だけだったこと、G1・2勝目を挙げた産駒がまだいないことなどを考えると今回は能力維持可能な期間に関して試金石といえるが、大阪杯-G1はなかなか立派な内容だったので、前年勝利後も成長を遂げているのは間違いない。 |
| 2018年 北半球の芝マイル(1600m)G1勝ち馬 太字は複数勝利 | |||||||||
| 月日 | レース | 地域 | 条件 | 距離 | 競馬場 | 勝ち馬 | 性齢 | 父 | |
| 3/10 | フランクE.キルローマイルH | 米 | 4歳以上 | 8F | サンタアニタ | Bowies Hero | ボウイズヒーロー | 牡4 | Artie Schiller |
| 4/13 | メーカーズ46マイルS | 米 | 4歳上 | 8F | キーンランド | Heart to Heart | ハートトゥハート | 牡7 | English Channel |
| 4/29 | チャンピオンズマイル | 港 | 3歳上 | 1600m | シャティン | Beauty Generation | ビューティージェネレーション | セン5 | Rad to Rock |
| 5/5 | 英2000ギニー | 英 | 3歳牡牝 | 8F | ニューマーケット | Saxon Warrior | サクソンウォリアー | 牡3 | ディープインパクト |
| 5/6 | 英1000ギニー | 英 | 3歳牝 | 8F | ニューマーケット | Bellesdon Brook | ビルズドンブルック | 牝3 | Champs Elysees |
| 5/13 | プールデッセデプーラン | 仏 | 3歳牡 | 1600m | パリロンシャン | Olmedo | オルメド | 牡3 | Declaration of War |
| 5/13 | プールデッセデプーリッシュ | 仏 | 3歳牝 | 1600m | パリロンシャン | Teppal | テッパル | 牝3 | Camacho |
| 5/19 | ロッキンジS | 英 | 4歳上 | 8F | ニューベリ | Rhododendron | ロウドデンドロン | 牝4 | Galileo |
| 5/26 | 愛2000ギニー | 愛 | 3歳牡牝 | 8F | カラ | Romanised | ローマナイズド | 牡3 | Holy Roman Emperor |
| 5/27 | 愛1000ギニー | 愛 | 3歳牝 | 8F | カラ | Alpha Centauri | アルファセントーリ | 牝3 | Mastercraftsman |
| 5/28 | シューメイカーマイルS | 米 | 3歳上 | 8F | サンタアニタパーク | Hunt | ハント | セン6 | Dark Angel |
| 6/3 | 安田記念 | 日 | 3歳上 | 1600m | 東京 | モズアスコットUSA | Mozu Ascot | 牡4 | Frankel |
| 6/9 | ジャストアゲイムS | 米 | 4歳上牝 | 8F | ベルモントパーク | A Raving Beauty | アレイヴィングビューティ | 牝5 | Mastercraftsman |
| 6/19 | クイーンアンS | 英 | 4歳上 | 8F | アスコット | Accidental Agent | アクシデンタルエージェント | 牡4 | Delegator |
| 6/19 | セントジェイムズパレスS | 英 | 3歳牡 | 7F213y | アスコット | Without Parole | ウィズアウトパロール | 牡3 | Frankel |
| 6/20 | コロネーションS | 英 | 3歳牝 | 7F213y | アスコット | Alpha Centauri | アルファセントーリ | 牝3 | Mastercraftsman |
| 7/8 | ジャンプラ賞 | 仏 | 3歳牡牝 | 1600m | ドーヴィル | Intelogent | アンテロジャン | 牡3 | Intello |
| 7/13 | ファルマスS | 英 | 3歳上牝 | 8F | ニューマーケット | Alpha Centauri | アルファセントーリ | 牝3 | Mastercraftsman |
| 7/29 | ロートシルト賞 | 仏 | 3歳上牝 | 1600m | ドーヴィル | With You | ウィズユー | 牝3 | Dansili |
| 8/1 | サセックスS | 英 | 3歳上 | 8F | グッドウッド | Lightning Spear | ライトニングスピア | 牡7 | Pivotal |
| 8/11 | フォースターデイヴH | 米 | 3歳上 | 8F | サラトガ | Voodoo Song | ヴードゥーソング | 牡4 | English Channel |
| 8/12 | ジャックルマロワ賞 | 仏 | 3歳上牡牝 | 1600m | ドーヴィル | Alpha Centauri | アルファセントーリ | 牝3 | Mastercraftsman |
| 9/9 | ムーランドロンシャン賞 | 仏 | 3歳上牡牝 | 1600m | パリロンシャン | Recoletos | レコレトス | 牡4 | Whipper |
| 9/15 | ウッドバインマイル | 加 | 3歳上 | 8F | 加ウッドバイン | Oscar Performance | オスカーパフォーマンス | 牡4 | Kitten's Joy |
| 9/15 | 愛メイトロンS | 愛 | 3歳上牝 | 8F | レパーズタウン | Laurens | ローレンス | 牝3 | Siyouni |
| 10/6 | シャドウェルターフマイルS | 米 | 3歳上 | 8F | キーンランド | Next Shares | ネクストシェアズ | セン5 | Archarcharch |
| 10/6 | ファーストレイディS | 米 | 3歳上牝 | 8F | キーンランド | A Raving Beauty | アレイヴィングビューティ | 牝5 | Mastercraftsman |
| 10/6 | サンチャリオットS | 英 | 3歳上牝 | 8F | ニューマーケット | Laurens | ローレンス | 牝3 | Siyouni |
| 10/20 | クイーンエリザベスU世S | 英 | 3歳上 | 8F | アスコット | Roaring Lion | ロアリングライオン | 牡3 | Kitten's Joy |
| 11/3 | BCマイル | 米 | 3歳上 | 8F | チャーチルダウンズ | Expert Eye | エキスパートアイ | 牡3 | Acclamation |
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○モズアスコットUSAの父フランケルは近年最強のマイラー。ガリレオ×デインヒルUSAという配合はむしろそれらにとって未開の地である日本に合う可能性はあった。ソウルスターリングと本馬の成功はその仮説の裏付けとなったわけだが、一方でサンデーサイレンスUSA的な瞬発力には負ける場合があることも明らかになってきた。そういった点では、ディープインパクト産駒の活躍例が多いこのレースは安田記念-G1に比べると、苦しい戦いを強いられるかもしれない。 血統ではディープインパクト産駒、かつ世代では4歳というベストと思われる条件に合致するのは▲アルアイン。母ドバイマジェスティUSAはブリーダーズCフィリー&メアスプリント-G1など米重賞4勝の名牝で、その父エッセンスオブドバイがプルピット〜エーピーインディ系、祖母の父はラフンタンブル系グレイドアバヴと異色の構成の5代アウトブリード。1600m挑戦が立ち直りの起爆剤となる可能性は小さくない。 大穴で4歳のステイゴールド産駒△ウインブライト。ひとつ上のレインボーライン、アドマイヤリード、クロコスミアらの世代と同程度、131頭の血統登録があったこの世代からも確率的にはそろそろG1で通用するものが現れておかしくない。母の父アドマイヤコジーンは安田記念勝ち馬で、牝系は1988年の優駿牝馬を10番人気で制したコスモドリームと同じ。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2018.11.18
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