|
サンデーサイレンスUSA系ディープインパクトが種牡馬ランキングの1位を占め、キングマンボ系キングカメハメハが2位という2012年体制はずっと続いて今年で7年目に入った。これはヘイロー直仔サンデーサイレンスUSA系と、ミスタープロスペクター系が日本の2大勢力である現状を示している。種牡馬マキアヴェリアンは父がミスタープロスペクターで母の父がヘイロー。2010年代の日本でインブリードを配合の柱において考える場合には要とも楔ともなりうる重要なキャラクターといえる。競走馬としてのマキアヴェリアンは同じミスタープロスペクター直仔で本邦輸入種牡馬のジェイドロバリーUSAと同期で、デビュー戦のリステッド・ヤコウレフ賞でジェイドロバリーUSAを破ると、モルニ賞-G1、サラマンドル賞-G1とG1を連勝して2歳戦を終え、3歳4月のジェベル賞まで4連勝を記録した。その後は英2000ギニー-G1、愛2000ギニー-G1ともチロルに敗れ、夏のモーリスドギース賞-G1・5着を最後に引退、1991年から種牡馬となった。産駒からはプールデッセデプーラン-G1(仏2000ギニー)のヴェットーリのようなマイラーからカドラン賞-G1のインヴァマーク、そしてドバイワールドカップ-G1のストリートクライまでさまざまな産駒を送り、ミスタープロスペクター系の欧州での発展の起点となった。 |
| 母の父マキアヴェリアンの成功 | ||||||||
| 年 | レース | 馬場 | 距離 | 勝ち馬 | 父 | 性齢 | 人気 | 単勝 |
| 2005 | 京王杯SCG2 | 芝 | 1400 | アサクサデンエン | シングスピールIRE | 牡6 | 6 | 18.2 |
| 2005 | 安田記念G1 | 芝 | 1600 | アサクサデンエン | シングスピールIRE | 牡6 | 7 | 12.3 |
| 2006 | ニュージーランドT | 芝 | 1600 | マイネルスケルツィ | グラスワンダーUSA | 牡3 | 1 | 1.9 |
| 2006 | 小倉記念 | 芝 | 2000 | スウィフトカレント | サンデーサイレンスUSA | 牡5 | 4 | 9.9 |
| 2007 | 京都金杯G3 | 芝 | 1600 | マイネルスケルツィ | グラスワンダーUSA | 牡4 | 7 | 12.2 |
| 2009 | ラジオNIKKEI杯2歳S | 芝 | 2000 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | 牡2 | 1 | 1.6 |
| 2010 | 弥生賞G2 | 芝 | 2000 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | 牡3 | 1 | 1.7 |
| 2010 | 皐月賞G1 | 芝 | 2000 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | 牡3 | 1 | 2.3 |
| 2010 | 有馬記念G1 | 芝 | 2500 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | 牡3 | 2 | 8.4 |
| 2011 | アーリントンCG3 | 芝 | 1600 | ノーザンリバー | アグネスタキオン | 牡3 | 4 | 8.0 |
| 2011 | 中山記念G2 | 芝 | 1800 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | 牡4 | 1 | 1.4 |
| 2011 | ドバイワールドCG1 | AW | 2000 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | 牡4 | - | - |
| 2011 | エルムSG3 | ダ | 1700 | ランフォルセ | シンボリクリスエスUSA | 牡5 | 1 | 1.6 |
| 2012 | クイーンCG3 | 芝 | 1600 | ヴィルシーナ | ディープインパクト | 牝3 | 2 | 4.7 |
| 2012 | ダイオライト記念 | ダ | 2400 | ランフォルセ | シンボリクリスエスUSA | 牡6 | 3 | 3.9 |
| 2012 | プロキオンG3 | ダ | 1400 | トシキャンディ | バブルガムフェロー | 牝6 | 12 | 119.2 |
| 2013 | ヴィクトリアマイルG1 | 芝 | 1600 | ヴィルシーナ | ディープインパクト | 牝4 | 1 | 3.1 |
| 2013 | レパードSG3 | ダ | 1800 | インカンテーション | シニスターミニスターUSA | 牡3 | 1 | 3.3 |
| 2013 | 浦和記念 | ダ | 2000 | ランフォルセ | シンボリクリスエスUSA | 牡7 | 3 | 7.2 |
| 2013 | カペラSG3 | ダ | 1200 | ノーザンリバー | アグネスタキオン | 牡5 | 6 | 11.2 |
| 2014 | 佐賀記念 | ダ | 2000 | ランフォルセ | シンボリクリスエスUSA | 牡8 | 3 | 4.6 |
| 2014 | 東京スプリント | ダ | 1200 | ノーザンリバー | アグネスタキオン | 牡6 | 1 | 1.5 |
| 2014 | ヴィクトリアマイルG1 | 芝 | 1600 | ヴィルシーナ | ディープインパクト | 牝5 | 11 | 28.3 |
| 2014 | さきたま杯 | ダ | 1400 | ノーザンリバー | アグネスタキオン | 牡6 | 1 | 1.8 |
| 2014 | 東京盃 | ダ | 1200 | ノーザンリバー | アグネスタキオン | 牡6 | 1 | 1.4 |
| 2014 | みやこSG3 | ダ | 1800 | インカンテーション | シニスターミニスターUSA | 牡4 | 2 | 5.5 |
| 2015 | 平安SG3 | ダ | 1900 | インカンテーション | シニスターミニスターUSA | 牡5 | 4 | 6.2 |
| 2015 | さきたま杯 | ダ | 1400 | ノーザンリバー | アグネスタキオン | 牡7 | 1 | 2.6 |
| 2016 | シンザン記G3 | 芝 | 1600 | ロジクライ | ハーツクライ | 牡3 | 8 | 22.5 |
| 2016 | 阪神大賞典G2 | 芝 | 3000 | シュヴァルグラン | ハーツクライ | 牡4 | 1 | 3.0 |
| 2016 | 秋華賞G1 | 芝 | 2000 | ヴィブロス | ディープインパクト | 牝3 | 3 | 6.3 |
| 2016 | アルゼンチン共和国杯G2 | 芝 | 2500 | シュヴァルグラン | ハーツクライ | 牡4 | 2 | 3.9 |
| 2017 | ドバイターフG1 | 芝 | 1800 | ヴィブロス | ディープインパクト | 牝4 | 5 | 8.8 |
| 2017 | マーチSG3 | ダ | 1800 | インカンテーション | シニスターミニスターUSA | 牡7 | 10 | 25.4 |
| 2017 | 白山大賞典 | ダ | 2100 | インカンテーション | シニスターミニスターUSA | 牡7 | 1 | 2.0 |
| 2017 | 武蔵野SG3 | ダ | 1600 | インカンテーション | シニスターミニスターUSA | 牡7 | 6 | 13.9 |
| 2017 | ジャパンCG1 | 芝 | 2400 | シュヴァルグラン | ハーツクライ | 牡5 | 5 | 13.3 |
|
○トーセンバジルはハービンジャーGB初年度産駒の無冠の大器として6歳を迎えた。母のケアレスウィスパーはフジキセキ産駒で関東オークス2着。祖母エヴリウィスパーの産駒トーセンジョーダンは天皇賞(秋)-G1に勝ったほか、春も6歳時の2012年に2着がある。孫トーセンスターダムはオーストラリアに渡って今年エミレーツS-G1とトゥーラクH-G1の2つのG1に勝って種牡馬入りと、クラフティワイフUSAに遡る名牝系は近年ますます勢いを増しているようにも見える。 ▲クリンチャーはハービンジャーGBと同じ牝系で、3代母ダスティダラーはサンチャリオットS-G2の勝ち馬。そして母の父としてのブライアンズタイムは2012年に14番人気でこのレースに勝ったビートブラック、2009年の菊花賞馬スリーロールスを送っていて、超長距離部門でもさすがの実績がある。ダンチヒ4×3よりもリボー直仔の大物グロースターク5×4の近交の方が恐らく重要で、これがより強い相手、よりタフな条件で力を発揮する傾向につながっているのだろう。 2013年フェノーメノ、2014年フェノーメノ、2015年ゴールドシップと3連覇したのがステイゴールド産駒なら、2012年オルフェーヴルや2013年、2014年ゴールドシップが人気を裏切ってずっこけているのもステイゴールド産駒。そういった意味でもステイゴールド直仔レインボーラインとステイゴールド系ナカヤマフェスタ産駒のガンコの扱いには慎重な判断が必要となる。4代母アンナパオラが独オークス馬で、そこに欧州の名馬を重ねた△ガンコにとっては、初の3200mがむしろ楽しみとなる。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2018.4.29
©Keiba Book