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皐月賞と東京優駿の2冠達成率は過去40年で3割。このレースを5番人気以下で勝ったのはエイシンフラッシュ(7番人気)、サニーブライアン(6番人気)、フサイチコンコルド(7番人気)、バンブーアトラス(7番人気)、ラッキールーラ(9番人気)と40年遡っても5頭しかいない。穴狙いをするにしても、人気の大きな波には逆らうことなく、その隙間に何かすがるものを見つけよう、拾うべき物を探そうとするのが正しい態度といえるだろう。ロジユニヴァースは皐月賞14着から、アドマイヤベガも6着から巻き返しているが、いずれも皐月賞で1番人気の支持を受けており、ダイナガリバーは皐月賞2番人気10着ながら、東京優駿では3番人気の支持を得ていた。2、3着にはとんでもない人気薄が食い込むことはあっても、勝ち馬に関しては皐月賞で敗れても見限られていないことが必要条件になる。◎スワーヴリチャードの2番人気6着はちょうどボーダーライン上の成績と思われる。1番人気の牝馬ファンディーナが休養に入ったので、実質巻き返し組のトップといえる立場ではある。父のハーツクライは京都新聞杯に勝って臨んだ東京優駿ではキングカメハメハの2着となり、その後は宝塚記念-G1・2着、ジャパンC-G1・2着などがあっても長く勝ち切れず、4歳暮れにディープインパクトを破った有馬記念が1年半ぶりの勝利だった。産駒には2014年のこのレースの勝ち馬ワンアンドオンリー、優駿牝馬-G1のヌーヴォレコルトが出てクラシック実績は十分なものがあるし、ドバイデューティフリー-G1のジャスタウェイ、コーフィールドC-G1のアドマイヤラクティなどを送って世界レベルの底力も示している。母の父のアンブライドルズソングは現在のミスタープロスペクター系の最大勢力で、1998年生まれの初年度産駒ソングアンドプレイヤーから今年のドバイワールドカップ-G1勝ち馬アロゲートまで一流馬を送り続けており、消長の激しい同系統にあっては驚異的な息の長さで大種牡馬の地位を守り続けている。活躍が長期に及ぶだけに、母の父としての実績もすでに一流といえるもので、BCマイル-G1のツーリストやブルーグラスS-G1のカルペディエム、AJCオークス-G1のワンスワーワイルドなど多くのG1勝ち馬が現れている。日本では菊花賞-G1のトーホウジャッカル、朝日杯フューチュリティS-G1のダノンプラチナがおり、前者の父はスペシャルウィーク、後者はディープインパクト産駒とサンデーサイレンスUSA系との組み合わせに実績がある。ハーツクライにはサンデーサイレンスUSA系随一の配合相手としての米国血統好みというのがあるので、米国血統の塊のようなこの母との相性もいいだろう。母にはカロ、シアトルスルー、リヴァーマンとナスルーラ系の大物の血が入っていて、5代母の父もナスルーラ。ハーツクライの母の父トニービンIREはゼダーン経由のグレイソヴリン系だからやはりナスルーラで、あれやこれやで9本のナスルーラ血脈を持つ。これが日本的な軽いスピードにつながるとすれば、想定されるところの2分23秒台の決着は大歓迎ではないだろうか。 |
| 意外に広い逆転圏 〜東京優駿勝ち馬の前走 | |||||
| 年度 | 勝ち馬 | 人気 | 前走 | 人気 | 着順 |
| 2016 | マカヒキ | 3 | 皐月賞G1 | 3 | 2 |
| 2015 | ドゥラメンテ | 1 | 皐月賞G1 | 3 | 1 |
| 2014 | ワンアンドオンリー | 3 | 皐月賞G1 | 4 | 4 |
| 2013 | キズナ | 1 | 京都新G2 | 1 | 1 |
| 2012 | ディープブリランテ | 3 | 皐月賞G1 | 3 | 3 |
| 2011 | オルフェーヴル | 1 | 皐月賞G1 | 4 | 1 |
| 2010 | エイシンフラッシュ | 7 | 皐月賞G1 | 11 | 3 |
| 2009 | ロジユニヴァース | 2 | 皐月賞 | 1 | 14 |
| 2008 | ディープスカイ | 1 | NHKマ | 1 | 1 |
| 2007 | ウオッカ | 3 | 桜花賞 | 1 | 2 |
| 2006 | メイショウサムソン | 1 | 皐月賞 | 6 | 1 |
| 2005 | ディープインパクト | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 2004 | キングカメハメハ | 1 | NHKマ | 1 | 1 |
| 2003 | ネオユニヴァース | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 2002 | タニノギムレット | 1 | NHKマ | 1 | 3 |
| 2001 | ジャングルポケット | 1 | 皐月賞 | 2 | 3 |
| 2000 | アグネスフライト | 3 | 京都新聞 | 2 | 1 |
| 1999 | アドマイヤベガ | 2 | 皐月賞 | 1 | 6 |
| 1998 | スペシャルウィーク | 1 | 皐月賞 | 1 | 3 |
| 1997 | サニーブライアン | 6 | 皐月賞 | 11 | 1 |
| 1996 | フサイチコンコルド | 7 | すみれS | 1 | 1 |
| 1995 | タヤスツヨシ | 1 | 皐月賞 | 4 | 2 |
| 1994 | ナリタブライアン | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 1993 | ウイニングチケット | 1 | 皐月賞 | 1 | 4 |
| 1992 | ミホノブルボン | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 1991 | トウカイテイオー | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 1990 | アイネスフウジン | 3 | 皐月賞 | 1 | 2 |
| 1989 | ウィナーズサークル | 3 | 皐月賞 | 7 | 2 |
| 1988 | サクラチヨノオー | 3 | 皐月賞 | 2 | 3 |
| 1987 | メリーナイス | 4 | 皐月賞 | 8 | 7 |
| 1986 | ダイナガリバー | 3 | 皐月賞 | 2 | 10 |
| 1985 | シリウスシンボリ | 1 | 若葉賞 | 1 | 1 |
| 1984 | シンボリルドルフ | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 1983 | ミスターシービー | 1 | 皐月賞 | 1 | 1 |
| 1982 | バンブーアトラス | 7 | NHK杯 | 12 | 6 |
| 1981 | カツトップエース | 3 | NHK杯 | 5 | 2 |
| 1980 | オペックホース | 2 | オープン | 1 | 2 |
| 1979 | カツラノハイセイコ | 1 | NHK杯 | 2 | 3 |
| 1978 | サクラショウリ | 2 | 皐月賞 | 2 | 3 |
| 1977 | ラッキールーラ | 9 | NHK杯 | 1 | 4 |
| 太字は2冠馬 | |||||
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優駿牝馬のモズカッチャンでハービンジャーGB産駒は2度目のクラシック連対を果たした。産駒最初のクラシック連対馬○ペルシアンナイトは母がマーメイドS3着、秋華賞4着の活躍馬オリエントチャーム。その全兄ゴールドアリュールはジャパンダートダービー、フェブラリーSなどを制したほか、東京優駿でも5着となり、半弟ゴールスキーは根岸S-G3に勝ち、マイルチャンピオンシップ-G1で3着となった。3代母リラクタントゲストはビヴァリーヒルズH-G1などに勝った活躍馬。母のサンデーサイレンスUSA×ヌレエフの配合からはゴールドアリュール以外にもエリザベス女王杯のトゥザヴィクトリー、同フサイチパンドラ、またカブール賞-G3のレイマンなど多くの成功例がある。ハービンジャーGBにとっても母系に入るサンデーサイレンスUSAに由来する決定力、瞬発力は必要不可欠なもの。父の産駒のモデル配合といえる構成だが、隠しアイテムとしてイルドブルボンUSAとホスティージといった70〜80年代ニジンスキー直仔のG1勝ち馬の名がある点がダービー的な味付けといえようか。 ソウルスターリングの優駿牝馬-G1勝ちはフランケル産駒として世界初のクラシック制覇ともなったわけだが、これは同時にガリレオ系初の日本での成功でもあった。▲ベストアプローチGBの父ニューアプローチはガリレオ産駒の英ダービー馬3頭のうち最初の父仔制覇達成馬。初年度産駒から英2000ギニー馬ドーンアプローチ、英オークス馬タレント、南半球でもオーストラレシアンオークス-G1のメイズドリームらを送って成功している。母サントエレナはマイラーのエフィシオ産駒で、本馬の半兄であるレックレスアバンダンもモルニ賞-G1、ミドルパークS-G1と仏英の2歳短距離戦で勝った。祖母の産駒にはアメリカンオークス-G1のティッカーテープ、チャンピオンズスプリントS-G1・3着のブランドがいる。3代母の産駒クラウディドハウスはレーシングポストトロフィー-G1に勝った。父に潜むミスワキ、3代母の父ウッドマンはともにミスタープロスペクター×バックパサーの相似形で、両者の同居は現代的なスピードを保証することにもなりそうだ。 皐月賞9着の△カデナはダイナガリバー的ポジションから巻き返しを図ることになる。ディープインパクト×フレンチデピュティUSAの組み合わせは昨年の勝ち馬マカヒキを筆頭に成功例多数。母は米G3勝ちのある活躍馬。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2017.5.28
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