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2009年に産駒レッドディザイアやジョーカプチーノらの活躍によりリーディングサイアーの座に就いたマンハッタンカフェは、ランキング登場3年目以降トップテンから外れたことがない名種牡馬だった。その一方で2歳ランキングでは2008年5位、2009年7位、2014年5位のほかは11〜20位あたりを上下しているので、サンデーサイレンスUSA後継種牡馬群の中でも3歳以降に力を発揮する傾向が強い。そういうわけで2歳の特別や重賞に勝つのは毎年1頭か2頭というのが通常営業だった。ところが、今年は9月からここまでに3頭の特別勝ち馬を出している(下表)。最近はルージュバックに代表されるように牝馬の活躍が継続して目立っているので、牡馬ばかり3頭というのが珍しいし、それらが揃ってここに出走するのも珍しい。マンハッタンカフェ産駒が朝日杯フューチュリティSに3頭出しとなるのは中山時代の2009年に一度あり、そのときは3着ダイワバーバリアン、4着ガルボ、13着ツルマルジュピターと人気以上の成績を残している。ところで、阪神ジュベナイルフィリーズ-G1に勝ったソウルスターリングはフランケル産駒として世界最初のG1勝ち馬となったが、母のスタセリタFRはディアヌ賞-G1(仏オークス)など仏米G1・6勝の名牝であり、牝系を辿っていくとどこまでも頭文字Sが続くのはシュレンダーハン牧場のSライン、名牝シュヴァルツゴルトの9代孫であるためで、その由緒正しい牝系にこそ注目する必要がある。シュヴァルツゴルトといえば日本ではブエナビスタと、そして、マンハッタンカフェだ。Sライン直系のブエナビスタとマンハッタンカフェ産駒のレッドディザイアが同時期に登場してライバル関係を築いたのは偶然としても、その構図を無理やり現在に引っ張ってくるなら、ソウルスターリングが2歳牡牝G1の一方を勝った年に、もう一頭のフランケル牝駒のG1勝ちをSライン出身のマンハッタンカフェが食い止めるという偶然もまたあり得なくはない。 |
| 過去にない豊作かもしれない2014年生マンハッタンカフェ産駒 | ||||||
| 年月日 | レース名 | 場所 | 距離 | 馬名 | 性 | 母の父 |
| 2006.11.25 | ベゴニア賞 500 | 東京 | 芝1600 | メイショウレガーロ | 牡 | Carson City |
| 2007.09.29 | 札幌2歳S | 札幌 | 芝1800 | オリエンタルロック | 牡 | Mt. Livermore |
| 2008.07.26 | マリーゴールド賞 | 新潟 | 芝1400 | ツルマルジャパン | 牡 | Storm Cat |
| 2008.12.14 | 中京2歳S | 中京 | 芝1800 | メイショウドンタク | 牡 | Machiavellian |
| 2009.08.22 | クローバー賞 | 札幌 | 芝1500 | サンディエゴシチー | 牡 | Rahy |
| 2009.09.05 | 札幌2歳S | 札幌 | 芝1800 | サンディエゴシチー | 牡 | Rahy |
| 2010.10.30 | 萩S | 京都 | 芝1800 | ショウナンマイティ | 牡 | Storm Cat |
| 2010.10.31 | くるみ賞 500 | 東京 | 芝1400 | カトルズリップス | 牝 | リファーズウィッシュFR |
| 2011.12.10 | 黒松賞 500 | 中山 | 芝1200 | ラフレーズカフェ | 牝 | Trempolino |
| 2012.08.25 | ひまわり賞 九州産 | 小倉 | 芝1200 | コウエイピース | 牝 | ホリスキー |
| 2014.11.01 | 萩S | 京都 | 芝1800 | エイシンライダー | 牡 | タイキシャトルUSA |
| 2014.11.09 | 百日草特別 500 | 東京 | 芝2000 | ルージュバック | 牝 | Awesome Again |
| 2016.09.17 | 野路菊S | 阪神 | 芝1800 | アメリカズカップ | 牡 | コロナドズクエストUSA |
| 2016.10.16 | もみじS | 京都 | 芝1400 | レッドアンシェル | 牡 | Storm Cat |
| 2016.11.13 | 黄菊賞 500 | 京都 | 芝2000 | タガノアシュラ | 牡 | パラダイスクリークUSA |
| 2歳500万特別、オープン、重賞勝ち馬 | ||||||
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この世代の2歳重賞は牝馬限定戦もダートグレードも含めてこれまで16戦が行われ、そのうち半分の8つを牝馬が勝った。牝馬限定戦は4つだから、牡馬混合戦を牝馬が4つ奪った形になる。これはもう牝馬のレベルが特に高いというよりも、古馬G1で当たり前のように牝馬が牡馬を圧倒する程度に牝馬の力を引き出せるようになったこの時代では、これくらいで水準と考えておいていいのかもしれない。それでも○ミスエルテがここを勝てばそれなりにセンセーショナルなことで、父フランケルにとっては牝馬による2歳G1完全制覇という在外種牡馬初年度産駒として画期的壮挙の達成となる。プルピット産駒の母ミスエーニョUSAは当歳セリで170万ドルで取引された高馬。2歳時に未勝利戦で2着を2度続けたあとソレントS-G3に挑むとこれを6 1/2馬身差で圧勝、続くデルマーデビュターントS-G1も快勝。このとき負かしたブラインドラックはのちにケンタッキーオークス-G1やアラバマS-G1など牝馬G1を勝ちまくることになるが、ミスエーニョUSAは9月末の調教中に右前を骨折して引退してしまった。祖母のマドキャップエスカペードはヘネシー産駒でアシュランドS-G1勝ち馬。3代母の産駒にはバレリーナBCS-G1のドバイエスカペードがいて、大繁栄しているわけではないが、それぞれの代から必ず活躍馬が出るような牝系。フランケルは米国系ミスタープロスペクターとダンチヒを欧州系サドラーズウェルズとレインボークエストで挟んだ形なので、ソウルスターリングのように母が欧州型でも、本馬のように米国血統でもどちらでもうまくいくであろうとは想像がつく。 2歳種牡馬ランキング首位を目指すディープインパクトは▲サトノアレスに一発が出れば約3200万円差でトップのダイワメジャーを逆転できる。3代母クリムズンセイントはディープインパクトとの相性の良さで知られるストームキャットの祖母である。△レッドアンシェルはマンハッタンカフェ×ストームキャット。このパターンは大阪杯-G2に勝ち、安田記念-G1・2着のショウナンマイティと同じ。叔父ナサニエルはキングジョージ6世&クイーンエリザベスS-G1の勝ち馬だが、2歳8月のデビュー戦と引退戦のチャンピオンS-G1でフランケルに完敗している。 |
競馬ブックG1特集号「血統をよむ」2016.12.18
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