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サンデーサイレンスUSA産駒の最初のクラシック馬は95年の皐月賞に勝ったジェニュイン。以来15年で9頭の直系子孫がこのレースを制している。ほかにはブライアンズタイムUSA産駒が3勝、オペラハウスGB産駒が2勝、シェリフズスターGB産駒が1勝を挙げたのみ。桜花賞は2000年にチアズグレイスが現れるまで攻略にてこずったように、サンデーサイレンスUSA血脈との親和性はもともと高くない。そんなこともあって今年は1〜3着をサンデーサイレンス血脈を持たない馬が占め、脱SS時代を思わせる結果となった。対照的に皐月賞でのサンデーサイレンスUSA系に陰りはない。下表の通り母系に入るものまで含めると13頭。絞り込むとすると、孫であれば父が皐月賞馬であることが条件になる。キャプテントゥーレとアンライバルド、過去たった2つのサンプルで決めてしまっていいのかという気もするが、有資格馬はアグネスタキオンかネオユニヴァースの産駒。これで一気に3頭になった。 |
| 皐月賞に見るサンデーサイレンスUSAの影響力 |
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サンデーサイレンスUSA Sunday Silence(1986-2002、黒鹿毛、父Halo) フジキセキ(1992、青鹿毛、母の父Le Fabuleux)朝日杯3歳S | スクエアアウェイ(牝、1998、栗毛、母の父パドスールGB)1勝 | アリゼオ(2007、黒鹿毛、父シンボリクリスエスUSA) ジェニュイン(1992、青鹿毛、母の父What Luck)【皐月賞】、マイルチャピオンシ | ップ イシノサンデー(1993、栗毛、母の父Alydar)【皐月賞】、ダービーグランプリ スペシャルウィーク(1995、黒鹿毛、母の父マルゼンスキー)皐月賞(3)、ジャパ | ンCG1、東京優駿、天皇賞(春)、天皇賞(秋) | レーヴドリアン(2007、芦毛、母の父Highest Honor) エアシャカール(1997-2003、黒鹿毛、母の父Well Decorated)【皐月賞】、菊 | 花賞 ニューイングランド(1997、栗毛、母の父Chief's Crown) | レッドスパークル(2007、栗毛、母の父ヘクタープロテクターUSA) アグネスタキオン(1998-2009、栗毛、母の父ロイヤルスキーUSA)【皐月賞】 | キャプテントゥーレ(2005、芦毛、母の父トニービンIRE)【皐月賞】 | リルダヴァル(2007、栗毛、母の父サンダーガルチUSA) マンハッタンカフェ(1998、青鹿毛、母の父Law Society)菊花賞、有馬記念、 | 天皇賞(春) | ガルボ(2007、青毛、母の父ジェネラスIRE) | ゲシュタルト(2007、鹿毛、母の父エンドスウィープUSA) | サンディエゴシチー(2007、黒鹿毛、母の父Rahy) | ハンソデバンド(2007、黒鹿毛、母の父アフリートCAN) | ヒルノダムール(2007、鹿毛、母の父ラムタラUSA) ローズバド(牝、1998、青毛、母の父Shirley Heights)3勝、フィリーズレビュー、 | マーメイドS | ローズキングダム(2007、黒鹿毛、父キングカメハメハ) ダイワルージュ(牝、1998、鹿毛、母の父ノーザンテーストCAN)3勝、新潟3歳S | ダイワファルコン(2007、鹿毛、父ジャングルポケット) ネオユニヴァース(2000、鹿毛、母の父Kris)【皐月賞】、東京優駿 | アンライバルド(2006、鹿毛、母の父Sadler's Wells)【皐月賞】 | ヴィクトワールピサ(2007、黒鹿毛、母の父Machiavellian) | ネオヴァンドーム(2007、鹿毛、母の父トニービンIRE) ダイワメジャー(2001、栗毛、母の父ノーザンテーストCAN)【皐月賞】、安田記 | 念G1、マイルチャンピオンシップG1×2、天皇賞(秋) ディープインパクト(2002、鹿毛、母の父Alzao)【皐月賞】、東京優駿、菊花 賞、ジャパンCG1、宝塚記念G1、天皇賞(春)、有馬記念 |
| 青字は皐月賞馬、☆は今回の出走馬 |
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○ヴィクトワールピサは安田記念G1のアサクサデンエン、天皇賞(秋)2着のスウィフトカレントの弟。母ホワイトウォーターアフェアGBはポモーヌ賞仏G2勝ち馬。今は2500mになったポモーヌ賞が2700mの時代は名牝の隠れた宝庫で、欧・米2歳王者アラジUSAの祖母ファビュルージェーンやドバイミレニアムの母コロラドダンサーをはじめ、繁殖牝馬として成功するものが輩出している。欧州型ミスタープロスペクター系の旗手ともいえるマキアヴェリアン産駒のこの母もかつてのポモーヌ賞勝ち馬らしいスタミナや底力を備えているようだ。父もクリスやシャンタンといった古風な欧州血脈を持つので、この母の良さが兄たち以上にうまく引き出されたのだろう。 ▲ネオヴァンドームは母の父がトニービンIRE。このレースでの父系としてのトニービンIREは、ウイニングチケットからフサイチホウオーまで人気を裏切るケースが多いが、母の父に回ると07年のヴィクトリー、08年のキャプテントゥーレ、そして06年2着馬ドリームパスポートと人気薄での大駆けがある。祖母の父がノーザンテーストCANなのでエアグルーヴやサクラチトセオーと同じ配合になり、秘めた切れ味は一級品だろう。ただ、同時に現時点では完成途上ということもできるかもしれない。 今回はサンデーサイレンスUSA系が多いだけでなく、サンデーサイレンスUSA系×ミスタープロスペクター系の数が目につく。リルダヴァル、ヴィクトワールピサに加え、ゲシュタルト、ハンソデバンド、レッドスパークル、天地逆だがローズキングダムがこの形。似たようなのが多いと、何か異質なものが食い込むケースは少なくない。△バーディバーディはサンデーサイレンスUSAの天敵ブライアンズタイムUSA産駒。前走が完敗で騎手にも「芝には向かない」と断言されてしまったが、1回くらいであきらめてはいけない。3代母メイプルジンスキーUSAは88年のアラバマS米G1勝ち馬。88年といえばウイニングカラーズがケンタッキーダービーG1を勝ち、去る8日に亡くなったパーソナルエンスンがブリーダーズCディスタフG1を制して13戦13勝の記録とともに引退した年。メイプルジンスキーUSAはそういう牝馬の年に夏の3歳女王決定戦に勝っただけでなく、子孫にスカイビューティやテールオブエカティといったG1勝ち馬を送った名牝。そこへロベルト×ミスタープロスペクター、リボー直仔の大物兄弟グロースタークとヒズマジェスティを重ねた配合は一発の魅力が十分。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2010.4.18
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