|
英2000ギニーG1と英ダービーG1の連勝は1989年のナシュワン以降長く途絶えていて、近年は2000ギニー馬がダービーに出ることさえまれだった。トリプルクラウンどころかダブルも今どきもうはやらないのかというところに、昨年はシーザスターズが両レースを連勝。やはり、それなりの資質を備えた者がいれば、1600mと2400mの頂点は踏破を挑む価値のある高峰といえるのだろう。NHKマイルCと日本ダービーにもそういった価値は認められていて、予告ホームラン的にこれに挑んだ松田国師がクロフネUSA、タニノギムレットのニアミスを経て、キングカメハメハによって初めての成功をみた。その後は一昨年のディープスカイも成功し、皐月賞→ダービーとは別の路線が確立したようだ。ということは、次にダービーに勝ちそうな馬を選ぶのがこのレース攻略の近道となるわけだが、実際にはダービー直前でもどれが勝つか分からないのだから、近道のようで近道ではない。いえることは、勝ち馬がその後ダービーやジャパンC、ジャパンCダートに勝つ例はあっても、同じ舞台の安田記念に勝った例はないということ。これが3歳のこの時期の東京1600mの特異性といえるかもしれない。要するに、ちょっと長目の距離適性、軽いスピードよりも馬力にシフトした血統を狙うのが良い。 |
| 母の父キングマンボ Kingmambo の主な活躍馬 | ||||||
| 馬名 | 産地 | 生年 | 性 | 父 | 主な成績 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 母 | ||||||
| Ocean Silk | 米 | 2000 | f | Dynaformer | 2003 ヨークシャーオークスG1 | 2 |
| Myth to Reality | ||||||
| スズカマンボ | 日 | 2001 | m | サンデーサイレンスUSA | 2005 天皇賞(春) | 1 |
| スプリングマンボGB | ||||||
| Maids Causeway | 愛 | 2002 | f | Giant's Causeway | 2005 コロネーションSG1 | 1 |
| Vallee des Reves | ||||||
| Just Mambo | 豪 | 2003 | h | Danehill Dancer | 2007 STCファーラップSG2 | 1 |
| Royal Subject | ||||||
| Danzon | 米 | 2003 | f | ロイヤルアカデミーIIUSA | 2007 ウッドフォードリザーヴターフクラシックSG1 | 3 |
| Zappeuse | ||||||
| Nasheej | 米 | 2003 | f | Swain | 2006 英1000ギニーG1 | 3 |
| El Nafis | ||||||
| Duke of Marmalade | 愛 | 2004 | m | デインヒルUSA | 2008 キングジョージVI世&クイーンエリザベスSG1 | 1 |
| Love Me True | ||||||
| ライブコンサートIRE | 愛 | 2004 | h | シングスピールIRE | 2010 京都金杯G3 | 1 |
| Dance Lively | ||||||
| Regal Parade | 英 | 2004 | h | Pivotal | 2009 スプリントCG1 | 1 |
| Model Queen | ||||||
| Red Giant | 米 | 2004 | m | Giant's Causeway | 2008 クレメント.L.ハーシュ記念ターフ選手権G1 | 1 |
| Beyond the Sun | ||||||
| Sagara | 米 | 2004 | h | Sadler's Wells | 2007 凱旋門賞G1 | 3 |
| ラングーンルビーUSA | ||||||
| Gallica | 豪 | 2005 | f | Redoute's Choice | 2009 オーストラレシアンオークスG1 | 1 |
| Swing Queen | ||||||
| Ready's Echo | 米 | 2005 | m | More Than Ready | 2008 ブリーダーズCダートマイルG1 | 2 |
| Menekineko | ||||||
| Wiener Walzer | 独 | 2006 | m | Dynaformer | 2009 ドイツダービーG1 | 1 |
| Walzerkoenigin | ||||||
| Gozzip Girl | 米 | 2006 | f | Dynaformer | 2009 アメリカンオークスG1 | 1 |
| Temperence Gift | ||||||
| ストロングガルーダ | 日 | 2006 | m | ダンスインザダーク | 2009 ラジオNIKKEI賞G3 | 1 |
| フェニックスバード | ||||||
| Miss World | 米 | 2006 | f | Bernstein | 2009 ガーデンシティSG1 | 1 |
| Moonstar | ||||||
| Midday | 英 | 2006 | f | Oasis Dream | 2009 ブリーダーズCフィリー&メアターフG1 | 1 |
| Midsummer | ||||||
| アントニオバローズ | 日 | 2006 | m | マンハッタンカフェ | 2009 東京優駿 | 3 |
| リトルアローUSA | ||||||
| Odds On | 伯 | 2006 | m | Roi Normand | 2009 アルゼンチンダービーG1 | 3 |
| Ilha Bella | ||||||
|
○ダノンシャンティは父フジキセキが朝日杯勝ち馬で、母の父マークオブエスティームが英2000ギニー馬。どちらも、可能性としてはそれ以上の幅で活躍することもできたのだろうが、結果としてマイルで最大の成果を上げた。祖母グローリアスソングは4つのG1を含む17勝、カナダの年度代表馬、米・加最優秀古牝馬となったヘイローの牝馬の代表産駒。牡の代表であるサンデーサイレンスUSAとの組み合わせはヘイロー最良の近親交配3×3となる。良血だけを集めて端正な美しさを備えた配合は、種牡馬としての可能性の大きさも感じさせる。 アグネスタキオン産駒は過去に2勝。ロジックが最初のG1級勝利でもあったのだから、種牡馬としての原点がここにあるということさえできる。▲リルダヴァルは母の父がサンダーガルチUSA。その父ガルチは直仔イーグルカフェUSAが2000年に勝ち、ブレーヴテンダーUSAが1997年2着、母の父として2001年にサマーキャンドルが3着と、初期には大活躍だった。全体的には叔父のディープインパクトをアメリカ的なスピードと馬力の方にシフトした形。△サンライズプリンスは母の父ワイルドアゲインが第1回ブリーダーズCクラシックG1勝ち馬で、祖母の父ロードアットウォーがアルゼンチン生まれの名馬、3代母の父はエルバジェ直仔のグレイドーンと母系に異系血脈ばかりを並べた。こういった血統がここまで強くなると、更にとてつもなく強くなる可能性も秘めている。 エイシンアポロンUSAの母シルクアンドスカーレットは2歳時に愛で6Fの準重賞シルヴァーフラッシュSと7FのG2デビュターントSに勝った。3歳時は英オークスG1で5着となっているが、やはり本質はマイラーだった。そういった意味では息子も距離短縮が好結果につながるかもしれない。 キングレオポルドは母系3代連続重賞勝ち馬。母の父ヌレエフもこのレースの隠れた重要血脈。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2010.5.9
©Keiba Book