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JBCクラシックはヴァーミリアンとアドマイヤドンがそれぞれ3連覇を果たし、南部杯にもブルーコンコルドの3連覇があり、東京大賞典はアジュディミツオーが連覇していて、ダートの大レースは強い馬が独占的に活躍する傾向がある。大レースとしての歴史が浅いかしわ記念を別にすると、1頭が複数回勝ったことがない古馬のG1/Jpn1はフェブラリーSと帝王賞の2つだけ。このレースには、強くないと勝てないし、強いからといって勝てるとは限らない独特の厳しさがあるようだ。昨年はデピュティミニスターの血を受けたものが1〜3、5着を占め、それ以前にもストームキャット系などが他の大レースでは見られない活躍を示したり、血統的にも独特な偏りがある。そこで、過去10年の3着以内の馬について、配合種牡馬を3代遡ったのが表1、更に詳しく3代血統表中の出現頻度を示したのが表2になる。素材的にはサンデーサイレンス、ミスタープロスペクター、ノーザンダンサーという主流血脈が幅を利かせている点で他のレースとそれほど変わりはないが、北米テーストの強さがいくらか目立っている。 |
| 表1) フェブラリーS入着馬の血統(過去10年) | |||||||||||
| 年 | 馬名 | 性齢 | 父 | 母の父 | 祖母の父 | ||||||
| 2000 | ウイングアロー | 牡6 | アサティスUSA | ミスターシービー | ネヴァービートGB | ||||||
| ゴールドティアラUSA | 牝5 | Seeking the Gold | Chief's Crown | Riva Ridge | |||||||
| ファストフレンド | 牝7 | アイネスフウジン | ノーザンテーストCAN | シルバーシャークIRE | |||||||
| 2001 | ノボトゥルーUSA | 牡5 | Broad Brush | Naskra | Le Fabuleux | ||||||
| ウイングアロー | 牡6 | アサティスUSA | ミスターシービー | ネヴァービートGB | |||||||
| トゥザヴィクトリー | 牝5 | サンデーサイレンスUSA | Nureyev | Sharpen Up | |||||||
| 2002 | アグネスデジタルUSA | 牡5 | Crafty Prospector | Chief's Crown | Alleged | ||||||
| トーシンブリザード | 牡4 | デュラブUSA | ブレイヴェストローマンUSA | テスコボーイGB | |||||||
| ノボトゥルーUSA | 牡6 | Broad Brush | Naskra | Le Fabuleux | |||||||
| 2003 中山 1800 | ゴールドアリュール | 牡4 | サンデーサイレンスUSA | Nureyev | Hostage | ||||||
| ビワシンセイキ | 牡5 | フォーティナイナーUSA | Northern Dancer | New Providence | |||||||
| イーグルカフェUSA | 牡6 | Gulch | Nureyev | Damascus | |||||||
| 2004 | アドマイヤドン | 牡5 | ティンバーカントリーUSA | トニービンIRE | Northern Dancer | ||||||
| サイレントディール | 牡4 | サンデーサイレンスUSA | Nureyev | Sharpen Up | |||||||
| スターリングローズ | 牡7 | アフリートCAN | Danzig | Buckpasser | |||||||
| 2005 | メイショウボーラー | 牡4 | タイキシャトルUSA | Storm Cat | Search Tradition | ||||||
| シーキングザダイヤUSA | 牡4 | Storm Cat | Seeking the Gold | Seattle Slew | |||||||
| ヒシアトラス | 牡5 | ティンバーカントリーUSA | Alydar | Lt. Stevens | |||||||
| 2006 | カネヒキリ | 牡4 | フジキセキ | Deputy Minister | Mr. Prospector | ||||||
| シーキングザダイヤUSA | 牡5 | Storm Cat | Seeking the Gold | Seattle Slew | |||||||
| ユートピア | 牡6 | フォーティナイナーUSA | ノーザンテーストCAN | Dewan | |||||||
| 2007 | サンライズバッカス | 牡5 | ヘネシーUSA | リアルシャダイUSA | サーペンフロGB | ||||||
| ブルーコンコルド | 牡7 | フサイチコンコルド | ブライアンズタイムUSA | ヴェンチアGB | |||||||
| ビッググラス | 牡6 | エルコンドルパサーUSA | イブンベイGB | リイフォーGB | |||||||
| 2008 | ヴァーミリアン | 牡6 | エルコンドルパサーUSA | サンデーサイレンスUSA | ノーザンテーストCAN | ||||||
| ブルーコンコルド | 牡8 | フサイチコンコルド | ブライアンズタイムUSA | ヴェンチアGB | |||||||
| ワイルドワンダー | 牡6 | ブライアンズタイムUSA | サンデーサイレンスUSA | Mr. Prospector | |||||||
| 2009 | サクセスブロッケン | 牡4 | シンボリクリスエスUSA | サンデーサイレンスUSA | Deputy Minister | ||||||
| カジノドライヴUSA | 牡4 | Mineshaft | Deputy Minister | Blushing Groom | |||||||
| カネヒキリ | 牡7 | フジキセキ | Deputy Minister | Mr. Prospector | |||||||
| 太字は4回以上現れる種牡馬 | |||||||||||
| 表2)フェブラリーSの重要血脈 過去10年の3着以内馬の3代血統表中にのべ 3回以上現れた種牡馬。太字は今回の出走馬 3代以内に現れるもの | ||
| 順位 | 種牡馬 | 回数 |
| 1 | Mr. Prospector | 16 |
| 2 | Northern Dancer | 14 |
| 3 | Halo | 9 |
| 4 | サンデーサイレンスUSA | 8 |
| 5 | Raise a Native | 7 |
| 6 | Roberto | 5 |
| 7 | Deputy Minister | 4 |
| 7 | Hail to Reason | 4 |
| 7 | Le Fabuleux | 4 |
| 7 | Nureyev | 4 |
| 7 | Sadler's Wells | 4 |
| 7 | Storm Bird | 4 |
| 7 | Storm Cat | 4 |
| 14 | ノーザンテーストCAN | 3 |
| 14 | ブライアンズタイムUSA | 3 |
| 14 | Caerleon | 3 |
| 14 | Danzig | 3 |
| 14 | Graustark | 3 |
| 14 | Seattle Slew | 3 |
| 14 | Seeking the Gold | 3 |
| 14 | Topsider | 3 |
| 14 | Understanding | 3 |
| 14 | Vice Regent | 3 |
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◎スーニUSAは血統表の3代目にデピュティミニスター、クラフティプロスペクター(その父ミスタープロスペクター)が並び、ディキシーランドバンドもノーザンダンサー直仔のパワフルな血脈で、“重要血脈”を3本揃えた。残るひとつプレザントコロニーもリボー系の名馬で、リボー系の血はブライアンズタイムUSAの母の父グロースターク、ノボトゥルーUSAの父の母の父ホイストザフラッグ、アグネスデジタルUSAの祖母の父アレッジドなど、血統表中に潜んで重要な役割を果たしている。父は2歳時にケンタッキージョッキークラブSG2に勝ち、3歳時にはウエストヴァージニアダービーG3をレコード勝ちという、競走馬としてはそれなり、種牡馬としては貧弱な競走成績を残した。母の父はカリフォルニアンSG1をサンデーサイレンスの翌年に制したが、これも種牡馬としては2頭の重賞勝ち馬を出したのみ。牝系は3代母まで遡ってようやく、産駒にソロリティSG1のファンシーナスクラ、ジョンA.モーリスHG1のロージズキャンティナ、孫にフューチュリティSG1のモントリオールレッドが出ている。そのような血統だけに、遠い偉大な祖先の良さがうまい具合に出て、ここまでの実績を残してきたと考えられる。しかも、4代母の娘のファンシミンUSAは日本に輸入されて多くの活躍馬を送り、ラインクラフトやソングオブウインドの牝祖となった。父の名も曹洞宗に因んだものらしく、いわれてみれば日本向きという要素が満載だったわけ。 ○エスポワールシチーの父は中山1800mで行われた03年の勝ち馬だが、同じサンデーサイレンスUSA×ヌレエフのトゥザヴィクトリーが01年に3着、サイレントディールが04年に2着しているように、東京だから割り引く必要はない。母の父ブライアンズタイムUSAも“重要血脈”リストに名前があり、祖母の父ブレイヴェストローマンUSAもダート血統として名高い。このレースでも娘の仔トーシンブリザードの2着がある。ブライアンズタイムUSA×ブレイヴェストローマンUSAという母の配合は菊花賞馬スリーロールスの母と共通するもので、汎用性に富んだパワーを提供する組み合わせ。 同じ父の▲オーロマイスターは母の父リアファンがロベルト直仔、祖母の父クラフティプロスペクターがミスタープロスペクター直仔だから、“重要血脈”リストに照らすとフルマーク。ロベルト×ミスタープロスペクターも大レース向きのニックスとして定評がある。 △サクセスブロッケンは母がサンデーサイレンスUSA×デピュティミニスターで、父はロベルト直仔×シアトルスルー直仔。3代母の父もリボー系プレザントコロニーだから、ミスタープロスペクター以外の装備は全て揃っている。4歳になってからは半期に一度の大パフォーマンスという形になっているが、父シンボリクリスエスUSAも3歳秋以降は1走おきの大パフォーマンスだった。このあたりの符合がどうなのか。 リーチザクラウンは父がサンデーサイレンス直仔で、母がシアトルスルー×ミスタープロスペクターだから、だいたい3/4を“重要血脈”が占める。牝系もチーフズクラウンやウイニングカラーズ、タップダンスシチーと同じ名門。3/4くらいの確率でダートもこなせるのではないだろうか。 レッドスパーダはメイショウボーラーと同じタイキシャトルUSA×ストームキャット。初ダートでも安心して見ていられるのはこちら。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2010.2.21
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