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今年の芝競馬は欧州に3歳のシーザスターズという久々の大スターが現れ、マイル路線は前年に続いて名牝ゴルディコヴァが君臨した。北米でもジオポンティがG1に4連勝して芝の久々の大物となり、オールウェザーに挑んだブリーダーズCクラシックG1でもゼニヤッタの2着と健闘。そのようになかなかの充実を示した北半球の芝戦線から長距離戦を抜き出したのが下表。シーザスターズ不在のキングジョージVI世&クイーンエリザベスSG1とブリーダーズCターフG1の2つに勝ったコンデュイットIREの活躍が光る。父のダラハニは03年の凱旋門賞G1勝ち馬なので、父仔で芝3大レース制覇と見ることもできる。凱旋門賞G1はアーバンシーUSA=シーザスターズという母仔制覇だったし、親子G1制覇の流れは日本だけではなかったようだ。下表でもうひとつ気付くのがジャパンC卒業生の種牡馬としての活躍。シングスピールIRE、モンジューIREがこの路線で複数のG1勝ち馬を送り出し、今年3月に世を去ったアーバンシーUSAも93年のこのレースを走っている(8着)。何だかんだといわれながらも、ジャパンCが2400m血統の揺籃として立派に機能していることが分かる。今回の出走馬の父のうち、ジャパンC卒業生はスペシャルウィーク(99年1着)、ジャングルポケット(01年1着)、ファンタスティックライトUSA(00年3着)、チーフベアハートCAN(98年4着)、ホワイトマズルGB(93年13着)の5頭。そのあたりから勝ち馬は出るのではないだろうか。 |
| 2009年 北半球の芝長距離戦(2200〜2400m) | |||||||||||
| 日付 | レース名 | 国 | 競馬場 | 距離 | 条件 | 勝ち馬 | (父) | 着差 | 2着馬 | 着差 | 3着馬 |
| 3-28 | ドバイシーマクラシック | 首 | ナドアルシバ | 2400m | 3歳上 | イースタンアンセム | (シングスピールIRE) | no | スパニッシュムーン | shd | パープルムーンIRE |
| 5-24 | 優駿牝馬 | 日 | 東京 | 2400m | 3歳牝 | ブエナビスタ | (スペシャルウィーク) | no | レッドディザイア | 3 | ジェルミナル |
| 5-31 | 東京優駿 | 日 | 東京 | 2400m | 3歳牡牝 | ロジユニヴァース | (ネオユニヴァース) | 4 | リーチザクラウン | hd | アントニオバローズ |
| 6-5 | オークス | 英 | エプソム | 12F10y | 3歳牝 | サリスカ | (ピヴォタル) | hd | ミッドデイ | 2.5 | ハイヒールド |
| 6-5 | コロンーションC | 英 | エプソム | 12F10y | 4歳上 | アスク | (サドラーズウェルズ) | no | ユームザイン | no | ルックヒア |
| 6-6 | ダービー | 英 | エプソム | 12F10y | 3歳牡牝 | シーザスターズ | (ケープクロス) | 1.75 | フェームアンドグローリー | nk | マスターオブザホース |
| 6-14 | ミラノ大賞 | 伊 | サンシーロ | 2400m | 3歳上 | キハノ | (アカテナンゴ) | 1 | エージオブリーズン | hd | ヴワライシ |
| 6-28 | 愛ダービー | 愛 | カラ | 12F | 3歳牡牝 | フェームアンドグローリー | (モンジューIRE) | 5 | ゴールデンソード | 1 | ムーラヤン |
| 6-28 | サンクルー大賞 | 仏 | サンクルー | 2400m | 4歳上 | スパニッシュムーン | (エルプラド) | 1.5 | アルピーヌローズ | 1.5 | ユームザイン |
| 6-28 | 宝塚記念 | 日 | 阪神 | 2200m | 3歳上 | ドリームジャーニー | (ステイゴールド) | 1.75 | サクラメガワンダー | nk | ディープスカイ |
| 7-4 | ユナイティドネーションズS | 米 | モンマス | 11F | 3歳上 | プレシャスパッション | (ロイヤルアンセム) | 2 | ローロ | 4.5 | ブラスハット |
| 7-5 | 独ダービー | 独 | ハンブルク | 2400m | 3歳牡牝 | ヴィーナーヴァルツァー | (ダイナフォーマー) | 1.25 | ゾルディノ | nk | タフネスダノン |
| 7-11 | マンノウォーS | 米 | ベルモント | 12F | 3歳上 | ジオポンティ | (テールオブキャット) | 1.75 | マスケティア | 0.5 | キハノ |
| 7-12 | 愛オークス | 愛 | カラ | 12F | 3歳牝 | サリスカ | (ピヴォタル) | 3 | ロージズフォーザレティ | 4.5 | ミッドデイ |
| 7-14 | パリ大賞 | 仏 | ロンシャン | 2400m | 3歳牡牝 | キャヴァルリマン | (ホーリング) | 1.5 | エージオブアクエリアス | 2 | マスタリー |
| 7-19 | ドイツ賞 | 独 | デュッセルドルフ | 2400m | 3歳上 | ゲッタウェイ | (モンズーン) | 0.75 | フラミンゴファンタジー | no | アペルオメトル |
| 7-25 | KジョージVI世&QES | 英 | アスコット | 12F | 3歳上 | コンデュイットIRE | (ダラハニ) | 1.75 | タータンベアラー | hd | アスク |
| 8-2 | 独オークス | 独 | デュッセルドルフ | 2200m | 3歳牝 | ナイトマジック | (ショーロホフ) | 4.5 | ゾベラニア | 0.5 | アンドレア |
| 8-15 | ソードダンサー招待S | 米 | サラトガ | 12F | 3歳上 | テリング | (エーピーインディ) | 2 | ベタートークナウUSA | 1 | ブラスハット |
| 8-16 | ラインラントポカル | 独 | ケルン | 2400m | 3歳上 | ヴィーナーヴァルツァー | (ダイナフォーマー) | shd | ゲッタウェイ | 2.5 | イースタンアンセム |
| 8-20 | ヨークシャーオークス | 英 | ヨーク | 12F | 3歳上牝 | ダーレミ | (シングスピールIRE) | 0.75 | サリスカ | 1.5 | ローマンエンプレス |
| 9-6 | バーデン大賞 | 独 | バーデンバーデン | 2400m | 3歳上 | ゲッタウェイ | (モンズーン) | 3 | イースタンアンセム | 0.5 | ユームザイン |
| 9-13 | ヴェルメーユ賞 | 仏 | ロンシャン | 2400m | 3歳上牝 | (snk)スタチェリータ | (モンズーン) | 1.5 | プルマニア | shd | ボードミーティング |
| 9-20 | ノーザンダンサーターフS | 加 | ウッドバイン | 12F | 3歳上 | (0.5)ジャストアズウェルUSA | (エーピーインディ) | 0.5 | キハノ | hd | シャンゼリゼ |
| 9-27 | ヨーロッパ賞 | 独 | ケルン | 2400m | 3歳上 | ジュークボックスジュアリー | (モンジューIRE) | no | イースタンアンセム | 2.5 | エリオット |
| 10-3 | JHターフクラシック招待S | 米 | ベルモント | 12F | 3歳上 | インターパテイションUSA | (ラングフール) | 1.75 | ジオポンティ | 1.75 | +0.5グランクチュリエ |
| 10-4 | 凱旋門賞 | 仏 | ロンシャン | 2400m | 3歳上牡牝 | シーザスターズ | (ケープクロス) | 2 | ユームザイン | hd | キャヴァルリマン |
| 10-17 | カナディアン国際S | 加 | ウッドバイン | 12F | 3歳上 | シャンゼリゼ | (デインヒルUSA) | 0.5 | ジュークボックスジュアリー | 2 | ブチェラティ |
| 10-18 | ジョッキークラブ大賞 | 伊 | サンシーロ | 2400m | 3歳上 | スキャパレッリ | (モンズーン) | 1.75 | サンタントニオ | 0.5 | ヴワライシ |
| 11-7 | BCターフ | 米 | サンタアニタ | 12F | 3歳上 | コンデュイットIRE | (ダラハニ) | 0.5 | プレシャスパッション | 1.25 | ダーレミ |
| 11-15 | エリザベス女王杯 | 日 | 京都 | 2200m | 3歳上牝 | クィーンスプマンテ | (ジャングルポケット) | 1.5 | テイエムプリキュア | nk | ブエナビスタ |
| 太字は今回の出走馬、父の太字はJC卒業生 | |||||||||||
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スペシャルウィークの三冠(3)(1)(2)に比べると、◎リーチザクラウンの(13)(2)(5)は波の大きな成績。これはシアトルスルー×ミスタープロスペクター×セクレタリアトという米国血脈によってもたらされたパワーとスピードが仇となった。父が日本的な「柔」なら、こちらは米国的な「剛」。いずれの傾向もサンデーサイレンス血脈によって増幅されるが、それが悪いほうに出たのがクラシックでの不振につながった。力を持て余してしまったわけだ。しかし、ジャパンCでは、フィジカルな力の絶対値を競うような争いになりやすい。そこで今度は2頭の米三冠馬が入る母クラウンピースの血が生きてくる。祖母クラシッククラウンUSAがフリゼットSG1、ガゼルHG1に勝った名牝で、ミスカーミーに遡る牝系は昨年の2着馬ディープスカイ、03年に歴史的大勝を果たしたタップダンスシチーUSAと同じ。 ファンタスティックライトUSAは00年と01年の2年連続ワールドレーシング・チャンピオンシップ(99〜05年に施行)の王座に就いた名馬だが、00年のジャパンCではテイエムオペラオー、メイショウドトウIREに続く3着、01年のドバイシーマクラシック(当時G2)では決勝線上でステイゴールドの強襲に屈した。なかなかの親日家といえよう。その産駒○シンティロGBは大敗を続けての来日。G1での力量不足もほぼはっきりしていて、常識的には狙い辛い。ただ、母は仏1000ギニーG1、フォレ賞G1に勝った名牝で、半兄ジャンバジュキバもアイルランドで休みなく走って、いつの間にか重賞4勝を挙げている。血統だけで穴を狙うとすると、これではないか。 ▲コンデュイットIREは完全欧州仕様の配合で、一見、日本でのスピード不足が懸念されるところだが、4代母はサニーヴァリー。皐月賞馬アンライバルドの3代母であり、カンパニーの父ミラクルアドマイヤの3代母であり、そして、やはり完全な欧州型血統の日本ダービー馬フサイチコンコルドの3代母。日本にも合う欧州血統というよりも、普遍的な強さを秘めた名門ファミリーなのだと思う。 コンデュイットIREのスタウト師は96年にシングスピールIRE、97年に今回と同じ勝負服のピルサドスキーIREでこのレースを連覇。2着にはそれぞれファビラスラフインFR、エアグルーヴと牝馬を連れてきた。コンデュイットから狙う場合、過去の例からは相手にウオッカかレッドディザイアを取るのが正しいことになる。△レッドディザイアは母がカーリアン×サドラーズウェルズのフサイチコンコルド配合。3代母の産駒ベルメッツUSAは90年のキングジョージVI世&クイーンエリザベスSに勝ち、ジャパンCでは1番人気で7着に敗れた(勝ち馬ベタールースンアップAUS)。ファミリーとしては19年ぶりの雪辱がかかった一戦でもある。ウオッカは名門フロリースカップGB系ワカシラオキの分枝にダンディルートFR、トウショウボーイとトウショウ牧場の典型的ともいえる配合を施された日本的なボトムライン。崩れても何度も立ち直る渋太さはそのあたりに由来しているのだろう。巻き返しがあって当然。 |
競馬ブック増刊号「血統をよむ」2009.11.29
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