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1600mで勝てるスピードがあって2000mも我慢できる、あるいは、2400mに耐えるスタミナを備え2000mをこなすスピードもある。これがだいたい現代の名種牡馬の条件。サドラーズウェルズやジャイアンツコーズウェイ、クロフネUSAの競走成績は前者にあてはまり、後者にはスペシャルウィークやシンボリクリスエスUSA、欧州ならモンジューIREあたりが該当する。そういうわけで、G1安田記念やG1天皇賞(秋)、日本ダービーは種牡馬選定のための最重要レースといえる。しかし、そんな貴重な機会であるにもかかわらず、1回や2回ならまだしも、4回にわたってウオッカに一蹴された近ごろの牡馬というのはどうなのだろう。たとえば、G1ケンタッキーダービーでウイニングカラーズの後塵を拝したフォーティナイナーUSAやブライアンズタイムUSA、シーキングザゴールドはそれぞれ大種牡馬となり、G1ベルモントSでラグズトゥリッチズにアタマ差敗れたカーリンはその後堂々たる世界チャンピオンに成長したが、日本ではそのようなことが起こる気配が一向にない。ウオッカかダイワスカーレット、あるいは両方の出走したG1で勝った牡馬がアドマイヤムーン、マツリダゴッホ、スクリーンヒーローの3頭に過ぎないというのは、かなり深刻な状況なのではないだろうか。ウオッカやダイワスカーレットがいかにずば抜けた能力を持っているとしても、さすがに種牡馬にはなれない。私個人はそれでも特に差し支えないが、種牡馬としての価値の創出ができないということは、生産界にとっては大変困ったことだ。 |
| ミスタープロスペクター系×サンデーサイレンスUSAの重賞勝ち馬 | ||||
| 馬名 | 生年 | 性 | 父 | 重賞勝ち鞍 |
| シャドウスケイプ | 1999 | 牡 | フォーティナイナーUSA | 根岸S(7人気) | クラスターC(4人気) |
| サカラート | 2000 | 牡 | アフリートCAN | 東海S(6人気) | ブリーダーズGC(2人気) | 日本TV杯(1人気)他 |
| スズノマーチ | 2000 | 牡 | ティンバーカントリーUSA | エプソムC(4人気) |
| ヴァーミリアン | 2002 | 牡 | エルコンドルパサーUSA | ジャパンCダートG1(1人気) | フェブラリーSG1(1人気) | 川崎記念(1人気) | 東京大賞典(1人気) | 帝王賞(1人気) | JBCクラシック(大井2人気) | JBCクラシック(園田1人気)他 |
| ラインクラフト | 2002 | 牝 | エンドスウィープUSA | 桜花賞(2人気) | NHKマイルC(2人気) | 阪神牝馬S(1人気)他 |
| アドマイヤムーン | 2003 | 牡 | エンドスウィープUSA | ドバイデューティフリーG1 | 宝塚記念G1(3人気) | ジャパンCG1(5人気) | 京都記念G2(2人気) | 札幌記念(1人気)他 |
| ソングオブウインド | 2003 | 牡 | エルコンドルパサーUSA | 菊花賞(8人気) |
| ラピッドオレンジ | 2003 | 牝 | エルコンドルパサーUSA | TCK女王杯(6人) |
| エアパスカル | 2005 | 牝 | ウォーエンブレムUSA | チューリップ賞(5人気) |
| ドリームシグナル | 2005 | 牡 | アグネスデジタルUSA | シンザン記念(1人気) |
| ナンヨーリバー | 2005 | 牡 | スキャンUSA | 兵庫チャンピオンシップ(1人気) |
| フサイチアソート | 2005 | 牡 | トワイニングUSA | 東スポ杯2歳S(9人気) |
| ヤマニンキングリー | 2005 | 牡 | アグネスデジタルUSA | 札幌記念G2(7人気) | 中日新聞杯(2人気) |
| グランプリエンゼル | 2006 | 牝 | アグネスデジタルUSA | 函館スプリントSG3(1人気) |
| ゴールデンチケット | 2006 | 牡 | キングカメハメハ | 兵庫チャンピオンシップ(3人気) |
| Florentino | 2006 | 牡 | スウェプトオーヴァーボードUSA | ジェファースンカップSG2(3人気) |
| 太字はG1/Jpn1 | ||||
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○キャプテントゥーレの父アグネスタキオンは、昨年の2、3着馬、一昨年の2着馬の父で、特に昨年の2着馬はダイワスカーレットだから勝ったも同然で、このレースにおけるサンデーサイレンスUSA後継の地位を固めつつある。母は阪神牝馬Sに勝ち、フランスでG1モーリスドギース賞2着、シンガポールでG3クリスフライヤースプリント3着など国際的な活躍を見せた。祖母スキーパラダイスUSAもG1ムーランドロンシャン賞や京王杯SCに勝ち、G1BCマイルで2着となった名牝。3代母スキーゴーグルも米G1エイコーンSに勝った。母の父は直仔のサクラチトセオー、エアグルーヴ、オフサイドトラップと3頭がこのレースに勝った。 ▲オウケンブルースリの父ジャングルポケットは日本ダービー、ジャパンCに勝った。“東京のトニービンIRE”の象徴的存在で、産駒にオークス馬トールポピーを出して、トニービンらしさを伝えている。3代母は大種牡馬ミスタープロスペクターの半妹。その孫チーフベアハートCANは北米芝王者で、春には産駒マイネルキッツがG1天皇賞に勝ち、秋にはビービーガルダンがG1スプリンターズSをほとんど勝ちそうになった今年の殊勲賞種牡馬。 △ウオッカも当然有力だが、ダイワスカーレットのいた昨年とはペースが違うだろう。落とし穴があるとすればそのあたり。 大穴でサクラオリオン。ダート王ヴァーミリアンと同じ02年産のエルコンドルパサーUSA産駒。 |
競馬ブック増刊号「血統をよむ」2009.11.1
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