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ケンタッキーダービーで牝馬のウイニングカラーズに敗れた85年生まれの牡馬からは後々まで強い影響を及ぼすフォーティナイナーやブライアンズタイムといった大種牡馬が現れた。今年のベルモントSでラグズトゥリッチズに惜敗したカーリンはブリーダーズCクラシックで米国の頂点に立って汚名をそそいでいる。そのレースでは1、2、4、5、6着を3歳牡馬が占めており、ベルモントSではラグズトゥリッチズが強かっただけで、3歳牡馬のレベルは低いどころか例年より高かったと考えていいくらいだ。日本でもそのような3歳牡馬の反攻があるだろうと考えて◎はロックドゥカンブ。 ○ウオッカはダービーのあと決定的に落ち込んでいるわけではないが、勝ち切れないレースを続けてここまできた。過程としては97年のシルクジャスティスに少し似ている。対ダイワスカーレットでは負け越していて、SSキラーとしてのブライアンズタイムといった構図もお互いが孫世代なのでピントがぼやけてしまうのかもしれない。ただし、今回は古馬の牡馬を交えての一戦だけに、牝馬限定戦とは厳しさが違うはずで、そういった場合により信頼できるのはこちらの方だろう。名門フロリースカップ系シラオキの分枝で、このファミリーはコダマでもスペシャルウィークでも有馬記念には勝てなかったが、その部分は76年にレコードで勝った祖母の父トウショウボーイの血で補いがつく。 フロリースカップ系による有馬記念勝ちといえば名牝ガーネット。▲メイショウサムソンの4代母に当たる。このレースにおけるロベルトとサンデーサイレンスの抗争に割って入っているのはレインボークエスト、オペラハウスといった欧州血統のみ。テイエムオペラオーの活躍がサンデーサイレンスの支配を一時的にでも食い止めたことで分かるように、オペラハウス産駒の傑作には圧倒的な力がある。母の父のダンシングブレーヴもまた力の血統で、欧州系ノーザンダンサー系の底力が生きるタフな展開なら逆転も十分。 一昨年から徐々に存在感を増してきたのが母の父としてのサンデーサイレンス。今年はブルードメアサイアーとしての獲得賞金が種牡馬としてのそれを抜いた。地味ながらそういった意味で△ポップロックは今年を象徴する存在でもあるわけで、また都合のいいことに母の父サンデーサイレンスは1頭だけ。あれこれと手を広げる必要もない。父系祖父フェアリーキング×母の父サンデーサイレンスという配合は父系祖父ロベルト×母の父フェアリーキングのロックドゥカンブの鏡像にも見える。馬名のRockとRocが示すように似ていて違うわけなのだが。 サンデーサイレンス直系が上位に1頭も食い込まないというのもあり得ないだろうということで選ぶとすれば、大穴としてハイアーゲーム。母は英、米でG3勝ちがあり、4代母は仏1000ギニーや凱旋門賞に勝った名牝イヴァンジカ。母の父はリボー系の愛ダービー馬で、サンデーサイレンスとの組み合わせは01年の勝ち馬マンハッタンカフェと同じ。 |
競馬ブック増刊号「血統をよむ」2007.12.23
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