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サンデーサイレンス時代も末期になってからこんなのを出してきてどうするかといわれる恐れもあるが、サンデーサイレンス産駒のG1およびJRAG1勝ち馬のデビューから引退までの馬体重の推移を表にしてみた。中央の項目は概ね一番強い競馬をしたときと考えていただきたい。それがデビュー時の体重以下であったものの数字を太字にしてある。過半数の22頭が該当する。増えていたとしても小幅で、10Kgを超える増加があったものはフジキセキなど5頭に過ぎない。SS以前の時代には、成長度と馬体重は緩やかな比例関係にあるというのが常識だったのではないだろうか。例えばテンポイントは456Kgでデビューし、旧5歳春の天皇賞に勝ったときが470Kg、暮れに有馬記念を制したときは498Kgにまでなっていた。また、ナリタブライアンは456Kgでデビューして、ダービーが468Kg、菊花賞が470Kgで、その2年後に阪神大賞典でマヤノトップガンを下したときは最高体重の486Kgに達している。そういった常識を覆してみせたのはサンデーサイレンス産駒で、調教師としてG1馬を複数送り出すようなSSマイスターたちは早い時期にそれに気付いてSS産駒の仕上げのノウハウを確立していたのだろう。大雑把にいってしまえば、馬体の完成が早い時期に訪れ、そこから鍛えて絞り込んでいけるというのがSS最大の特長だった。 |
| サンデーサイレンスA級産駒の馬体重推移 | ||||||||||
| 馬名 | 生年 | 性 | 初出走 | 体重 | キャリアハイ | 体重 | 引退レース | 体重 | ||
| ジェニュイン | 1992 | 牡 | 94.10.15 | 484 | 96.11.17 | マイルChp. | 492 | 97.11.16 | マイルChp.H | 490 |
| タヤスツヨシ | 1992 | 牡 | 94.8.7 | 476 | 95.5.28 | ダービー | 468 | 95.11.5 | 菊花賞E | 474 |
| ダンスパートナー | 1992 | 牝 | 95.1.29 | 432 | 96.11.10 | エリザベス女王杯 | 438 | 97.12.21 | 有馬記念M | 438 |
| フジキセキ | 1992 | 牡 | 94.8.20 | 472 | 94.12.11 | 朝日杯3歳S | 492 | 95.3.5 | 弥生賞@ | 508 |
| マーベラスサンデー | 1992 | 牡 | 95.2.4 | 474 | 97.7.6 | 宝塚記念 | 490 | 97.12.21 | 有馬記念A | 494 |
| イシノサンデー | 1993 | 牡 | 95.9.2 | 460 | 96.4.14 | 皐月賞 | 464 | 98.6.14 | 安田記念E | 476 |
| ダンスインザダーク | 1993 | 牡 | 95.12.3 | 498 | 96.11.3 | 菊花賞 | 504 | 96.11.3 | 菊花賞@ | 504 |
| バブルガムフェロー | 1993 | 牡 | 95.10.7 | 474 | 96.10.27 | 天皇賞秋 | 486 | 97.11.23 | ジャパンCB | 490 |
| アドマイヤマックス | 1994 | 牡 | 01.10.13 | 454 | 05.3.27 | 高松宮記念 | 464 | 05.12.11 | 香港スプリントJ | 492 |
| サイレンススズカ | 1994 | 牡 | 97.2.1 | 436 | 98.7.12 | 宝塚記念 | 446 | 98.11.1 | 天皇賞秋止 | 450 |
| ステイゴールド | 1994 | 牡 | 96.12.1 | 432 | 99.10.31 | 天皇賞秋A | 420 | 01.12.16 | 香港ヴァーズ@ | 429 |
| スペシャルウィーク | 1995 | 牡 | 97.11.29 | 464 | 99.11.28 | ジャパンC | 468 | 99.12.26 | ジャパンCA | 464 |
| アドマイヤベガ | 1996 | 牡 | 98.11.7 | 456 | 99.6.6 | ダービー | 454 | 99.11.7 | 菊花賞E | 458 |
| スティンガー | 1996 | 牝 | 98.11.8 | 452 | 98.12.6 | 阪神3歳牝馬S | 444 | 02.3.24 | 高松宮記念B | 474 |
| トゥザヴィクトリー | 1996 | 牝 | 98.12.13 | 494 | 01.11.11 | エリザベス女王杯 | 496 | 02.2.17 | フェブラリーSC | 494 |
| アグネスフライト | 1997 | 牡 | 00.2.6 | 472 | 00.5.28 | 東京優駿 | 452 | 03.3.23 | 阪神大賞典L | 460 |
| エアシャカール | 1997 | 牡 | 99.10.31 | 498 | 00.10.22 | 菊花賞 | 494 | 02.12.22 | 有馬記念H | 510 |
| チアズグレイス | 1997 | 牝 | 99.6.12 | 498 | 00.4.9 | 桜花賞 | 490 | 00.10.15 | 秋華賞C | 502 |
| アグネスタキオン | 1998 | 牡 | 00.12.2 | 500 | 01.4.15 | 皐月賞 | 492 | 01.4.15 | 皐月賞@ | 492 |
| ビリーヴ | 1998 | 牝 | 00.11.11 | 454 | 03.3.30 | 高松宮記念 | 472 | 03.10.5 | スプリンターズSA | 476 |
| マンハッタンカフェ | 1998 | 牡 | 01.1.29 | 498 | 01.12.23 | 有馬記念 | 504 | 02.10.6 | 凱旋門賞L | ? |
| メジロベイリー | 1998 | 牡 | 00.9.2 | 480 | 00.12.10 | 朝日杯3歳S | 486 | 02.3.9 | 大阪城SC | 500 |
| ゴールドアリュール | 1999 | 牡 | 01.11.11 | 508 | 02.9.23 | ダービーGP | 491 | 03.6.25 | 帝王賞J | 510 |
| デュランダル | 1999 | 牡 | 01.12.8 | 452 | 04.11.21 | マイルChp. | 452 | 05.11.20 | マイルChp.G | 460 |
| アドマイヤグルーヴ | 2000 | 牝 | 02.11.10 | 466 | 04.11.14 | エリザベス女王杯 | 464 | 05.12.18 | 阪神牝馬S@ | 478 |
| オレハマッテルゼ | 2000 | 牡 | 03.5.25 | 488 | 06.3.26 | 高松宮記念 | 470 | |||
| スティルインラブ | 2000 | 牝 | 02.11.30 | 452 | 03.5.25 | オークス | 442 | 05.10.16 | 府中牝馬SP | 456 |
| ゼンノロブロイ | 2000 | 牡 | 03.2.9 | 504 | 04.11.28 | ジャパンC | 502 | 05.12.25 | 有馬記念G | 520 |
| ネオユニヴァース | 2000 | 牡 | 02.11.9 | 494 | 03.6.1 | ダービー | 486 | 04.5.2 | 天皇賞春I | 500 |
| ピースオブワールド | 2000 | 牝 | 02.10.5 | 498 | 02.12.1 | 阪神JF | 492 | 04.3.13 | 中山牝馬SK | 490 |
| ヘヴンリーロマンス | 2000 | 牝 | 02.11.30 | 500 | 05.10.30 | 天皇賞秋 | 510 | 05.12.25 | 有馬記念E | 508 |
| スズカマンボ | 2001 | 牡 | 03.8.17 | 486 | 05.5.1 | 天皇賞春 | 484 | 06.4.2 | 大阪杯B | 490 |
| ダイワエルシエーロ | 2001 | 牝 | 03.12.28 | 432 | 04.5.23 | オークス | 430 | 05.7.10 | マーメイドS@ | 442 |
| ダイワメジャー | 2001 | 牡 | 03.12.28 | 546 | 06.11.19 | マイルChp. | 526 | |||
| ダンスインザムード | 2001 | 牝 | 03.12.20 | 452 | 06.5.14 | ヴィクトリアM | 470 | |||
| ハーツクライ | 2001 | 牡 | 04.1.5 | 492 | 05.12.25 | 有馬記念 | 498 | 06.11.26 | ジャパンCI | 500 |
| ハットトリック | 2001 | 牡 | 04.5.8 | 496 | 05.12.11 | 香港マイル | 494 | |||
| エアメサイア | 2002 | 牝 | 04.11.21 | 476 | 05.10.16 | 秋華賞 | 468 | |||
| ショウナンパントル | 2002 | 牝 | 04.7.24 | 436 | 04.12.5 | 阪神JF | 446 | |||
| ディープインパクト | 2002 | 牡 | 04.12.09 | 452 | 06.11.26 | ジャパンC | 436 | 06.12.24 | 有馬記念 | ? |
| フサイチパンドラ | 2003 | 牝 | 05.11.12 | 494 | 06.11.12 | エリザベス女王杯 | 502 | |||
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相手探し。その筆頭にスウィフトカレント。サンデーサイレンス産駒の勝ち馬はマンハッタンカフェ、ゼンノロブロイ、ハーツクライと近い年の3頭しかいないが、昨年は1〜3着を独占してみせ、残り少ないチャンスに猛攻をかけているような印象もある。母は安田記念のアサクサデンエンを生んだ名牝。現役時には12FのG3ジョンポーターSと、2700mのG2ポモーヌ賞に勝ち、G1ではヨークシャーオークス2着と愛セントレジャー3着のあるステイヤー。特にポモーヌ賞の歴代勝ち馬には繁殖牝馬として成功するものが多く、20世紀最後の名馬ドバイミレニアムの母コロラドダンサー、BCターフ勝ち馬フレイズの母ザラタイア、ワンダーホース・アラジの祖母ファビュルージェーンらの名前を挙げることができる。母の父はミスタープロスペクター系としてはあらゆる場面に対応できる柔軟性を備えたマキアヴェリアンで、祖母の父にはディープインパクトがバステッドを持つ代わりにその息子バスティノが入った。母が欧州型のスタミナ豊富な血統ということではマンハッタンカフェやハーツクライに通じ、母の父がミスタープロスペクターという点ではゼンノロブロイと同じ。 ダイワメジャーは宝塚記念でディープインパクトから1秒1も離された。この秋の活躍でその差をいくらかは縮められたとはいえ、埋めるところまではいっていないだろう。サンデーサイレンス×ノーザンテーストの配合はデュランダルやアドマイヤマックスと同じで、秋華賞馬エアメサイアもいるとはいえ、実績が短い距離にあるのは確か。しかも祖母の父はアメリカのかなり頑固なスプリント血脈クリムゾンサタン。ただ、“スカーレット一族”の近親ヴァーミリアン(母がSS×ノーザンテースト×クリムゾンサタンという同じ配合)は長距離をよくこなし、20日にも2500mの名古屋GPを圧勝している。勢いのある血脈というのは少しずつ既成の枠をはみ出して勢力を伸ばしていくものなので、ここはむしろ血統からくる距離の壁を崩す可能性の方に期待しておきたい。 ここ10年で印象に残る大穴といえばアメリカンボス、タップダンスシチーの2頭。ともに力任せに押すアメリカン・ステイヤーだった。トウショウナイトはアメリカンボスの父キングマンボと同じく父系がミスタープロスペクターで、特にウッドマンの系統は当たれば場外ホームランが飛び出す(三振もあるが)。その母フォールアスペンは前出ドバイミレニアムをはじめ多くの名馬の祖となった名牝。母はタップダンスシチー同様にリボー系とノーザンダンサーのミックス。祖母は米G1トップフライトHに勝ち、3代母の産駒に大種牡馬ストームバード、曾孫に仏2000ギニーのグリーンチューンがいる名門。リボー系の母の父はトラヴァーズSの勝ち馬。パーツはそれぞれ名牝と名馬ばかりで、超高級食材を惜しげもなくちゃんこ鍋にしたような趣。そういった豪快さが、ディープ引退戦の予定調和を悪気なく崩してしまうような気もする。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2006.12.24
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