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表は先日発表されたばかりの最新世界ランキング。これには凱旋門賞をはじめとする秋の大レースの結果が反映されている。ちょっと大きすぎるので省略も考えたが、このあとエリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ、ジャパンC、JCダートに遠征してきそうな名前もあるので、そのまま全部載せました。さて、トップには127で4頭が並んだ。50音順でジョージワシントンは英G1クイーンエリザベスII世S、ベルナルディーニは米G1ジョッキークラブゴールドC(および米G1トラヴァーズS)、ラヴァマンは米G2グッドウッドBCH、レイルリンクは凱旋門賞のパフォーマンスによる。上位の最終的な優劣は来月のブリーダーズCシリーズまでお預けとなった。ディープインパクトの凱旋門賞3位入線は宝塚記念1着と同等、ハリケーンラン、シロッコは凡走とみなされ、近年最強とされた凱旋門賞は一昨年のバゴより1ポイント上、02年のマリエンバードと同じで、終わってみればやや不作といったところに落ち着いた。ディープインパクトの件、シロッコの引退も合わせて一抹の淋しさが漂う評価といえよう。 そんな中で秘かに躍進を遂げたのが牝馬のプライド。123にセックスアローワンスの4を足すと127でトップに並ぶ。凱旋門賞の負担重量は通常より0.5Kg=1ポイント牝馬に損な設定になっているので、レイルリンクにクビ差負けたがレーティングは同じとなったわけだ。プライドは97年の凱旋門賞をレコードで勝ったパントレセレブルの産駒。凱旋門賞の直後にも英チャンピオンSを圧勝して、そこでも3着に沈んだハリケーンランとは対照的な元気さを示している。パントレセレブルには、これまでに独ダービーのダイジンをはじめ独伊米豪港南アの6つの国(と地域)のG1勝ち馬がいるが、英仏でG1勝ちを果たしたのはこれが初めて。ようやく現役時代の強さに見合う代表産駒を得た。こういったパワフルだが重くて硬い、いわゆるマッチョ型種牡馬は、牝馬の繊細さや柔軟性によって欠点が消されるケースがある。プライドはその典型的な例なのではないだろうか。 エンドスウィープはフォーティナイナー〜ミスタープロスペクターと遡る父系で、見た目には米国的マッチョの典型であるレイズアネイティヴに先祖帰りしたようにも思える。日本では01年に単年度供用されたパントレセレブルの産駒(現4歳)からまだオープン馬の出現を見ないように、重く硬いのは好結果がなかなかでない。出るとすれば牝馬であろうという推論は、エンドスウィープの芝での大レースの勝ち馬がスイープトウショウとラインクラフトの2頭であることから考えても大まかなところでは当たっていると思う。◎スイープトウショウは母の父も欧州型の重厚さを伝えるダンシングブレーヴ。この父系もキョウエイマーチ、テイエムオーシャンから孫のカワカミプリンセスまで、日本では牝馬に成功例が多い。したがって、仮にスイープトウショウが牡馬なら、エンジンとしてはより強力な馬力を誇ったかもしれないが、それをロスなくスピードに変換できたかどうかには疑問が残る。牝馬だからこそ男勝りの活躍ができるということですね。 ○コスモバルクは今回の出走馬ではディープインパクトに最も近付いた実績を持つ。母がテスコボーイの2×4をはじめプリンスリーギフト血脈を3本持つのでシンガポールでの実績通りこの距離が向くのは間違いないし、父系のヌレエフや母のテスコボーイなどに潜むハイペリオン血脈の濃さからも、長期間にわたって能力維持が可能と考えられる。 ホワイトウォーターアフェアは2700mの仏G2ポモーヌ賞勝ち。バスティノ産駒の祖母に欧州型ミスタープロスペクターの代表マキアヴェリアンが入った近代的ステイヤーといえる。今回は産駒2頭が兄弟出走を果たした。△アサクサデンエンが条件級から半年でG1の頂点に立ったように、晩成だが勢いに乗ると止まらないのがこの血統。一発の魅力は、そうした勢いを加速する働きのあるサンデーサイレンス産駒の弟▲スウィフトカレントがより鮮明。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2006.10.29
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