■中京11R・チャンピオンズC■

 ダート転向後6戦全勝のアウォーディーは、父が日本ダービーとジャパンCを同一年度に制した史上唯一の馬であるジャングルポケットで、母がグレード制導入以降の33年で3頭しかいない牝の天皇賞馬ヘヴンリーロマンスという血統。現実に目黒記念4着、青葉賞5着と、東京コースの芝重賞にあと一歩という線まで行っていた馬である。5歳秋を迎えてのコンバートが満を持してのものだったのか、窮余の一手だったのは定かでないのだが、いずれにせよ、父も母の父も芝コースのG1馬という血統だからこそ、旧来の国産ダート王の枠組みを超越した高みに上り詰める可能性があるともいえる。まだまだ底は見せないだろう。
 この兄アウォーディーとの初顔合わせとなるラニは日本調教馬として初めてUAEダービーを制し、米3冠最終戦のベルモントS3着と、兄に先駆けて国際舞台で画期的な実績を残した。兄のダート適性はある意味で偶然の産物に近いのだが、こちらは生産段階から北米最上級の大物タピットを配され、母のヘヴンリーロマンス、というよりもその父サンデーサイレンスの米チャンピオンホースとしての“本性”を引き出すことに成功した形。荒ぶる気性のルーツも恐らく偉大な母の父にある。このタイプは相手が強くなるほど闘争心に火がつく。G1ステージで実現した何とも壮大な“兄弟ゲンカ”が素質全開のトリガーになるとみた。ワンツーが大本線だが、単の狙いはこちらが妙味。

◎ラニ  ○アウォーディー  ▲アスカノロマン  ☆ロワジャルダン  △ノンコノユメ  △ゴールドドリーム

「スポニチ平成28年12月04日付け掲載」

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