■東京10R・ダービー■

 恐るべき“破壊力”を誇示したドゥラメンテ、正攻法で勝ちに行ったリアルスティール…それぞれが皐月賞史上屈指の優勝馬であり2着馬であることは間違いない。前者は日本競馬史上唯一の「母も祖母も3代母もG1級勝ち馬」というG1馬で、後者は欧州競馬史に残るマイルの女傑ミエスクの曾孫にしてキズナなど3頭のG1馬と同配合。甲乙つけ難いエリート血統なのだが、実はその良血度がダービーにおける最大の不安材料でもある。
 ドゥラメンテは週中の特集でも触れた「母の父サンデーサイレンス」のダービー受難史。リアルスティールの方は逆説的ながら2年前のダービー馬と同配合であることで、グレード制導入以降、父と母の父が共通するダービー馬は1頭もいない。ことダービーでは、血統の一極集中を避ける“神の見えざる手”が発動するように思えるのである。
 本命サトノクラウンは、91年の英ダービー2着馬である父マルジュ23歳時の種付けというタイムスリップ的な血統の持ち込み馬。3大種牡馬全盛期のフサイチコンコルド(96年)、サンデーサイレンス独裁時代のキングカメハメハ(04年)、SS後継の持ち回りを阻止したエイシンフラッシュ(10年)と、周期的にダービー血統のガス抜きを担ってきたのは、ある意味で“血統的福袋”ともいえる持ち込み馬ならではのサプライズ属性だ。大穴は父も母の父もジャパンC優勝馬のミュゼエイリアン、ジャパンC2着の同族デニムアンドルビーと構成血脈も酷似するタガノエスプレッソ。

◎サトノクラウン  ○ドゥラメンテ  ▲リアルスティール  ☆ミュゼエイリアン  △タガノエスプレッソ

「スポニチ平成27年5月31日付け掲載」

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