■東京11R・ダービー■過去15世代にわたって2400m以上の重賞未勝利という種牡馬フジキセキの実績から、皐月賞馬イスラボニータの距離適性を疑問視するのは当然。コジーン×クラフティプロスペクターという母の血統構成も、スタミナ面の劣勢を押し返す要素に乏しい。となると、2冠達成は厳しいというのが常識的な血統予想だろうが、一方でイスラボーニータは既に、クラシック未勝利というフジキセキ産駒の常識を覆しているのも事実。このタイプは、どこまでもデータの斜め上を行くものでもある。言ってみればイスラボニータは、“幻の3冠馬”が最後の最後にリリースした究極のセルフカバー。競走馬としてのフジキセキがダービーディスタンスに音を上げたとは到底思えない。出走馬の過半数がダービー馬の子という今年は、史上最も“血中濃度”の高いダービー。出走がかなわなかった現役時の悔恨に決着をつけるには、これ以上ない舞台設定だ。逆転があれば別路線組だろう。父子2代の青葉賞制覇で出走権を手に入れたショウナンラグーンは、並べば抜かせないイスラボニータにとって最も怖い直線強襲型。父シンボリクリスエスは、青葉賞から駒を進めた02年にタニノギムレットの末脚に屈し、母の父マンハッタンカフェは体調下降で断念、祖母の父メジロライアンも90年の2着馬と、こちらもダービーには相応のコンプレックスを残す血脈の集合体といえる。祖母のメジロドーベルは、2歳時から5歳時まで4年連続でJRA賞を受賞した歴史的名牝。G1・5勝の中でも特に強烈な印象を残しているのが、馬群を割って突き抜けた97年のオークスだ。ハープスターはあと一歩及ばなかったが、1週遅れで“オークス馬の孫”の直線一気が決まるシーンも想定しておきたい。 最も信頼度の高いダービー血脈であるディープインパクト産駒からは、母系が東京G1仕様のトーセンスターダムをピックアップ。マイネルフロストは父がディープインパクトの全兄ブラックタイドで、こちらも特異なダービー適性を示す可能性がある。紅一点のレッドリヴェールは、7分の6という父ステイゴールドのダービー入着率が買い材料。“2代制覇”には父キングカメハメハの鮮度が気になるトゥザワールドも連下には必要。 ◎ショウナンラグーン ○イスラボニータ ▲マイネルフロスト ☆トーセンスターダム ☆レッドリヴェール ☆トゥザワールド |
「スポニチ平成26年6月1日付け掲載」