■京都11R・エリザベス女王杯■

 87年のエリザベス女王杯優勝馬タレンティドガールが13日、老衰のために安楽死処分となった。火曜付けコラムで触れたばかりだったので何とも複雑な心境だが、マックスビューティの牝馬3冠を阻止した差し脚に“箱入り娘の買い時”を思い知らされた馬である。生産部門での資産価値が見込めるクラスの良血牝馬の場合、育成段階からの時間的な制約が緩い。2歳戦、あるいはクラシック以上に、3歳秋にブランド血統が幅を利かす傾向にあるのも、おそらくはそのあたりに起因しているのだろう。
 ポルトフィーノは03年、04年と、エリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴの妹。牝馬3冠でスティルインラヴの後塵を拝していた姉が初めて宿敵に一矢報いたのは、古馬を交えたこのレースだった。母のエアグルーヴは96年のオークス馬にして、天皇賞・秋を制した97年には年度代表馬に輝いた名牝。つまりポルトフィーノは「G1馬の妹」であると同時に「G1馬の娘」でもある。ここは究極の良血開花の可能性に懸けてみたい。鞍上は母、姉、そして父クロフネの主戦でもあった。この血統の処方は熟知しているはずだ。
 2年越しの“取り直し”で戴冠を狙うカワカミプリンセスは復元力に富むダンシングブレーヴ父系。スイッチが入れば再び連勝モード突入もありえる。“京都の鬼”ナリタトップロード産駒ベッラレイアは良馬場前提。“雨のフレンチデピュティ産駒”レジネッタは、欧州勢ともども馬場が渋ると怖い。

◎ポルトフィーノ  ○カワカミプリンセス  ▲ベッラレイア  ☆レジネッタ  △フェアブリーズ  △トレラピッド

「スポニチ平成20年11月16日付け掲載」

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