■東京11R・フェブラリーS■

 例えばサイレンススズカの金鯱賞、グラスワンダーの朝日杯3歳Sなど、名馬の評価を決定づけるパフォーマンスは、必ずしも最も格の高いレースで演じられるとは限らない。サンデーサイレンス初年度産駒きっての優等生として無傷のV3で2歳王者となったフジキセキも、本当の凄みを見せたのは結果的にラストランとなった弥生賞だったと思っている。先行策から直線中ほどで失速したかのように見えながら、ホッカイルソーに馬体を合わされると鞍上のムチ一発で楽に突き放して2馬身半差。規格外の二枚腰に底知れないスケールを感じたものだ。
 東京11R・フェブラリーSのカネヒキリは、有能なアベレージヒッターとして定着していた種牡馬フジキセキが、現役時そのままの“2段噴射”で送り出した超大物。近代3冠の名馬にして大種牡馬でもあったミルリーフの同族という父に潜在する長打力が、キャリアを積み重ねてようやく覚醒したものと考えられる。ミルリーフといえばこの国のダートサイヤーのパイオニアともいえるミルジョージの父でもある。種牡馬フジキセキのダート適性は、その牝系に源泉を求めることも可能だろう。
 カネヒキリは母の父デピュティミニスター、祖母の父ミスタープロスペクターと、母系に2代続けて北米チャンピオンサイヤーが配されている。世界水準のダート血統といっていい。ここは国際舞台へのジャンピングボードだ。

◎カネヒキリ  ○ユートピア  ▲ブルーコンコルド  ☆タイムパラドックス  △ヴァーミリアン  △シーキングザダイヤ

「スポニチ平成18年2月19日付け掲載」

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