血統吉凶
■東京11R・安田記念■
香港から参戦した3頭はいずれも去勢馬。これは何も今回に限ったことではなく、00年の優勝馬フェアリーキングプローンも98年2着のオリエンタルエクスプレスも99年のジャパンC2着で大穴をあけたインディジェナスもみんなそうだった。なぜかといえば答えは簡単。香港では競走馬の生産が行われていないためで、いかなる名馬にもまず種牡馬としての未来はない。競走馬としてのコストパフォーマンスが最優先されるからには、セリ市場でも重視されるのはあくまで個体そのもので、ピカピカの良血馬というのはむしろ敬遠される。見方を変えるなら欧米の生産大国から放出された凡庸な血脈の中から、去勢という奥の手で大化けする“お宝”を掘り出す血統鑑定眼?こそ香港競馬の生命線ともいえるだろう。
サイレントウィットネスの父エルモキシーはアメリカの下級条件で6勝しただけ三流競走馬で、父がベルモントS勝ち馬コンキスタドールシエロで母が大種牡馬ノーザンダンサーの妹という血統的可能性だけをよりどころに種牡馬となった馬。母系も5代母の孫までさかのぼってようやくニュージーランドダービー馬に行き当たるという貧弱なものだ。常識的には高評価を与えにくいのだが、B級血統の超一流馬には一種独特の底知れなさがあるのも事実。恐らく最強スプリンターの域に止まらないであろう“香港版ミホノブルボン”の逃走劇をしっかり目に焼き付けておきたい。
◎サイレントウィットネス
○ローエングリン
▲ダンスインザムード
☆ダイワメジャー
△ブリッシュラック
△ボウマンズクロッシング
△カンパニー
「スポニチ平成17年6月5日付け掲載」
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