特集:少子高齢化・人口減少と日本の将来 〜中央大学教授 大淵 寛 氏〜 じゅん刊「世界と日本」から抜粋 --------------- 人口学研究会会長、人口問題研究所評価委員、日本人口学会前会長 ----------------------------------------------------------- ・2100年6400万人・・人口問題研究所 ・人口は・・一旦上昇が始まると出生率、死亡率が多少変化しても増え・・減少が始まると出生率が上昇しても、すぐ増加には転じない。 ・出生率が上がると、すぐに人口が増加し始めるという人がいるが、とんでもない誤解である。 ・高齢化は、平均寿命の伸長でおこると考える人が多いが、真の原因は出生率の低下である。 ・少子化という言葉が曖昧。人口学的な定義は・・出生率が人口置換水準(現在の日本では2.07)を相当期間下回る状況をいう。 ・少子化が始まって既に30年。人口が増えてきたのは、先述の人口の惰性による。 ・少子化状態が続けば、人口減少は絶対に停止しない。 ・少子化の主因は、女性の晩婚化・・晩産化、結婚離れ、家庭の少子化 ・子どもなどターゲット市場が小さくなる。消費市場(一人当たり消費×人口)が縮む。これらは企業の投資意欲を殺ぐ。 ・団塊世代が高齢者となると、シルバー市場は現在の2倍以上に膨らむ。 ・労働力の減少が始まる。 ・少子化不況の時代が始まる。需給バランスが崩れ・・有効需要不足が基調となる。 ------------- ・地域の過疎とは・・人口減少に伴って、教育、医療、交通、防災などの基礎的住民サービスが不足し、生活水準が下る状況をいう。 ・地域集落が消滅する。(その過程で)地域の伝統文化が失われ、自然災害への抵抗力も弱くなる。 ・経済活動の縮小は、財政悪化を招き住民サービスも低下していく。 ・現代日本の経済社会システムはすべて、明治以降の近代化過程あるいは高度成長期につくられたもの。人口減少時代に適合したシステムへの構造転換が必要である。 ・ITは、必須のインフラである。前述の適したシステムづくりのために、一層推進を図っていく必要がある。 ・国連は・・日本は生産年齢人口補充には年60万人の移民(補充移民という)が必要と論じた。計3000万人は果たして現実的なのか。 -------日本人口消滅のシナリオ ・出生率1.3とが変わらなければ、31世紀になると間もなく最後の一人もいなくなる。 ・それが1.7となったとしても、減少の速度がわずかに落ちるだけで基調は変わらない。 ・途中で、置換水準を大きく上回っても、増加に転じるには数10年かかる。 ・少子化社会というものは持続可能な社会ではない。絶滅危惧種に成り果てる。 ・少子化社会は持続可能な社会ではない。それには、まず出生率を置換水準まで回復することである。 ・少子化対策(エンゼルプラン)に確固たる理念なし。今後は、置換水準を回復するという数値目標を明示することが必要。 ・目標とすべきは、持続可能な経済成長であり、定常的な静止人口をもつ社会である。