■全国過疎先端地の「困ることカード」のまとめ・・一部紹介!  平成8年2月 産業と市民生活の将来を考える事業実行委員会(両津商工会内)  【まとめ部分】  全国の過疎高齢社会で何が起きているのだろうか。「過疎高齢社会で困ることは何ですか?」といった問いによる 、通称「困ることカード」を書いてもらって、そのイメージを浮き彫りにしてみた。  それによると、まず目についたのが、人口の多少にかかわらず、減少している地域では同じような事柄が出てきて いることであった。人口が減少する過程で、少しずつ、そしていつまでも産業や生活に不都合なことが起きる状況で ある。 ----------  困ることカードをストーリーをつけてみると、若者が流出し、家庭、企業、産業、地域などでは高齢者が現役とな る。この「肉体的衰え」「精神的衰え」を抱える中で起きる不安、危険そして無気力さ。また、人のそものが少なく なることからおきる一部の人への過重な「社会的役割」の期待と負担。さらに、独居老人や被介護者の増加に追いつ かない「衣料・福祉サービス」などの現象が出ていた。  一方では、交通体系の整備など行動範囲が広がり便利さが増す中で、行動範囲の狭い老齢者にとっては、近くでし か用が足せ稲「不便」さがある。そして、就業者の高齢化や若年労働力の減少は、企業の活力低下と将来への不安を 増長させ、Uターン者などにとって、働きたくなる「職」を一層減少させている。また地域では、観光開発などの名 のもとに、景観、ゴミ、保全林など「自然や環境」への問題も出てきていた。  以上の現象の中で、「過疎」後は、伝統行事の継承やイベントの縮小など、寂しさを感じるほどの活力低下が出て いる。限りない縮小サイクルへと歩み出しているといえよう。このような地域では、田舎の良さをあげ、イメージア ップを試みても、地域の将来の可能性と、充実した生活スタイルを具体的に示さなければ人は住まない。さらに、地 域づくり専門家の話をいくら聞いても、問題意識をもち、本気で取り組む「意識改革」がなければ、何事も達成しな い。これには、子どものときからの「教育」と、自分から何かを起こせるリーダー的人材の育成が大切ではなかろう か。 ------------  全国の過疎先端地で起きている事柄を見ると、過疎は人の身体を少しずつつ蝕む病気のようなものである。人々の 減少は、急激には進まないため、目に見えにくく危機感が希薄となる。しかし、間違いなく将来の発展性や可能性を 狭めている。私たちは、そうしながら地域を子ども達に引き継ごうとしている。  私達に、今必要なのは、まず問題の重さを認識である。風邪のように日常生活をおくりながら、気をつけていれば 治るものではない。むしろ癌のように生命に影響を及ぼすものであると考えると、何をおいても優先して入院し、集 中治療が必要なはずだ。  私達は、各地域が既に検討している集中計画を、段階的目標を掲げたうえで、集中的、重点的に実行しなければな らない。そして結果の効果分析である。効果の分析がなければ、次の治療計画へとは移りようがない。従来の過疎対 策は、実行したことは掲げるが、目的に対してどれだけの成果があり、後どれだけの努力があれば必要十分条件とな る、そのような観点からのものは少ないようだ。  今出発点に立ち戻ってのアプローチが改めてクローズされる。