技術立国日本はどこへ?

先日、新聞にこんな記事が載っていた。

今年理系大学にに進学した学生を対象に、中学〜高校1年レベルの数学のテストを実施した結果、知識レベルが大幅ダウン。
難関国立大学正解率90%、難関私立大学正解率70%、平均的私立大学正解率40%。

あな恐ろしや。受験が終わってまだ4ヶ月しかたっていないのにこの低い正解率。具体的な大学名を書いていないが、暗に東大レベルの学生でも90%、早稲田、慶応クラスでも70%の正解率といっているようなものだ。なぜこんなに数学ができないんだ?

理由その一
数学を受験しなくても理系の学部にいける。

最近の受験科目は複雑化しているのでよくわからないが、数学を受けなくても理学部や工学部にいけるらしい。数学、物理が基本になる理学部に、なぜ数学の受験科目がないの?必須にしなきゃダメでしょ。国語や世界史が得意な人が理学部に入ったって、単位も取れずに中退してしまうって。明らかに間違ってるよ。

理由その二
完全週休2日制への移行。

たぶん受験生の負担を軽くしようしているのだろう。その根本は、今までの日本式詰め込み学習からアメリカ式教育、つまり自分で考え、自由な発想のもとで伸び伸びと学んでもらおうという意図があるはず。建前上はすばらしい。理想の教育法だ。しかし今の日本に合っているか?答えはノーだと思う。
人は誰でも楽な方に進みたがる。週休2日になり授業時間が減れば、余った時間を自主学習に使おうと考えている人はどれほどいるだろうか?今の高校生は、放課後はバイト、休日はその稼ぎで遊ぶという人が多いんじゃないかな?いや、自分たちが高校生のときよりも多いはず。金に困らず、遊ぶ時間が多い。しかもコンビニをはじめとしたバイト先に困らず、そこでクビにされてもまたすぐにバイト先が決まる。だから先週のリトルスターのバイト達のように、適当に仕事をしてもすぐに別へ移ることができるから、仕事に対する責任感が全く無いのだろう。

日本が良かれと思ってしている教育改革が裏目に出ているとしか思えない。

「NHK世紀を越えて」という番組が技術革新の章に入った。「プロジェクトX」も新章にはいる。遡れば「電子立国日本の自叙伝」という番組もあり、日本人技術者を本当に誇りに思えた。しかし次世代の日本を背負う技術者には不安が付きまとう。数学、物理、化学がわからない学生が一流の技術者になり得ない。さらにものごとを自分で判断したり、なぜだろう、どうやったら良くなるだろうと考えず、マニュアルどおりのことしかできない人が急増しているような気がする。

OKABEの得意としているバス釣りにしても、どこのポイントが釣れるかとか、このルアーが釣れるとかいう情報誌、つまりマニュアルがたくさんあるが、マニュアルのポイントで釣れなかったり、マニュアルのルアーで釣れなかったりするともうお手上げという人が多い。なぜもう一歩進んで、どうしてなんだろう、これが原因かな、だったらこうすれば良いんじゃないかなって考えないの?

日本の詰め込み教育はマニュアル教育かもしれない。高校や大学2年頃まではそうだろう。しかし一定のところまでレールを敷いて、自分がこんなことをしたいと考え始める中学以降、ある程度自分で進路の選択ができるシステムである。これに対し今の教育方針は、小学校からでも自分で考えて道を選びなさいという自主性主義だ。しかし小学生から自由にすると、学校での拘束力が弱くなり、その分親の教育が大きく影響する。

理由は様々あるが、今の日本にはアメリカ式教育は向いていないと思う。
日本式教育は「日本の文化に合った教育」と位置づけて、急激にアメリカナイズしてもらいたくない。

一技術者として、これからの日本が本当に心配だ。