講演・研修のまとめ (2007年7月30日)

7月までの充電期間に有意義な講演・研修が珍しく多くあり、5月12日から以下の5件の内容は関連性があったので、今回は私なりにまとめてみました。

  • 長野県社会福祉協議会主催の社会福祉基礎研修(5月12日松本市)
    内閣官房・内閣審議官の河幹夫氏の「これからの社会福祉の視点と展望」
    講演後に、富山の「にぎやか」理事長阪井由佳子氏、恵仁会の竹重俊文氏、「ながのこどもの城いきいきプロジェクト」の寺沢小百合氏のシンポジウム
  • 長野県社会福祉士会主催の平成19年度第1回公開講座(5月12日佐久市)
    長野県社会福祉士会が社団法人化されるにあたっての、前述の河幹夫氏の記念講演「社会福祉士(会)への期待」、つまり私は1日河氏の追っかけをしたわけです。
  • ハートライン松本主催で「地域生活支援センターあさやけ」の伊藤喜尚氏による、あさやけ共同作業所の実践から、「誰でも暮らしやすい地域づくりをめざして」(5月13日松本市)
  • 長野県セルプセンター協議会主催、(社団)滋賀県社会就労事業振興センター細川隆司氏の「工賃ステップアップセミナー」(5月31日長野市)
  • SOHO未来塾主催、「障害者のテレワーク、サイトチェッカーの就労支援を考える」
    総務省の横田一磨氏、厚生労働省の箕輪優子氏、(株)ライブドアの高橋誠氏、SOHO未来塾の唐澤正明氏の各講演,その後のパネルデスカッション(6月30日松本市)

私なりのまとめ

  1. 税金とは

    人間が人間らしく生きるには経済的な自立が必要であり、それがかなわない人には税金(納税)と福祉制度という仕組みが黒子として機能しており、福祉サービス事業者・サービスの利用者に「お金」として支払われています。問題はその実践をする関係者・利用者が、国民の税金・寄付を「実践者のためでなく、利用者のためになるように使っているか?」、納税者等に制度の良さを見せなければ制度の理解が進まず、税金・保険料等の支払に難色を示すでしょう。さらに、社会保障給付の形態として現金給付、社会サービスの給付そして財源論が絡み合い、質に見合ったものかどうなのか、利用者・提供者・国民の合意が必要です。当然福祉サービス論が活発となり、サービスの選択と市場の形成が創出されます。この部分が最も懸念する「第三者評価の普及後の問題点」と私は考えます。地域福祉の発展のための、福祉という少しばかりの心配りと手助けは、保存することができず、配達することもできないので、自給自足が原則です。利用者の信頼を得て、この福祉の実践者が誇りを持ち、地域の広範囲なネットワークを構築していくことが地域福祉の発展に役立つものと確信しました。

  2. 社会福祉士とは

    このネットワークの中で重要な役割を担うのが、地域の社会福祉士であると以前より思っています。本来社会福祉士は、「足りないサービスを作り出す(コーディネートする)」事が職務と私は考えています。しかしながら多くの社会福祉士は、本来業務から離れているのではないか?理由は簡単です。実践者としての報酬が期待できない制度にあるからです。早急に、審議中の「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正が必要です。同時に介護現場のスタッフの処遇改善も検討しなければならないと思います。

  3. 障がい者の自立とは

    県内各地にグループホームができ、障がい者が地域に移行しています。しかし、戸惑いや寂しさのために生活パターンが「自宅→学校・福祉的就労施設」の線のままではないでしょうか?コーディネーターがとぎれのないフォローをする事によって、生活拠点を加えた面へと活動範囲を広げることが可能です。さらに成年後見と生活支援双方のチーム支援が求められます。地域に暮らしていて、健常者と同じように一緒に働き、遊ぶことができるのが本来のノーマライゼーションの姿ではないでしょうか?引きこもりの障がい者を生み出す可能性のある現状には不満を感じます。

  4. 福祉的就労施設の自立とは

    憲法27条1項では、「全ての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」となっています。人間はある程度の年になれば働くことが当たり前だ(ノーマライゼーション)という事です。収入を得て個人の人生設計を可能にし、社会的役割を理解してこそ自己実現が図れるものと思います。多くの訪問させていただいた福祉的就労施設において、「何故なんだ?どうして?」ということが多すぎる現状を考えると、原因の多くは、組織の発足当時からの経緯もあり一概には言えませんが、保護者の意識の問題があります。必要なのは「自立支援法に対応できる組織の改革と、保護者・スタッフの意識改革」です。

  5. 納税者になり、社会の一員となり得る障がい者とは

    自立支援法の施行により、障害者雇用促進法の実現が目前に迫っている今、福祉的就労施設は街中に作ることも必要です。そして働ける障がい者も納税者となり援助する側になる等、「福祉に発想の転換」が必要と思います。
    少しでも多くの障がい者が、サービスの受け手から支援者(納税者)へ移行する事により、「生きている証が目に見える」ようにすることです。つまり、軽度の障がい者自身の実践です。

3ヶ月間で14件の勉強をさせていただいたわけですが、この5件と後日掲載する3件は特に内容が良く、各主催者が連携して開催すれば、更に福祉の広がりを強めるのではないかと思います。

福祉現場の今後のキーワードは、税金のサイクル化・社会福祉士・組織の自立・異業種とのネットワークではないでしょうか?

「愛される事より愛する事を望む」というのが、ぐうたらクリスチャンの私の福祉に懸ける基本姿勢です。

有限会社 エフワイエル
代表 五反田 徹