高断熱住宅と言われ始めたのは1970年位からですが、建築工法や断熱部材の進歩など本当の意味での高断熱住宅が
確立されたのは1980年位で建築業者の経験と断熱部材メーカーの研究により年々進歩し続けています。
高断熱住宅と併記されるのは高気密住宅でこれらは密接な関係があります。気密性を高めることで断熱性が上がりますが
換気との兼ね合いがありこれは結露につながる問題で建築業者はこの3項目のバランスを考え合わせて施工します。
ハウスメーカーや各建築業者がそれぞれに経験とポリシーを持って北海道住宅の建築をし、お客様にさまざまなプレゼンで
アピールしていますがオーナー自身が知識を持ち建築業者の選定をしなければなりません。ある程度の知識を持っていれば
北海道基準の高断熱高気密住宅に住むことが出来ます。
断熱部材を列記すると断熱材、外壁材、断熱サッシ、断熱ドア、内装クロス、カーテン
etc いろいろありますが、その中でも
断熱性能に大きく関わる断熱材、断熱サッシ、外壁材、断熱ドアについて記述致します。
断熱材
一番多く使われている断熱材はグラスウールでガラスを繊維状にしたものです。その他に紙繊維のファイバー繊維断熱材や
現場発泡のウレタンフォームなどが代表的なものです。
1.グラスウール
昔からある断熱材で原理として硝子繊維がどうこうでなく発泡スチロールと同じく空気層をどれだけ持てるかと
いうことです。空気層が一番の断熱材であり1970年位は密度8s程度しかありませんでしたが、現在は
10、18、24sと豊富になり北海道では24sが多く使われています。この密度は大きければ大きいほど良い訳では
ありません。大きくなるほど空気層を保つ能力は上がるのですが空気と一緒に空気中の水分も繊維にからみ断熱層で凍結
することもあり、通気性との兼ね合いも考えなければなりません。また施工性も良く大工さんが施工します。
2.ファイバー繊維断熱材
1980年位に登場した断熱材で見た目は掃除機のゴミパックに溜まったホコリのようなものでグラスウールのように
かたまりになってないので当初、天井断熱に多く使われました。後にグラスウールも細かいチップにして天井断熱に
使用されています。ファイバー繊維断熱材の欠点は壁面には接着剤を混ぜて吹き込まなければならないので大工さんの
手には負えず専門業者の手を借りなければなりません。施工性に難点があると言えます。
3.ウレタンフォーム
これは建築現場で専門業者が発泡スチロールの液状体を作り外壁材と内装材の間、天井裏、床下にプレートを貼り付け
床材とそのプレートの間に液状発砲スチロールを注入し、施工後、数時間で固まります。(冷蔵庫の断熱性能に近い)
ファイバー繊維断熱材と同じく施工性に難点ありです。ということはコスト高になるとも言えます。
それぞれの特徴を充分認識し選定することです。
断熱ドア
断熱サッシ・外壁材
木造在来工法でのグラスウール断熱材施工(柱と同じ105_の厚さがあります。)
サッシのほとんどはペアガラスで樹脂サッシが主流です。
以前は耐久性の高いアルミが主流でしたが熱伝導の
大きさで結露の問題がありました。樹脂サッシも20年
以上前からありましたが夏の日差しによる変形など強度
の問題がありましたが年々改良されて問題を解決し今は
大きなシェアを占めています。
外壁材も色々ありますが、1番使用されているのは
木材のチップをセメントで固めた木質セメント板です。
工場で塗装されているものが多く、耐久性、断熱性や
施工性も良く一般的によく使用されています。
ドアの主流はアルミです。窓のサッシとは違いドアは
厚さがありますので3層構造になっています。
中にウレタンなどの断熱材をはさみ外気との熱伝導
を遮断しています。昔のアルミドアは断熱材が入って
いないために結露して玄関タイルを濡らす程でした。
右の写真のように最近では木製のドアも目立つように
なりました。木製ですから断熱性能には問題はないの
ですが塗装メンテナンスがやや難です。
〔FF式暖房機〕
〔490L灯油タンク〕
〔集合住宅の灯油タンク〕
〔サーモ付き放出タイプ〕
暖 房 時 期
各地域によって異なりますが平均的な時期としては10月下旬〜4月下旬までの6ヶ月間です。
秋も終わりの頃「昨日、暖房入れたよ」「朝だけストーブつけたよ」などの会話が会社内で交わされます。
道北の稚内方面や道東の根室、釧路方面では暖房を使用しないのは6月〜8月の3ヶ月間だけだそうです。
〔強制排出タイプ〕
〔サーモ付き放出タイプ〕
〔自然放出タイプ〕
パネルコンベクターはセントラルヒーティングやFF式暖房など熱供給機からモーターにより
送られた熱を放出する機器で自然放出タイプ、サーモ付き放出タイプ、フアンによる
強制排出タイプなど色々なタイプがあります。
パネルコンベクター
〔オイルサーバー〕
オイルサーバーとは灯油タンクより高いレベルの場所に灯油をくみ上げる機器です。
一戸建ての2階部分の灯油供給には必ず設置されています。
1階に燃焼機器があり、そこから全体に熱源供給されている場合は必要ありませんが
2階にボイラースペースを設けたり、2階に違うタイプの暖房機を設置している場合に
必要となります。一般的に2階納戸の天井近くなどじゃまにならない所に設置します。
2g程度貯蔵しフローターにより自動的に給油します。
灯油タンクは18L〜950L までいろいろありますが490Lがほとんどです。950Lになると
法令上、擁壁などが必要となります。全道平均の一家族でひと冬の灯油消費量は1,888Lだそうです。
490Lタンク(通称:ヨンキュータンク)でほぼ4回給油する計算になります。
〔1,888L ×42円(平均)=79,296円〕かかる計算になります。
北海道などでは寒冷地手当という名目で10月末位に
会社から10万円前後の支給があります。(各会社規定により異なる)
アパートなどは室内に90Lタンク、高層マンションなどは
ガソリンスタンドのように地下タンクを備えるなど様々な形があります。
熱 源
暖房には石油、電気、ガス、石炭、薪 etc いろいろありますがメンテナンスやコスト、安全性など
トータル評価で石油がほとんどです。都市マンションなどは安全性、スペース問題などから
電気、ガス、灯油など
さまざまなエネルギーを使用し、また供給方法もさまざまです。郊外の農家などはコスト面から自宅敷地の山などから
木を切り出し薪ストーブを使用しているところもあります。
種 類
ストーブ −石油、電気、ガス、石炭(練炭、コークス)、薪など
蓄熱式暖房−電気
床暖房 −石油、電気
セントラル−石油、電気
(パネルコンベクター、循環送風)
方 式
燃焼機器の分類は下記のとおりです。
解放式────室内の空気を燃焼、排気ガスを室内に放出する
半密閉式───室内の空気を燃焼、排気ガスを室外に放出する
自然排気式(CF式) 強制排気式(FE式)
密閉式────屋外の空気を使って燃やし、排気を煙突で屋外に放出する
自然給排気式(BF式) 強制給排気式(FF式)
この中で一番ポピュラーなのは密閉FF式石油ヒーターです。
新築住宅の石油セントラルヒーティングやオール電化の蓄熱式暖房も
普及率が上がってきているようです。