おねてぃ聖地巡礼ツアーレポ
第7回 2002年12月21日(土)

この日の巡礼ほど、できることなら記憶から消してしまいたい、と思うものはない。
この日、私は雪道の本当の怖さを知ることになり、
この日以降、私の巡礼は悪天候と零度以下の気温との戦いになるのでした。

「どうせなら雪道を走ってみたい」
先週巡礼する際に、以前2度巡礼を共にした友人に声をかけた時、こう返事が返ってきた。
その時すでに、来週末の天気がどうやら荒れることが伝わっていて、
どうせ行くなら来週雪の時に行きたい、そう思ったのであろうか。

天気予報は当たった。
土曜日の朝、起きると雨が既に降っていた。おまけに寒い。
ネットで長野の天気を調べても、雪か曇のマークのみ。
でも、この時まだ私は長野を甘くみていた。
2週前、夜の雪道を走っでも、ノーマルタイヤでもなんとか行くことが出来た前例があったからだろう。
今回は友人の車。スノータイヤのうえ、4駆である。私の車とは雲泥の差である。
これなら問題ない。そう思っていた。
また、そんなに雪は降ってはいないだろう、という気持ちでいたからでもあった。

とにかく、予定通り友人の車で木崎湖へ向けて出発したのだった。
しかし、前回の雪中巡礼の時には内山峠で降り出した雪が、今日は下仁田の街中で既に降り出してきた。
「ちょっと雪が降り始めるのが早いなぁ。」
早くも不安が頭をよぎった。
峠にさしかかると、雪の降る量はさらに増してきた。これでは私の車ではもしかしたら無理かも。
それでもなんとか内山峠は突破。
でも、佐久の街中まで下りてきても、降る雪の量はほとんど変わらなかった。
「こりゃ、引き返したほうがいいかも。」
こう友人に声をかけたが、もうここまで来ちゃったんだから、てな感じで引き返すことはなかった。
既に長野は平地を走っていても、幹線道路でも、ノーマルタイヤじゃきつかっただろう。
それほど雪の量はものすごく、まさにボタ雪状態だった。

当然時間はあっという間に過ぎていった。
この調子だと、片道だけで5時間はかかるだろう。
もう、とにかく無事に着いて欲しい。それしかなかった。
しかし、悲劇は起こってしまった。

それは三才山の峠をなんとか突破した後だった。
この雪だから、松本トンネルを使ってR19に出ちゃうほうが安心だろうと思っていたのだが、
結局使わずにR143から県道を伝ってR19に出るいつものルートを選択したのが間違いだった。
スリップだった。
気付いた時にはもう遅く、車は道路脇のガードレールにぶつかったような衝撃を受けた。
すぐに車を停めて降りてみたのだが、以外にもボデーにはこれといった傷やへこみは見られなかった。
しかし、前輪左のホイールがけずられていた。
ぶつかったのはガードレールではなく、車止めのポールのようなものだったのだ。

ホイールの交換代だけでけっこういってしまう。
いや、ホイールだけで済めばいいが、もしほかの足回りまでいっちゃってたら。
気を取りなおして出発したが、どうやらハンドルから手を離すとセンターラインの方に行ってしまう様だった。
アライメントが狂ったな。
やはり、ホイールだけでは済みそうになかった。

そのあとは、さらに注意しながら歩をすすめ、出発から5時間もかかってようやく木崎湖に着いたのだった。
7週連続。
でも、それを喜ぶような心境ではなかった。
それでもとりあえず海ノ口駅に行こうとしたが、木崎湖トンネルを抜けたところで大大渋滞に巻き込まれてしまう。
まったく動かない。一体なにがあったのか。事故か?。
これではいつになっても海ノ口駅に着かないので、仕方なく湖の西側を周って渋滞を避けることにした。
すると、対向車の数が尋常ではなかった。
もしかしたら国道の反対車線の車が渋滞を避けるために、私達と同じ考えで抜け道としてここを通っているのか?。

やはりそうであった。海ノ口でR148に戻ったが、大町方面はまったく動かなかった。
どうやら稲尾〜海ノ口間でなにかあった模様。
それでも5分くらいすると、少しずつ動き出した。
なんとか海ノ口駅まで20mくらいまで来れたので、私が車を降りて反対車線を誘導して駅に車を入れた。

分厚い雪雲にに覆われた木崎湖は、どんよりとしていて暗く寂しかった。
ホームから見える山々には、霧がかかっていてますます雪国の様相を呈していた。
当然のことながら、海ノ口駅には誰もおらず、駅舎の灯りがよけい寂しさを増しているようだった。
ノートを観ると、今週は平日にも巡礼者の書きこみがあった。
この雪にもかかわらず、今日も一人書きこみがなされていた。
ノートに記帳をした私達は、そそくさと駅をあとにした。
稲尾方面はあいかわらず大渋滞だったため、来た道を戻ってみずほ桟橋を巡礼した。

そのあとは、もう帰るだけだった。
復路は何事もなく無事に帰宅できたのだが、永遠に忘れることのない巡礼になってしまった。

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