ダービーグランプリ観戦記


盛岡競馬場入口

2005年9月19日。私はダービーグランプリ(統一GI)を観戦するため、盛岡競馬場に行った。
今年の皐月賞をTVで観てから、競馬にすっかりハマってしまった私であるが、まだ生で競馬を観たことが一度もない。
いや3年ほど前に、廃止前の高崎競馬を観に行ったことがあるので、一度もないと言ったら嘘になるが、
まだ競馬にハマる前であったので、競馬場プレデビューとでもいったところか。
競馬にハマってから初めて競馬場に訪れるので、これがホントの競馬場デビューと言えるだろう。

その競馬場デビューが、JRAの中山でも府中でもない、地方競馬の盛岡ORO PARKというのは自分でも予想だにしなかった。
まさか盛岡まで競馬を観にいくことになるとは、考えもしなかったからだ。
ところが私にとってディープインパクトよりも好きかもしれないカネヒキリが、ジャパンダートダービーで統一GIを勝ったことで、
3歳ダート統一GI連覇をかけて出走するダービーグランプリを観に、盛岡に行ってみたいと思うようになった。

カネヒキリは、砂のディープインパクトと呼ばれている。
ディープインパクトと同じ馬主(金子真人氏)、同じ騎手(武豊)であったことが、そう呼ばれる要因であるが、
それだけでなく、過去ダートで勝ったレースが、ほとんど2着以下に大差をつけて勝つという、圧倒的な強さがディープとダブる。
私がカネヒキリに惹かれたのもまさにそこであった。
おまけに芝レースではまったくと言っていいほど走らないのに、ダートでは無敵の強さで連戦連勝。
その極端なダート適正が、より私を虜にしてしまった。

芝ではディープインパクトが、シンボリルドルフ以来となる史上二頭目の無敗の三冠馬に向けて突っ走っているが、
ダートではカネヒキリが、ひと足早くダート無敗で3歳統一GI連覇なるか。

9月19日。別の用事で青森まで行った帰り、13時10分発の無料バスに乗って盛岡駅を発った。
現在の盛岡競馬場は、駅からバスで30分ほどいった山の中にあった。
オーロ・パークという愛称で親しまれており、平成8年にオープンしたまだ新しい競馬場である。
また地方競馬唯一の、芝コースを有している競馬場としても有名であるそうな。

30分かけて盛岡競馬場に着いたのだが、始めてみる盛岡競馬場はとにかく大きかった。
「でっけ〜」
これが地方競馬かというくらい、施設が充実していた。建物もでかいし、コースは綺麗だし大きいし。
普段場外馬券を買いに行っている、廃止された高崎競馬場からしたら、なんか別世界ですよこれ。
これだけのいい施設がありながら、岩手競馬でさえも近年は赤字が続いているというのだから、地方競馬が深刻なのはうなずける。


入口に立て掛けてあった、ダービーグランプリの看板

入場料200円を払って中に入ると、
“演歌をアカペラで唄う”という6人の新ユニット「エンカペラG」の歌謡ショーの歌声がまず耳に入ってきた。
どうやらこのステージにて第8レース終了後に、ダービーグランプリの予想トークショー「勝ち馬大捜査線」をやるらしい。
せっかく来たのだから、観ておこうと思った。

スタンドの中に入ろうと歩いていくと、焼き鳥をはじめとした屋台が並んでいた。
入口付近には、近くのおばちゃんらが野菜を売っていて、かなり面食らってしまったが、
地域総出で競馬場を盛り上げようとしている雰囲気が感じられた。

スタンドの中に入ると、大きなモニターがあった。う〜ん、でかいね。これは非常に観やすい。
ここで座りながらパドックの映像を観て、馬券の検討をするのもいいかもと思った。
さすがに馬券場は高崎競馬とさして変わりなかったが。
その後パドックを観にいくと、途中あゆの塩焼きが売っていたので、うまそうだったので即座に食べてしまった(苦笑)。
パドックも綺麗だね。電光表示板で出走馬の状態もチェックできるし。

さていよいよコースを観にいった。いや〜、芝コースがあるので非常に綺麗ですね。しかも広い。
とにかく、圧倒されました。


正面には馬の像が

スタンドもでかかった


盛岡競馬場は、ホント綺麗でした

とりあえず競馬場がどんなもんかわかったので、今回の目当てであるダービーグランプリの馬券をもう買っておくことにした。
青森からの電車の中で、どの馬券を買うかもう考えていたから、ここで悩む必要はない。
まずはカネヒキリの単勝を100円購入。既にこの時点でカネヒキリの単勝オッズは1.1倍と、圧倒的支持を受けていた。
それは儲からないことを意味しているが、これは記念馬券なので当たっても換金しない。

次に馬単(馬番連勝単式)。岩手競馬は3連複、3連単を導入していないのが残念。
ここまでカネヒキリの人気が抜けていると、馬複でも馬単でも数10円ほどしかオッズが違わない。
これなら万一のことを考えて、馬複を買っておくのが賢い買い方なのだが、
私はカネヒキリの1着を信じて疑わなかったので、迷わず馬単を購入することに。

ジャパンダートダービーで2着に入った、船橋のメイプルエイトが出走取り消しになってしまったため、有力馬はほとんどJRA勢。
しかしコンゴウリキシオーは2着に入るほどの力はないし、ドンクールは最近凡走続きでとても買えない。
やはり夏に入ってからダート4連勝中のサンライズバッカスが、唯一のカネヒキリの対抗馬か。
それにアグネスジェダイは個人的に買っておきたいと思った。
さらに地元岩手競馬で最近上位に来ている、コスモジェントルとマツリダパレスの2頭も怪しいと睨み、
6の1着流しで、4・8・12・14の4通りを5000円づつ計20000円購入。

さらにここで弱気になって、もしドンクールが来ちゃったらどうしよう、と考えてしまい、抑えで6−10を2000円だけ購入した。
合計22100円。

馬券を購入できたので、第8レースを観にゴール前へ。このレースは馬券を勝っていないので、ゆったりと観ることができた。
やっぱり生で競馬を観ると、迫力が違いますな。ところが
もうあと少しで、ここをカネヒキリが駆け抜けていくかと思うと、急に心配になってきた。
果たして私の目の前で、カネヒキリは無事に勝ってくれるだろうか、と。

しかし、ここで悩んでも仕方ないので、例の勝ち馬大捜査線のトークショーを観にいった。
出演者で知っているのはDrコパ氏くらいであったが、なかなか楽しいトークショーであった。
そして第9レースが始まるということで、私はパドックに移動して、カネヒキリを観ようとしたのだが、もう人だかりができていた。

それでも、初めて生で観るカネヒキリに感激!
いい写真を撮ることは出来ませんでしたが、「もう来て良かった〜」と満足。


パドックでのカネヒキリ

いよいよダービーグランプリが始まるので、スタンドに移動。
ホントはゴール付近で見たかったのだが、もういいところは獲られていたので、スタンドから観戦することに。
武豊を乗せて返し馬をするカネヒキリ、あっというまに彼方にいってしまった。

いよいよレーススタート!
予想通りアグネスジェダイが先行したが、ドンクールもそれについていく形。
さらに向こう正面でコンゴウリキシオーがかかり気味で先頭に立つが、カネヒキリはまったく動じず4番手をキープ。
4コーナーを回ったところでようやくカネヒキリは動くと、一気に先頭に立って2位以下を引き離しにかかった。
サンライズバッカスが唯一カネヒキリに食らいついていったが、それでも2馬身半離しての圧勝。

いやね、最終コーナーを回って先頭に立った時なんか、鳥肌がたつほど興奮しましたよ。
自分の目の前で、自分が願っていた通りの展開で先頭に立ってくれたのですから。
「そのまま突っ走れ〜」
「いやったぁ〜!!」
カネヒキリが1着でゴールしたときの喜びは、とても文面で書き表せませんね。嬉しすぎる。


カネヒキリのゴールの瞬間

その後は、優勝インタビューを受ける武豊を観ようとしたが、既にいい位置を獲られていてろくすっぽ観られなかったし、
表彰式のことを忘れていてこちらもスタンドから遠目でしか観れませんでした。せっかく武豊も始めて観るのに。
このへんは、今後の競馬場観戦でのいい経験になりました。もっと早めにいい場所を獲っておくこと。
そのためにはもっと早く競馬場に駆けつけなければならないのですね。今度はもっといい写真を撮るぞ。


表彰式での武豊

その後換金をしていなかったことに気付き、スタンドの中へ。
なお馬券は単勝も馬単も見事に当てましたが、馬単も1番人気だったので290円しかつかず、
なんと収支はマイナス7500円でした(苦笑)。まあ、カネヒキリが勝ってくれたので、もうどれだけで大満足なので、
馬券で多少マイナスになってもまったく気にしていませんでしたが。

17時。無料バスで盛岡競馬場を去ったわけですが、ホント楽しかったです。
ぜひまた競馬場に観に行きたいと、カネヒキリを応援に行きたいと、心から思う私でした。

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