●生活リズムを整えよう!

  最近、幼児の睡眠時間の減少・睡眠不足が問題になっています。
  『朝なかなか起きられず、午前中ずっとボーっとしている』
  『夜10時を過ぎても目がギンギン、眠るのは12時を過ぎる』など、「早寝早起き」が出来ない子が多いのです。
  これは現代の子どもが、親の都合に振り回されていることが多いため、夜型の生活になっていたり、
  また現代は、夜でも必要以上に明るく、子どもが「夜」を認識できない状態にあることが原因であるようです。
  「寝る子は育つ」と昔から言うように、子供にとって睡眠は脳の発達に大きな影響を及ぼします。
  もちろん大人にとっても睡眠は大事ですが、大人の脳はもうすでに完成しています。
  まだ脳が未完成な子どもにとって、良質の眠り、規則正しい眠りは大人の何倍も大切になります。

  目標は「夜9時までに眠り、朝7時までに起きる」規則的な生活です。
  (もっと脳や体のことを考えれば「夜8時頃寝て、朝6時頃起きる」のが一番理想なのですが。)
  それが体も心も元気な子を育てる基本となります。

  生活リズムは、自然には身に付きません。子供は勝手に早寝早起きになるわけではないんです。
  小さい頃からの習慣づけが大事になってきます。
  「早寝早起きは小学校に行ってからでいいや!」なんて言っていると手遅れになります。
  乳児期から「早寝早起き」を心掛け、健康な子供に育てましょう!

  ●短時間睡眠と長時間睡眠
   人間には、短時間の睡眠で足りる人と、長時間寝ないとすっきりしない人とがいます。
   歴史上の人物で言うと、ナポレオンは短時間睡眠で1日に4時間程度しか眠らず、
   アインシュタインは1日に10時間以上の睡眠をとっていたそうです。
   どっちも秀才・天才ですし、短時間・長時間のどっちが頭がよくなるとかそういうことではなくて、
   短時間睡眠の子に、長い眠りを押し付けてもストレスになるだけだし、
   長時間睡眠の子の眠りを妨げてまで朝早く起こすのも考えものだと思うので、
   自分の子は短時間睡眠派なのか、長時間睡眠派なのかを知ることも生活リズムを整えるうえで大切になってきます。
   でも、いくら短くても、幼児は平均10時間、小学生でも最低8時間は睡眠が必要です。
   あまりにも短い場合は、精神的な興奮が強すぎる場合なども考えられますので、
   生活環境や昼間の過ごし方などを考えていく必要があります。

  ●昼寝は大切
   昼寝(午睡)は子供にとって、とても大切なものです。
   人間には「眠たくなる時間」が一日に2回あるといいます。1回はもちろん夜で、もう1回がお昼前後だそうです。
   この時間帯に昼寝をすることで、夜に良質の睡眠(深い眠り)がとれるようになります。
   昼寝をさせない日は夜早く眠るので親は楽かもしれませんが、「長く眠りすぎる」ことも子供にとっては大変なこと。
   敏感な子だと昼寝をせずに夜就寝すると夜泣きがひどくなる場合があります。
   適度な昼寝時間をとってあげて、良い眠りを与えてあげてください。
   「うちの子は昼寝しないの」と言っているママ、朝、遅くまで寝かせたりしていませんか?
   昼寝をしないのではなくて、昼寝が出来る生活リズムを作ることが大切だそうです。
   ちなみにこの昼寝の時間は個人差がありますが、1時間〜2時間が適当、よく眠るタイプの子だと3時間のようです。
   午後3時以降の昼寝はかえって夜の就寝時間の妨げとなるので、気をつけてあげて下さい。

  ●睡眠の大切さとホルモンの関係
   人間には睡眠時にさまざまなホルモンが分泌されます。
   たとえば、
脳や体の成長や回復に必要な「成長ホルモン」は、眠りについてから4〜5時間分泌されるのですが、
   夜9時から12時の間は他の時間の2倍も分泌されるのです。
   なので夜8時頃に眠れば、熟睡した頃から成長ホルモンの分泌が一番活発な時間となり、
   脳や体の新陳代謝がよくなり、回復や成長に大きく関係するというわけです。
   他にも、
「メラトニン」というホルモンは情緒安定や、性のコントロール・成熟に影響があるのですが、
   これは眠りに入ってから4〜5時間後に分泌されはじめ、明け方まで分泌されます。
   このメラトニンは目に光が入ると分泌されにくいそうで、カーテンのすき間から光が差し込んだり、
   豆電球がついていたり、機械器具のランプがついていたり、何かの光が目に入るとダメなのだそう。
   真っ暗な部屋で静かに睡眠することがメラトニンの分泌をよくし、良い眠りになります。
   また、このメラトニンは、昼間にしっかり太陽の光を浴びることによって、夜によく分泌されるのだそうです。
   夜泣き防止には「昼間外でしっかり遊び、夜は真っ暗な部屋で」ということが証明されますよね。
   その他にも、明け方頃に分泌される「コルチゾール」の働きによって、「快適な目覚め」が出来るのですが、
   コルチゾールはメラトニンと反対で、体に光を浴びると分泌されます。
   目覚めって冬場より夏場の方が良いですよね? これは光を浴びる時間との関係があるのかなと思います。
   このメラトニンとコルチゾールの関係によって、深い眠りと良い目覚めが得られるようです。

  ●生活リズムの整え方
   新生児期は昼夜の区別がまったくつかず、赤ちゃんは夜でも昼でもよく泣きます。
   これが3ヶ月くらいになるとだんだんと昼夜の区別がわかるようになってきます。
   でも、親が自分の都合に合わせた生活を赤ちゃんに強制していると、
   何ヶ月になっても昼夜の区別がつかず、昼夜逆転という事態も起こってきます。
   3ヶ月頃になって少しずつ赤ちゃんの授乳間隔が定まってきたり、睡眠時間が定まってきたら、
   そろそろリズムを整えるために、下記のようなことに気をつけてみてください。
   すでにもう1才!2才!という方もまだ間に合います。早めに対処していきましょう。

   (1)朝は同じ時間(朝6時〜7時の間)に起こしてあげること。
   (2)起きたら朝の光を浴びさせてあげること。「朝」を認識してもらう。
      なかなか起きない子の場合、起こす前にカーテンを開けるなど、徐々に部屋を明るくしていくのも効果あり。
   (3)朝の儀式を行うこと(顔を拭く、服を着替えるなど)。これは習慣づけるのがポイント。
   (4)晴れた日は、午前中か午後に少しでもいいので散歩に行くようにする。
      散歩が無理ならベランダや庭で少し日光浴でも良い。「昼」を認識してもらう。
   (5)昼間は元気な遊び、夕方からは出きるだけ静かな遊びを。
   (6)
離乳食・食事は夜7時半頃までには終了させる。
   (7)お風呂は就寝時間の1時間前くらいまでには入れる。
   (8)夜は必要以上の電気をつけない。寝室は真っ暗にすること。
      夜の授乳時も電気は電気スタンドなど、上から照らすものでなく、小さな灯がオススメです。
   (9)眠る前の儀式、「パジャマに着替える」「歯を磨く」「絵本を読む」「お話をする」など、
      眠る前にはこれをする!ということを習慣づける。「夜」を認識してもらう。
  (10)毎日出きるだけ同じ時間に寝室に入り、電気を消す。出来るだけ真っ暗にすること。
  (11)一人で眠らせようとしない。親が添い寝する。眠ることへの不安を取り除く。
      どんな甘えんぼも、いつか一人で眠れるようになります!
  (12)昼寝は午後3時までに、1〜2時間くらいが適当。
      ただ、昼寝の時間はかなり個人差があるので、眠る時間への影響などを調べながら、
      自分の子供に合う睡眠時間を考えていくといいと思います。
  (13)夜眠る時間と、朝起きる時間はかなり比例します。
      ズレてきたら、朝起こす時間を調整していくと良いようです。
  (14)個人差はありますが、夏場と冬場の睡眠時間は総体的に冬場のほうが長いようです。
      夏場と同じように起こすと機嫌が悪くなるだけということもあるので、
      子どもの様子を見ながら、睡眠時間を調整していってあげてください。

  上記のことについて詳しくは、「夜泣き・寝ぐずりの対処法」
  こちらに光のリズムについても書いてありますので、一度目を通してください。

  このように、3歳までに規則正しい生活リズムを教えていくと、
  これがその子の生活の「基本」となり、幼児期に狂うことは少ないそうです。
  (外出などの都合で何日か狂っても、親もリズムがわかっているので戻しやすい)
  でも、小さいころの生活リズムがむちゃくちゃで、大きくなってから整えようとしても、なかなか難しいのです。
  極端な話で行くと、例えば思春期以降になって非行に走った子でも、
  小さい頃の生活リズムが整ってて正しい生活リズムの基礎がある子ほど、更生する確率が高いそうです。
  また、良質の睡眠がとれている子と、そうでない子では、脳の成長が著しく違ってくるそうです。
  早くから生活リズムを整え、心と体を健やかに成長させてあげてください。