●赤ちゃんに果汁は必要?
3ヶ月検診などに行くと、保健婦さんは必ず「そろそろ果汁をあげましょう」と指導されます。
また、お店にも「1ヶ月から」「3ヶ月から」などの表示のある赤ちゃん飲料が多く売ってあり、
そろそろ飲ませなくては!と思われているママも多いと思いますし、
ママ自身はまだまだと思っていても、姑さんなどから強く言われ、困っている方も多いと思います。
しかし、はっきり言ってしまうと、母乳で育っている赤ちゃんには、全く必要ありません。
果汁を勧められる理由は、まず「いろんな味に慣れさせるため」だと思いますが、
母乳はママの食べたものによって毎日味が変わるし、温度や濃さも変わります。
なので、赤ちゃんは毎日、ママのおっぱいで色んな味を覚えているので、他のものに慣れさせる必要はないのです。
また、一度赤ちゃん果汁などを味見してもらえばよくわかると思うのですが、かな〜り味が濃いです。
薄めてもしっかり味があります。母乳以上に濃いものもあります。そして砂糖も入っていたりします。
こんなものを飲ませてしまったら、母乳の味が薄く感じて物足りなくなったり、
今後始まる「味なしの離乳食」を受け付けなくなる可能性が大きいのです。
それに、低月齢から果汁等を飲ませることは、赤ちゃんの胃腸への負担がかなり大きく、
最近では、6ヶ月未満の乳児に果汁を与えることが問題視されてきています。
胃腸の調子が悪くなり、ぐずりの原因にもなりますし、
早くから果汁を飲ませてしまうことによってアレルギーの原因にもなりうるし、
果汁でカロリーをとってしまうと、母乳を飲む量にも影響してきて、極端に回数が減ったりすることもあります。
どうしてもという場合は、ごくごく薄めに、1日50cc以下にとどめるようにしてください。
果汁を勧められる第二の理由として、「水分補給のため」ということが言われたりしますが、
何十分もお風呂に入ってるわけじゃないので、赤ちゃんが脱水症状になることはありませんし、
1日に8〜10回以上母乳を飲んでる赤ちゃんは、そう簡単に水分不足にはなりません。
お風呂からあがってすぐに水分補給!と思わなくても、
ママも赤ちゃんも落ち着いた時に、ゆっくり母乳をあげるのが一番です。
どうしても水分補給がしたい場合は、乳児用のお茶(ノンカフェイン)や、白湯で十分ですよ。
6ヶ月を過ぎれば離乳食の一環として果汁を多少与えても構わないと思いますが(アレルギーの心配がある場合はやめたほうがいい)
その時の温度ですが、室温くらいが一番体に負担がかかりにくいです。
市販の果汁飲料などは、だいたい常温で保存できるものだと思うので、冷蔵庫に入れないでおくといいですよ。
冷蔵庫から出した冷たいものをそのまま、というのはやめたほうが良いようです。
時間がない!という場合は、少量の熱湯を加えるといいですよ。
ミルクでも「人肌くらい」と言われますよね。
母乳は正常な母乳であれば、赤ちゃんにぴったりの温度だと言われています(これも人肌くらい)。
果汁や離乳食などもこれくらいの温度が適性と思っていいと思います。