●おしゃぶりは必要?
【おしゃぶりと鼻呼吸】
「鼻呼吸をさせるためにおしゃぶりを使用する」ということをよく聞きます。
実際、おしゃぶりのパッケージにもそのようなことが書かれています。
もともと人間は、自然と鼻呼吸が出来る動物です。
しかし、言葉を話すという進化により、また最近は、ミルク育ちの子が多く、
哺乳瓶だと、くちびるの力だけで楽に吸えてしまうので、
あごの発達が悪く、口呼吸になる子が多くなってきたために、
おしゃぶりで鼻呼吸の練習をすることが頻繁に言われるようになったそうです。
そのため、昔のおしゃぶりと違って、今のは口全体を覆うものになっていますよね。
しかし実は、その医学的根拠は認められていません。
心配しなくても、母乳で育つお子さんの場合、【母乳の利点「子どもの心と体の成長」】
こちらに記載しているように、母乳を飲むことによってあごが発達し、自然と鼻呼吸が身につきます。
また、母乳を飲ませておられる場合、おしゃぶりもゴムの乳首に変わりないので、
おしゃぶりを常用することによって、ゴムの乳首に慣れてしまって、
母乳の吸い方が変化してしまい、ママの乳首を嫌がるようになることもあります。
【ご機嫌直しにおしゃぶり?】
おしゃぶりを使う方の理由の多くが、“寝ぐずりやご機嫌が悪い時におしゃぶりで泣きやませる”
ということで使用されているそうです。
しかし、子供が愚図るのは何か不快なこと、不安なことがあるからで、
もしおしゃぶりで寝ぐずりやご機嫌悪いのが治まったとしても、根本的な解決にはなりません。
おしゃぶりを吸うことでその訴えを紛らわしている・不安をかき消しているだけです。
外出時に騒がないように2〜3歳くらいの子でもずっとおしゃぶりをくわえている子がいますが、
まずはどうして外で騒いではいけないのか、言い聞かせることが大切なのではないでしょうか。
「うるさいからおしゃぶりで黙らせる」やり方では、いつか子どもも爆発してしまいます。
子どもには自分の気持ちを訴えて、親に聞いてもらって、そして納得することも必要です。
自主性・自己主張の気持ちを潰さないようにしてあげてください。
【指しゃぶりをするから代わりにおしゃぶり?】
指しゃぶりは子どもにとって自然な行動です。
年齢が大きくなってからの指しゃぶりはストレスの表れなど言われますが、
低月齢の指しゃぶりは、初めてのオモチャである「指」の感覚を楽しんでいるだけ。
子どもはまずは舌で感覚を養っていくといいます。無理に指しゃぶりをやめさせる必要はありません。
指しゃぶりについては、じるさんのページで詳しく書かれておりますのでご覧下さい。
また、歯並びが悪くなるということで指しゃぶりを敬遠される方もおられますが、
ストレスによるひどいおしゃぶりではなく、遊び程度のおしゃぶりなら、歯並びは心配しなくていいです。
しかし、「おしゃぶり」の常用は、歯並びが悪くなる可能性が大きくなると、小児学会でも問題になっているようです。
子どものやわらかい手、自分で自由が利く手と違い、おしゃぶりは固いゴムであり、
子どもの意志とは別のところでくわえさせていることが多いので、危険が多いようです。
【おしゃぶりを嫌がる】
これは自然な反応と言ってもいいと思います。
母乳のみで育つお子さんで、哺乳瓶さえ嫌がる子は、おしゃぶりも拒否する子が多いようです。
「どうして吸わないの?」と怒るのは筋違いのようです。
うちの子も、一時期あまりにもオムツ替えを嫌がるので、おしゃぶりで場を収めようとしたことがありますが、
口に入れると「なんじゃこら?」とばかりに口から出して、ポイっと投げられてしまいました(汗)
その後、我が家のおしゃぶりは、「噛み噛みオモチャ」として活用?されました・・・
【おしゃぶりの上手な使用法】
(1)言葉を覚え、喋り始める1才頃にはおしゃぶりの常用はやめる
(2)遅くても2才位までにはおしゃぶりはやめる
(3)おしゃぶりを使用している間も、親は声をかけたり、一緒に遊んだりして触れ合う
こういったことに気を付けながら、本当にどうしようもない時(絶対に静かにしなくてはいけない時)にだけ、
また、ひどい寝グズリ夜泣きでママがノイローゼになりそうな時の手段などのみにし、
短時間・短期間の上手な使用をしてあげてください。
そして、根本的なぐずりの原因を探ったり、言い聞かせをしてあげてください。