●「母乳不足感」


  母乳が足りないと思ってルクを足しておられる方はたくさんおられると思います。
  でも、ミルクを足しておられる方の多くは本当は足す必要がないのに足してしまっているそうです。
  この“足りてないのでは?”という感覚を「母乳不足感」というそうです。
  私自身はミルクを足したことはないのですが、子どもが2ヶ月くらいまでは病院で教えてもらったとおりに、
  はじめに10分だけ母乳を直接飲ませ、その後、搾乳を50〜80ccほど哺乳瓶で飲ませるという、
  母乳と搾乳を哺乳瓶で飲ませるという「混合」をしていました。
  それは“直接だけではちゃんと飲めてないのでは?”と不安に思い、少しでも多く飲んでもらおうとしていたのですが、
  本当は、そんな面倒くさいことをせずに、“泣いたら欲しがったら飲ませる”で良かったのにと今になると思います。

  母乳の場合、いくら飲んだか分からないから不安だとおっしゃる方が多いのですが、
  私も最初の頃は、「おっぱいに目盛りがついていたら、いくら飲んだか分かるのに」と思ったことがありました。
  でも、母乳の場合、何cc飲んだかはあまり関係ないそうなのです。
  赤ちゃんが飲みたい時に、飲みたいだけ、好きなだけ飲ませられるのが母乳の特徴です。
  それに母乳は1回1回カロリーも味も違うので、赤ちゃんはたくさん飲む時や、ちょっとの量で満足する時などいろいろです。

  赤ちゃんがおっぱいを飲んでいる途中に、疲れて口を離したり、寝てしまったり、突然飲むのをやめてしまった時、
  「こんなに少しじゃ足りないのでは?」と思い、ミルクを足す方が多いようです。
  乳首を離した時、赤ちゃんは泣きましたか? ご機嫌だったり、眠っているのに、無理やりミルクを足していませんか?
  哺乳瓶でミルクをあげると、けっこうゴクゴクとたくさん飲むので、「やっぱり足りてないんだ」と思われる方も多いですが、
  哺乳瓶は乳首とはまた口当たりが違いますし、少しの力で一気に口に入るので、
  本当は母乳で満足していてもたくさん飲んでしまうそうなんです。
  母乳の子が引き締まっていて、ミルクの子はぽっちゃりしているとか言われるのは、このへんにもあるのだそうです。
  ミルクでも引き締まっている子はもちろんいますが、多くが「飲ませすぎ」て少し太り気味になっているのだそうです。
  母子手帳の体重の標準とは、ミルク育児が多くなって、少し太り気味になっている赤ちゃんが多い現代の標準なので、
  その標準体重を母乳のみで育っている子にあてはめると、「やせ過ぎ」「ミルク足しなさい」ということになるのです。

  赤ちゃんが乳首を離した時に、泣かなかったら、そのままミルクを足さずにおいてあげてください。
  乳首を離しても泣いている場合は少しミルクを足し、哺乳瓶を離しても泣かなくなったらそこでストップしてあげてください。
  作った量を全部飲ませる必要はないです。少しずつ様子を見ながら飲ませてあげるといいですよ。
  眠ってしまった場合は、少し足の裏をくすぐったり、ほっぺをつついたりしてみて、
  それでも飲まなければ寝かせてあげてください。
  そしてまた30分後でも、1時間後でも、泣けばまたおっぱいをあげてください。
  「すぐに泣くから足りていないのでは?」と思いがちですが、まだ小さな赤ちゃんは一度にたくさんの量が飲めません。
  何度にも分けて栄養をしっかり摂って、飲む練習もしていくのです。
  ママのおっぱいも、1日に何度も赤ちゃんに吸われることで刺激され、出の少ない方は母乳の量が増えていきますし、
  出の多すぎる方はちょうどの量になっていくそうです。
  そこでミルクを多く足してしまうと、腹持ちがよく授乳回数が減り、母乳オンリーでいくことが難しくなっていきます。
  最初の1〜3ヶ月は、1日のほとんどを授乳で過ごしたというママも少なくありません。
  でもその努力の結果、3ヶ月経つころには混合から母乳オンリーになったという方はとてもたくさんいます。
  また離乳食が始まったら、離乳食+母乳オンリーでいけるようになった、という方もいます。

  溜まり乳でよく出るタイプの方でも、「今は張りが少ないから量が出ないからミルクを足そう」とされる方もいます。
  おっぱいは張っていなくても赤ちゃんが飲む刺激で製造されます。
  張らないから飲ませない、ではなくて、張らなくてもなんでもとにかく赤ちゃんに飲んでもらうことが大切です。

  また赤ちゃんは、足りない・お腹がすいている時だけのママのおっぱいを求めるのではなくて、
  サミシイ・甘えたい時にもママのおっぱいを求めます。
  だからその赤ちゃんの気持ちを満たすためにも、まずおっぱいをあげてください。
  それに赤ちゃんだって人間ですから、お腹いっぱい飲みたい時、少しだけ飲みたい時、腹八分目でいい時、色々です。
  なにも毎回お腹いっぱいになる必要はないんですよ。それを理解してあげてください。

  どうしても体がしんどいとか、出かけなくてはいけない用事がある、などの場合はミルクを足しても構わないと思いますが、
  その場合、哺乳瓶を嫌がる子には、ピジョンの「母乳相談室」という哺乳瓶ですと、
  母乳からの移行がしやすく、哺乳瓶慣れしてママの乳首を嫌がるということもずいぶん防げるそうです。

  どうしても母乳が出にくくて困っているママは、助産院等でマッサージしてもらうことで母乳だけでいけるようになります。
  私が通っていた桶谷の助産院でも、そういったママが多くおられました。
  張りすぎて母乳が出過ぎて赤ちゃんが飲みにくいという方も、桶谷でマッサージしてもらうことによって量も安定し、
  赤ちゃんも飲みやすくなり、乳首を嫌がるなんてこともなくなるようですよ。

  小児科の先生や、保健婦さんでも母乳育児を理解されていない方が多く、
  「赤ちゃんは最初の5分しか母乳を飲んでいないから、その後飲ませても意味がない」とか、
  「疲れて寝てしまったら、寝てしまった赤ちゃんに哺乳瓶を突っ込んで飲ませなさい」とか、
  「母乳を飲むのは疲れてすぐ眠るので、起きたらミルクを足しなさい」とか言われる方がいます。
  中には「お母さんが楽しようと思えば、いっぱいミルクを飲ませればいいよ」などと言う方もおられるそうです。
  そういう間違った指導がなされ、母乳を断念されるママが多くいることを残念に思います。

  もし母乳オンリーにならなくても、出来るだけ母乳を飲ませてあげることで、
  母乳の栄養を赤ちゃんは取り入れることができ、何よりもママとのスキンシップがとれます。
  間違った情報に流されないで、自分のおっぱいを信じて頑張ってくださいね!