●「断乳」と「卒乳」の違いは?


  一般的に、日にちを決めて、その日からおっぱいを飲むことをやめることを「断乳」、
  徐々に授乳回数を減らしていき(減っていき)、子どもが自然に飲まなくなることを「卒乳」と言います。


  近年では「乳を断ってしまう」という言い方が、あまり好ましくないということで、
  どちらの場合も「卒乳」というようになってきているようですが、
  ここでは上記の定義で「断乳」「卒乳」と区別させて頂きます。


  母乳を飲ませているママの多くは、1歳前後になると“そろそろおっぱいをやめないと”と思い始めたり、
  周りの人からの“まだ飲ませているの?”という声で焦り、断乳を考えるようになるようです。
  でも、おっぱいには“何歳までにやめなくてはいけない”という期限はありません。
  一昨年度あたりから、母子手帳の「断乳の有無」という項目が消えたり、
  母子手帳に項目はあっても特に断乳について質問したりするということが少なくなってきているそうです。


  近年、親子の絆の薄さが言われたり、親子のふれあいの時間が少なくなっていると言われる中で、
  おっぱいは母子を繋ぐ大切な手段なので大切にするべきという考えが多くなってきています。
  しかし、昔からの考えで、早めの断乳を奨める方も多くおられ、保健士さんでも強く言われる方が時々おられます。
  でも、おっぱいをやめることは人に言われて考えることではなく、ママとお子さんが話し合って決めることです。
  周りの目など気にせず、親子納得いくまで授乳を続けて下さい。


  早くおっぱいをやめるよう奨める方の理由として、
  ・長くおっぱいを飲ませていると、自立心のない子になる、甘えんぼになる
  ・執着心が出てきて止めにくくなるので、解らないうちに断乳をしたほうがいい
  というのが主な理由で、こういったことから1才の誕生日を境に断乳される方が多いようです。


  でも、実は
1才〜1歳半頃の授乳が、子どもの心の成長と親子の絆にとても重要な役割を果たします
  1歳前に断乳した子よりも、1歳半くらいまで飲んでいた子のほうが、将来的に自立心が強くなることが多いそうです。
  脳や心が大きく成長する時期に、ママからおいしいおっぱいをもらい、たくさんのスキンシップをして、
  思う存分甘えておくことが、精神的な安定を促すのだそうです。


  また、夜の授乳は、昼間に受けた不安を解消する大事な情緒安定剤でもあり、
  赤ちゃんにとって「ママの愛情を試す」という手段でもあるそうです。
  脳が刺激をたくさん受け、不安も大きくなるこの1歳〜1歳半の夜の授乳は、このためにも必要だそうです。


  ところで、最近では、「断乳」よりも「卒乳」を勧められるようになってきているようです。
  それは「断乳」という言葉からも連想できるように、一方的に子どもからおっぱいを取り上げてしまう、
  そんなイメージが強いので、子どもが納得いくまでおっぱいを飲み、自分から離れていく「卒乳」、
  それが理想だということになってきているようです。


  しかし、卒乳は、何歳になるか、期限が見えません。
  だんだんと授乳回数を減らしていき、寝かせ付けなどの場合のみ授乳し、1歳〜1歳半をめどに授乳をなくす、
  というのが卒乳のやり方ですが、このようにうまくいくとは限りません。
  もちろん自然に回数が減る子もいますし、ママの思い通りにことが進む場合もあります。
  しかし、子供によっては全く離乳食を受け付けない場合もありますし、ママが回数を減らそうとやっきになることで、
  かえって不安で離れなくなる場合もあります。
  ママが卒乳を目指そうと頑張れば頑張るほど、子供は執着し、ママのイライラが募るという悪循環にもなりえます。
  私の経験や過去の掲示板の質問から見ても、こういった場合のほうが多いように思います。


  また、職場復帰を控えたママや、トラブルの多いおっぱいを抱えて体力や精神的に限界になっているママには、
  自然卒乳を待つのはとても大変なことですし、下の子の妊娠でやむを得ずという場合もあります。


  また、そのほかの理由として、「おっぱいを取り上げる」ことに抵抗があるということがあります。
  子供からおっぱいを奪ってしまったのではないか?と断乳をしても後悔される方も多い現状です。
  けど、
断乳は子供にとって人生で最初の「卒業式」なのです
  学校の卒業式を思い出してください。
  「卒業式」は日にちが決まっています。そしてそれに向かって準備をしていきます。
  単位が足りなければ留年ですが(笑)だいたいの方はしっかり単位をとり、卒業資格を得ます。
  そして「卒業式」。泣く人もいれば、すがすがしい気持ちの人もいます。
  もっとこうしていれば良かったなと後悔する人もいます。
  色んな思いを抱えながら卒業します。
  断乳もそれと一緒なのだそうです。一つ大人になる大事な「式」なのです。
  しかしその大切な「卒業式」である断乳の方法について、正しい情報が流れておらず、
  無理矢理の断乳をしてしまう方が多く、お子さんが傷つき、ママも後悔が残ります。
  なので、ちゃんとした断乳の方法を知って頂き、親子で乗り越えて頂きたいと思います。