ドイツワインの知識 2

ドイツワインの品質等級

(1)            クヴァリテーツワイン・ミット・プレディカート
              (Qualitatswein mit Pradikat)

肩書き付高級ワインと呼ばれるこの等級は、さらに次の6つに分けられます。この等級のワインは、一切補糖が認められていないため、必ずしも毎年続けて生産されるとは限りません。

    カビネット(Kabinett)

充分に熟した果実から造られ、一般にクヴァリテーツワイン・ミット・プレディカートの中で最も辛口です。食事と一緒でもワインだけでもおいしく飲めます。また、生産者の味すじが最も集約されたワインとも言うことができます。

    シュペートレーゼ(Sp?tlese)

直訳した通り遅摘みの葡萄より造られるワインで、通常の摘み取り時期より最低1週間以上遅く収穫された葡萄が原料となります。風味と濃度が一段と高いワインですが、必ずしも甘口であるとは限りません。

    アウスレーゼ(Auslese)

充分に完熟した房を選りすぐって造られるワインで、シュペートレーゼよりも一層気品のある凝縮した味わいとなります。大半は少し甘口で、ワインだけでじっくりと楽しんでいただけます。

    ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese)

さらに成熟した超過完熟の果粒のみを一粒一粒丹念に摘み取り造られるワインで、驚くほど芳醇でコクのある味わいをもっています。

    アイスヴァイン(Eiswein)

その年の11月から12月あるいは、翌年1月頃まで摘み取りを遅らせ葡萄が氷結した時にすばやく摘み取り造られ、まさに10年に1度の奇跡ワインです。82年より一つの等級として認められたかわりにベーレンアウスレーゼ以上のエクスレ度をもたなくてはなりません。ということは、以前にもまして生産することが非常に難しくなったということです。ベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼとは、また甘さの質の違うすばらしい味わいをもっています。

    トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)

ドイツワインの最高の等級であるこのワインは、最適な天候状態にあった年にのみ造られるもので、ほとんど干し葡萄同様になるまで熟した果粒を原料に造られます。まるで天然のリキュールともいえる味わいをもち、世界最高のデザートワインと言えます。

 

以上のようにドイツワインは、品質等級されていますが、必ずしもこれがすべてではありません。
例えば、食中酒として飲む場合、当然クーベーアーやカビネットの方がシュペートレーゼやアウスレーゼよりも料理の味を引き立てるでしょうし、伝統のある醸造所のクーベーアーが、品質を重視しない価格の安さを売りものにする会社のカビネットやシュペートレーゼを優ることはよくあることです。
ワインを選ぶ場合、等級を選ぶのではなく、ワインに対してしっかりとした姿勢と考え方をもつ生産者を選ぶべきだと考えます。また、一般的には、等級が上がるにつれ糖度も上がりますが、ラベルにトロッケン(Trocken)あるいはハルプトロッケン(Halbtrocken)と表示してある場合は、辛口またはやや辛口のワインになります。