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4 誤差解析手法による補正(2)

(3-7)と(3-13)においての極限を考えると次式を得る。

            (3-18)

(3-18)の各値を式(3-17)に代入するといずれの補正係数も以下のようになる。

                                            (3-19)

すなわちの分母と分子はゼロとなるため、さらにロピタルの定理を用いて計算する。

すなわち、まず各項のによる一階微分の極限値と二階微分の極限値を求める。

,  ,       ,        ,

        ,                  (3-20)

 ,  ,   ,  ,

 ,

                             (3-21)

式(3-18)と(3-20)をロピタルの定理により一階微分を実行した式(3-17)に代入すると

次式を得るが、ここで下線部分の項はゼロとなる。

 
       (3-22)

            

したがってさらに式(3-17)の分母と分子について二階微分を実行する。

そして式(3-18)、(3-20)および(3-21)を式(3-17)のに代入すると次式を得る。

             (3-23)

同様にgの分母・分子についても二階微分を実行して極限値を求めると次式を得る。

                                (3-24)

したがって、さらに式(3-17)のの分母・分子に関する による三階微分を

実行して
での極限を考えると次式が得られる。

(gの分子)   

             
 

                

                              (3-25)


ただし、上式での三階微分項はすべてゼロとの乗算となるため、その微分値を

直接
求める必要は無い.またgの分母については次式が得られる。

 (gの分母)           (3-26)

したがって式(3-25)と(3-26)より、以下の値が得られる。

                              (3-27) 

結局、補正係数を拡散係数にかけると拡散係数は次式のようになる(3)。

                (3-28)

すなわち、人工拡散項(右辺第二項)が導入されていることが分かる。



5 補正係数についての考察


テ−ラ−展開による打ち切り誤差の観点から補正係数による人工拡散の意味について考察した。

非定常移流方程式の場合には、マトリックスを対称化した変形ガレルキン法による定式化(式(3-2))

での時間方向の離散化はとなるが、

つぎの一次打ち切り誤差が現れる。

        (3-29)

一方、元の非定常移流方程式をにより微分すると以下の関係式を得る。

                      (3-30)
                       (3-31)

                         (3-32)

式(3-32)を式(3-29)の右辺第2項に代入するとこの時間方向の一次打ち切り誤差は次式で表される(7)

                    (3-33)

は拡散項であるため、時間方向の打ち切り誤差によりの人工拡散が支配方程式の

左辺に導入されたことが分かる。一方、式(3-23)の補正係数の導入によりの人工拡散係数が

支配方程式の右辺に加えられるため、結局、本補正方式は時間方向の離散化精度を

(特に移流項が支配的な場合には二次精度に)向上させていることがわかる。


以 上