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おわりに

本稿では有限要素法の一種である変形ガレルキン法を用いた
二次元および三次元の粘性流れ問題及び自然対流問題の数値解析
について解説した。以下にその内容をまとめる。


(1) 変形ガレルキン法により二次元キャビティ内の非定常粘性
     流れ問題の数値計算を行った。レイノルズ数10,000での流速は
   ジアらの結果と比較的良く一致したが、流れ関数においては
若干の差が現れた。さらに多くのメッシュ数を用いた
詳細な検討が必要と考えられる。


(2)MSR解法を用いて三次元キャビティ内の流れ解析を
      行った。Re=400〜2000の計算結果では定常解が得られる
     こと、および他の研究例とほぼ同様の結果が得られることを
 確認した。なおRe=3200の場合には他文献と同様の
構造を有する非定常流れが観察された。


(3)MSR解法を用いて二次元・三次元キャビティ内自然対流
  問題の解析(レーリー数Ra=108まで)を行った。二次元
解析の場合にはすべての解析で、三次元解析の場合
  にはRa=10までの範囲で定常な対称解が得られた。

また温度分布については他の研究例とほぼ同様の
結果が得られた。なお研究例の少ない三次元解析での
Ra=108の場合には左上と右下の角で多少の非対称性が
現れた。あわせて、この際の熱収支の収束状況を観察した。
またRa=107までのレ−リ−数と平均ヌッセルト数との
関係は,二次元および三次元解析のいずれにおいても
レ−リ−数の1/4乗に比例することを確認した。


これらの結果から、われわれの提案する変形ガレルキン法と
MSR解法が熱流動問題の解析に有効であることを確認した。