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2 陽的差分法の場合
2.1 二次中心方式(SCE)の場合
二次中心差分式による定式化として次式を得る.
(4-6)
したがって式(3-8)と(3-9)を式(4-6)の代数方程式に代入すると次式を得る.
(4-7)
上式の両辺をで割り、 を考慮して整理すると
次の増幅因子が得られる。
(4-8)
したがって式(3-12)より次式を得る.
(4-9)
まずのため、式(3-17)の補正係数は次式となる.
(4-10)
式(4-9)と(3-7)より
, , , ,
となるため補正係数は次のようになる.
、
(4-11)
すなわちとの分母と分子はゼロとなるため、ロピタルの定理により補正係数を
求める.まず各項のによる一階微分項についての極限を考えると次式を得る.
, (4-12)
ここで、との微分値は式(3-20)と(3-21)に示される.また各項の下線は、
その値がゼロとなることを意味している.さらにの分母・分子について二階微分をとり、
その極限を考えると次式が得られる.
(4-13)
結局、補正係数とは変形ガレルキン法のそれ(式(3-23)と(3-27))と一致する。
したがって補正係数を増幅因子(式(4-8))の拡散数にかけると、補正後の
二次中心差分方式(SCE(C))に対する増幅因子として次式が得られる.
(4-14)
すなわち上式を式(4-5)と比較すると、SCE(C)方式と
EX(C)方式とは一致することがわかる.
2.2 二次対流方式(8)(SCV)
二次対流差分式による定式化として次式を得る.
(4-15)
したがって式(3-8)と(3-9)を式(4-15)の代数方程式に代入して
で割ると次の増幅因子を得る。
(4-16)
この増幅因子はEX(C)方式の増幅因子と同様なので式(3-17)より、となり、
結局、その補正方式は存在しないことになる.3.3.5項に述べたように式(3-23)の
補正係数は時間方向の離散化精度を一次精度から向上させるが、この二次対流方式では
式(4-15)右辺第3項により時間方向の離散化精度はすでに改善されているので、
結局、誤差解析手法による補正方式は存在しない.
2.3 二次ゼロ平均方式(9)(SZE)
二次ゼロ平均差分式での定式化として次式を得る.
(4-17)
したがって式(3-8)と(3-9)を上式に代入してで割ると次の増幅因子を得る。
(4-18)
式(4-18)と(3-7)を式(3-17)に代入し、ロピタルの定理を用いてでの極限値を求めると
補正係数として、 を得る.したがって本方式の補正方式は存在しない。
2.4 三次上流方式
(10)(TU)
3次上流差分式での定式化として次式を得る。
(4-19)
ここでは上流因子である.式(3-8)と(3-9)を式(4-19)に代入してで割ると
次の増幅因子を得る。
(4-20)
式(4-20)と(3-7)を式(3-17)に代入し、ロピタルの定理を用いてでの
極限を考えると次の補正係数が得られる.
、 (4-21)
この補正係数を式(4-19)の拡散項にかけると、補正した三次上流方式TU(C)が得られる。