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1 波動方程式の解析
1.1 基礎方程式
波動方程式の基礎式は人工粘性項を含んだ次式を扱う。
(1.1)
ただし,
U:x方向の線流速
V:y方向の線流速
u:x方向の平均流速
v:y方向の平均流速 ζ:水位 K:人工粘性係数
g:重力加速度=9.8
t:時刻
H:水深
である。
ここで式(1.1)各式右辺の最後の項は、人工粘性(拡散)項として導入した。
1.2 有限要素法による定式化
(三角形1次要素の場合)
式(1.1)を各式ごとにガレルキン法により定式化すると、形状関数をNiとして
総節点数個の連立方程式の連立方程式がマトリックス形で次のように表される。
(1.2)
(M:総節点数、Ve:要素領域)
ここで ζe :要素の水位, Δ:要素の面積
bi=yj−yk, ci=xk−xj, K=f3gHΔt である。
1.3 前進計算型有限要素法による定式化
いま式(1.2)の連立方程式をそのまま解くのでは計算時間がかかるため、
以下に示す前進計算型有限要素法を考える。 ここでは式(1.2)を一般化した次式を考える。
(1.3)
(c:u,vまたはζ)
また時間項はとして近似する。なお種々の前進計算型解法が
考えられるが、以下に示す人工粘性を考慮した2段解法が優れていることを確認した。(3)
(1.4)
ここで
は任意の定数であり、
は 集中マトリックスである。
また対称マトリックス
の成分を
で表わすと (i=1、n) なる
対角要素のみから成り立っている。
f1=1, f2=0.4, f3=0.025, S1=1, S2=0, S3=1
1.4 波動問題の数値計算例
長さL、幅Wの一次元計算対象を二種類の
メッシュに分割し、式(1.1)を以下の条件により計算した。
境界条件:x=0 で u,ζ=sin(t) (t>0)
初期条件:t=0 で u,ζ=0 (0≦x≧L)
L=90
、 W=15
、 g=10
、 H=10
、 Δt =0.5(sec)
(1) 要素分割図(四角形1次要素:39節点,24要素)
(2) 要素分割図(三角形1次要素:39節点,48要素)
図1.3 計算結果(t=31sec)
以 上