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3.4 重要なのは移流拡散方程式

 いま図6のような2次元x−y空間座標において、
流速uで流れている川にかかった橋の上からインクを瞬間的に
落としたとしましょう。(図6(a))

この際、インク自体は川の中で”じわっと拡がる”でしょうし
(図6(b))、また川の流れによっても運ばれることになります。
(図6(c))

 したがって最終的なインク濃度の拡がりの分布は図6(d)の
ような濃度の等高線で表されるでしょう。 この場合インクの
濃度
をCとすると、その拡がりについてのモデル式は、
重要なのは移流拡散方程式 のy方向への拡散を考慮した式とfem_3.4.eqとから、
次式により表されます。
 
   ・・・(10)

fem_3.4.a

fem_3.4.b

fem_3.4.c

fem_3.4.d

図6 川にインクを落とすとどうなるか


 ここで、t:時間、u:川の流速k:拡散係数(ただし
空間方向に一定と仮定しています)、qc:濃度の発生量です。


 まず図6(b)のような拡散の効果を表すのが式(10)
右辺の第1項であり、
拡散項とよばれます。

 また図6(c)のように川の流れによって運ばれる効果は
式(10)左辺の第2項によって表され、これは移流項とよばれます。
さらに式(10)左辺の第1項は時間項
または非定常項
よばれるもので濃度の時間的変化を表し、式(10)は、
まとめて(非定常)
移流拡散方程式と称されます。