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2.2 シミュレーションの考え方

 ここでは、コンピュータ・シミュレーションがどのように
進められるかを紹介します。そのためには最初に、たとえば
天気予報におけるような大気の運動についての物理現象を
何らかのモデル式(数値モデル)に置き換えることが
必要になります。

 下の図1は、このモデル式を解くモデル化アプローチにより
シミュレーション
を行う際の一般的な手続きを示したものです。

2.2

図1 モデル化アプローチによる
   シミュレーションの流れ

               
 まず最初の「物理現象」は、や、流れ、電子の動き等
というように理論的には何でもよいことになります。

次に、これらの現象に関して何らかの仮説をもとに
物理的または数学的なモデルを考えます。たとえば
熱の移動を予測するには熱伝導方程式という
偏微分方程式
を解くことになりますし、流体の動きを予測する
にはナビエ・ストークス方程式とよばれる特殊な
偏微分方程式を解くことになります。
もちろん通常の物理現象ではその複雑さのレベルは種々
異なりますが、一般的にはこれらのモデルが設定できるもの
(ないしは、”できるとして”)考えます。

 さらにこのモデル式をコンピュータで解くためには
計算モデル」とよばれる数式に変換する必要があります。
この際用いられる定式化の手法が一般に「数値解法」と
よばれるもので、それにより得られた結果は
数値シミュレーション結果とよばれます。

 そして種々の計算上の検討や実験結果とのつき合わせ
により、シミュレーションの全過程が終了するのです。